夜の言霊たち 「ひとりじゃさみしいでしょ?」 「寂しくねぇ!」 「そ。じゃあ小屋に帰る」 「まま、待て!お前がそこまで言うなら 置いてやってもいいぞ」 頬を染めつつ やっぱりそっぽを向く。 力なくなる夜。 大切な誰かを守れないなら せめて目の届く場所にいて欲しい 「けっ。黒髪ってのは重くて嫌れぇだ」 「私も黒いけど・・・。私のも嫌い?」 「え・・・。い、いや別にお前のは・・・。嫌いじゃ・・・」 「よかった。ふふ」 (嫌いなわけ無いだろ。ふわふわのキモチよさそうな・・・ 髪) いつも 優しいかぜに靡いている。 「私は黒でも銀でも何色でも好きよ」 「///そうか」 「かごめ」 「ん?」 「・・・いや・・・」 「眠りたいなら眠ってていいわよ」 「寝られるか。いつ妖怪が出てくるかもわかんねぇのに」 「大丈夫よ。二人なら」 「・・・。そんな気楽な(汗)」 自分の力が無い。 大切な誰かが傷つく。守ってやれるだろうか 「ふふ。私最近弓矢の結構上手になったし・・・。 犬夜叉を守れる」 「・・・女に守られてたまるか」 「相変わらず素直じゃないわねぇ。ふふ」 「けっ」 守っているつもりでも じつは守られていることに 最近やっと気がついた。 武器や力で命を守っても 大切な人”らしさ”が傷ついてしまったら 意味が無い。 「かごめ」 「ん?」 「・・・お前・・・元気か。今」 「え?うん。元気よ。穏やかな夜・・・。 みんなと過ごせて嬉しい」 「そうか・・・」 好きな笑顔を守るには 武器だけ強くなっても意味が無い 相手の存在に感謝しなければ 草原に二人 寄り添って並んで座る 「明日は晴れだ。きっといいことが ある」 「オレも晴れの日は好きだ」 「うん!そうだよね!」 かごめが笑う。 大切な人の 命を守る 目には見えないけれど 大切な人の心を守ること忘れちゃいけない。 難しいけれど 考えて行動しなければ・・・。 夜の風。 二人の黒い髪が優しく優しく流れていた・・・。