甘い甘いクリスマス クリスマス。 無論、犬夜叉はクリスマスの意味も内容も知るはすがない。 「なんで雪が降ったからってしんみりしなきゃいけねぇんだ」 こんな感じでいつも通り、耳を片足でかきかきして涼しい顔してます。 (・・・。犬夜叉には・・・少し積極さが足りないわ!) やっぱり恋する女子。たまには強引さも欲しいところですが。 (よーし・・・!私も思い切って積極的になってみよう!) 恋する女子はファイトが沸きます。 ちょっとキャラじゃないこともしてみようって気にもなるのです。 ・・・ということで。 かごめ・・・犬夜叉をご神木の前に呼び出して ある決意を言います。 「なんでい。人が寝てるのに。けっ」 相変わらずの犬夜叉です(笑) かごめ少しむっとしながらも 頑張ります! 「あのね・・・。今日は渡したいものがあって・・・」 「なんでい。忍者食なら間に合ってるぜ」 「・・・クリスマスってね・・・。好きな人に好きなものをあげるって 日なの・・・」 (・・・す、好きな人!?) 流石の犬夜叉もこのフレーズには反応したようです。 さらに。 シュル・・・。 かごめはちょっと色っぽい瞳で制服のスカーフを意味深に 解いて・・・。 自分の両手に巻きつけてリボンを結びました。 「・・・好きな人に好きな”ものを”あげる日・・・。 だから・・・。私を貰って」 「・・・!???」 犬夜叉、突然のことにオロオロ、でも顔はほんのり 染まって嬉しそうに驚いております。 「な、ななん・・・」←嬉しいやらびっくりやらでろれつが回らない。 「ねぇ・・・貰ってよ」 なんだかかごめの唇が艶やかに見えて・・・ 「・・・///も、貰ってって・・・」 頂いちゃったらどうでしょう、犬君(笑) 「・・・って・・・私が言ったらどうするー??」 (え) 「あははは。犬夜叉の慌てた顔ー!やーっぱり 意気地がないんだから。女の子がこんなに迫っても オロオロするだけなんて」 「お、お前、か、からかったな!??」 「あんたがあんまり鈍くてデリカシーがなくて 浪漫がないからでしょ!!!」 (そ、そこまで言わなくても(汗)) 犬夜叉、ブレイクハート!! 「・・・。女の子はねぇ!時にはこう・・・。 強引に抱きしめられたり、甘い囁きがほしくなるもなのよ。 ・・・まぁ・・・。それをアンタに期待する方が馬鹿なのかもしれないけど・・・」 (ば、馬鹿・・・!?) カチン。 不器用鈍感男にも男のプライドというものがあるらしく。 「・・・そ、そこまで馬鹿にされちゃ・・・。男がすたる!! 甘いささやきをすれば気が済むんだな!??」 「・・・出来るものならやってみなさいよ」 今日のかごめはちょっと強気です。 「よーし!わかった!」 犬夜叉は何かを思いついたらしくバッとどこかへ言ってバッと 猛スピードで帰ってきた。 そしてかごめにあるものを差出した。 「・・・なにこれ」 「砂糖の壺だ」 「・・・どうして砂糖?」←呆れ顔 「甘い囁きが欲しいんだろ!??砂糖を食えば 気が済むんじゃねぇのか!?」 (・・・。駄目だわ。本当に駄目だわ。鈍感の極みだわ) 怒りも通り越して呆れも通り越して かごめの中のファイトもサーっと砂糖のように零れ落ちていきました・・・。 「・・・だ、駄目なのか。こ、これじゃあ・・・(汗)」 「・・・ハァー・・・。ふぅー・・・」 「な、なんだ。その諦め悟ったため息は」 「甘い甘いクリスマス・・・か。ふふ」 かごめは砂糖の壺の中に指を入れてぺろっと舐めた。 (・・・ドキ) その舌に犬夜叉はドキドキ。 「うん。甘い。確かに甘い・・・。っふふ。ふふふ・・・」 愛してるとか好きだよとか 言葉は欲しいけど やっぱり大切なのは・・・。 (一緒に過ごせることよね) 「犬夜叉、座って一緒に舐めよ?」 「な・・・舐め・・・///」 かごめの言葉にエクスタシーな犬夜叉。 (なんか・・・少し変な気分だぞ) ご神木にもたれ、二人雪を眺める・・・。 「犬夜叉、甘いもの、嫌い?」 「べ、別に」 かごめは砂糖をぺろぺろ舐めてます。 「少し疲れてたの。甘いもの欲しかったの。犬夜叉、 ありがとうね」 「い、いや・・・///」 体中がくすぐったい。 甘いものは嫌いだがかごめと食べる甘いものなら 食べてみたい・・・。 (どのくらい・・・甘めぇのかな) かごめの指・・・ きれいな指・・・ チュッ!! 「・・・!!」 犬夜叉、無意識にかごめの手をつかんで指先を舐め舐め・・・。 「・・・な、なにすんのよ。と、突然・・・」 「お、お前が食えっていうから・・・///い、嫌だったか(汗)」 「・・・い、嫌じゃないけど・・・」 (不意打ちだけは・・・上手いんだから///) 雰囲気もムードもないけれど 好きな人からの”不意打ち”は大好きだ。 「・・・あーあ。私・・・。本当にアンタに めろめろみたい」 「メ・・・///」 かごめの一言に 犬夜叉は背中に羽根が生えるくらいに嬉しい気持ちが溢れてくる。 (・・・くすぐってぇ・・・。なんか・・・。でも・・・) 「・・・貰ってやる」 「え?」 犬夜叉はかごめをぎゅっと抱きしめる。 ぎゅっと もうどこへも行かせたくないくらいに・・・。 「・・・も、貰ってやるって言ってんだ・・・! く、くりすますって奴なんだろ。今日は・・・」 「・・・う、うん・・・」 「・・・。お、お前の部屋・・・でな///」 「・・・うん・・・」 甘い言葉はなし。 でも・・・ 好きな人といられる甘い甘い時間が在る・・・。 甘い甘いクリスマス。 その夜は優しい気持ちがみんなに溢れる一日なのだ・・・。 追伸。 ”甘いクリスマスプレゼント”を頂いちゃった犬夜叉は・・・。 (甘かった・・・とろける様に甘かった・・・。かごめの肌は・・・///) と、いつまでもいつまでもぽわーんと頬を染めていたのでした・・・v