歩調と歩幅 最近想う。 犬夜叉と歩くスピードが 違ってきてるんじゃないかと。 遅くなったり 早くなったり 一生懸命合わせてきたつもりだったのに ・・・合わなくなってきてるんじゃないかって不安になる。 犬夜叉とかごめ。 散歩中。 立ち止まるかごめ。 「・・・疲れたのか」 「ううん」 「一休みしてもいいぞ」 「大丈夫」 (休ませてあげたほうがいいのは・・・ 私じゃなくて) 本当はまだ辛いんじゃないか 無理してるんじゃないか (私のほうが・・・もっと) 相手のスピードに 心の動きに敏感になって 寄り添って歩かなきゃいけないんじゃないか。 「・・・。ねぇ」 「なんでい」 「・・・私・・・」 「・・・なんでい」 「私・・・」 微妙な距離感が二人の間にできた。 犬夜叉が一歩か半歩か前に。 かごめが何センチか何メートルか分からない程、後に。 「・・・。なんでもない」 「言いかけたんなら言え」 「なんでもない。忘れた」 「・・・。けっ。変なやつ・・・」 「・・・。そうだね・・・。変だよね・・・」 いつからか。 自然に合わせられていた歩幅と歩調。 無理感なんて感じたことなかったのに ・・・不自然さが入り混じってきたのはいつからか・・・ (犬夜叉の前では・・・笑っていなくっちゃ) ぎこちないこの空気。 もっと歩幅が違ってきそうで不安になる。 「・・・あ」 可愛い小石を見つけた。 なんだか、この形は・・・。 「・・・似てる」 三角形の石。 かごめの視線は誰かさんの耳に。 「何に似てるって言うんだ(怒)」 「赤い衣の地獄耳君(笑)」 「・・・けっ」 「ふふ」 かごめは犬夜叉に駆け寄って 背伸びして 耳にピタっとあててみた。 「あー。やっぱりぃ!大きさも幅もおんなじ! ぴったりサイズv」 「合わせんなっ!」 「あははは。こんなにサイズ一緒の石も めったにないわね。記念にとっておこう」 「・・・ど、どうすんだっ。取っておくって(汗)」 「えー?そうだねぇ。手始めに落書きでもしようか」 「・・・怒。変なこと描くんじゃねぇ」 「じゃあ・・・」 チュ! 犬夜叉の耳がピクリと反応しまして。 小石の冷たさがかごめの唇に。 (・・・///) 「・・・いい記念になりました。ふふ」 「変なことすんなっ」 「ふふ・・・」 少し離れていた二人の距離が 同じ位置にいつのまにか そろっていた・・・。 「・・・(照)行くぞ」 「うん」 二人並んで 同じ位置で 同じ歩幅で ・・・歩き出す・・・。 (・・・大丈夫) 自然にいられる。 この空気が あれば。 相手を想いやれる心があればきっと。 同じ歩調で 同じ歩幅で・・・。