岸壁から蛇骨の声が! 「蛇骨!!てめぇ!!」 「ここであったが一週間ってか。遊んでくれよ。今までの分」 蛇骨の声は聞こえるが、犬夜叉は岩の上のを見渡すが姿は見えない! 「てめぇ!どこにいやがる!でてきやがれ!!」 「隠れんぼだ。鬼は犬夜叉ー!俺を見つけてみろってんだ〜!」 「うるせえ!ぶった切ってやる!!」 犬夜叉は蛇骨の匂いのする方にジャンプした! 「ここだぁ!!」 鉄砕牙を思い切り降ろすが岩が砕けるだけで蛇骨はいない! 「ほおらこっちだよこっちー!」 「畜生!どこにいやがる!」 (・・・。川の水で匂いが消えてわからねぇ・・・!) キョロキョロと辺りを見回す犬夜叉。 「どこ見てんだ〜♪こっちだよ。ほれほれ〜」 「畜生・・・」 焦る犬夜叉。その時、かごめは四魂のかけらが近づいているのに気がつく! 見ると犬夜叉の真上から蛇骨が!! 長く伸びた蛇骨刀が犬夜叉を襲う!! 「犬夜叉!!逃げてーーーッ!!」 蛇骨刀がかごめ肩をかすった!! 「かごめーーーーッ!!!」 「かごめーーーーッ!!!!!」 犬夜叉もあとを追って川に飛び込んだ!! 「犬夜叉ーーー!!かごめちゃんーー!!」 弥勒と珊瑚が川の中を必死に探すが二人の姿は見えない・・・。 「なぁんだよー。つまんねーなぁー。せっかく犬夜叉ともっと遊ぼうとおもったのによ・・・」 「蛇骨!!お前!!」 珊瑚は蛇骨に向かって飛来骨を飛ばす!! 「おおっと。アブねぇアブねぇ・・・。犬夜叉がいねねぇんじゃつまんねぇや。じゃあなッ!」 蛇骨はあっさりとそう言って引き上げる。 「ああ、わかっている。だが・・・。この激流では・・・」 ゴォーーー・・・。 「くそ・・・。大分ながされちまった・・・」 犬夜叉はかごめを担いで岸にあがり洞穴に、かごめを横にした。 二人とも水浸し。 「かごめ・・・!大丈夫か!!」 「う・・・。あた・・・しは大丈夫・・・。それより犬夜叉は?」 「ばっ・・・。俺の事より自分のこと心配しろ!」 犬夜叉の言うとおり、かごめの肩から血が流れ出している・・・。 ビリリッ!! 「うっ・・・」 「いてぇか・・・?すまねぇ・・・。暫く我慢してくれ・・・」 「ありがと・・・。犬夜叉・・・」 犬夜叉は実に手慣れて手当をする・・・。 いつもはかごめが犬夜叉の手当をしていのだが、犬夜叉がこんなに手際がいいなんて・・・。 かごめはとても頼もしく感じた。 「ううん・・・何でもない・・・」 「変な奴・・・。それより・・・。血・・・とまんねぇな・・・」 「・・・犬夜叉。赤い星形の花を探してきて・・・」 「何?」 「血止めの薬草なの・・・。こういう河原の石のあいだに咲いてるって楓ばあちゃんが言ってたから・・・」 「わかった・・・!かごめ、待ってろよ!!」 犬夜叉はすばやく花を探しに行った・・・。 かごめは犬夜叉の背中を見つめる・・・。広く、大きく感じた・・・。 河原に四つんばいになって、石を一つ一つどかす。 「畜生・・・!みつからねぇ!!みつかれねぇッ!!早くしねぇとかごめが・・・ッ!!かごめの血が・・・ッ!!」 かごめの生々しい傷口が浮かぶ。 皮膚が切られ、血が溢れだし、止まらない・・・。 その度、その度、自分の不甲斐なさが身に染みて・・・。 かごめが傷ついたらかすり傷でも、たまらない。 いたたまれない・・・。 早く・・・!早く!! (かごめが・・・ッ!かごめが・・・ッ!) 夢中に探す。人に頭をさげるように地に頭をつけて石をどかし、探す・・・。 尖った石の影にチラッと赤い小花が見えた。 犬夜叉は石をどかし、その花を摘んだ・・・。 「星形の赤い花・・・。これだ!!!」 犬夜叉はすばやく洞窟に戻る。 一目山に・・・。かごめのために・・・。 「かごめ・・・!採ってきたぞ
!!」 「きゃあ!!」 「!!」 急いで洞穴に戻るとなんと服を脱いでいるかごめが・・・。 犬夜叉は顔を真っ赤にして後ろを向いた。 「て・・・てめぇ、な、なにしてやがる・・・!人が薬草さがしてきたってのに・・・ッ」 「血が制服に広がったから・・・」 「だっ・・・大丈夫なのか・・・!?」 「うん・・・。そ、それより薬草は・・・?」 「お・・・おう・・・」 犬夜叉は後ろを向いたままかごめに薬草を渡した・・・。 「ありがとう・・・」 「別にいいから早く・・・。薬草つけろよ・・・」 「う・・・うん・・・」 狭い洞穴・・・。後ろを向けばすぐそばにお互いの背中が見える・・・。 かごめは自分の肩に薬草と布をあてようと背中に手を回す。しかし患部に届かない・・・。 「おい・・・。かごめ、お前、何やってんだ?」 「背中の傷に手が・・・届かなくて・・・」 「届かない?どとかないって・・・」 犬夜叉は思わず、かごめに方に振り向く・・・。 するとかごめの背中が目の前に・・・。 「きゃあ!見ないで!!」 犬夜叉は再び真っ赤な顔で後ろを向いた。 「もう!犬夜叉ったら・・・!」 「だ、だだ、だってお前が届かないとかなんとか言うから・・・」 「う・・・うん・・・。そうなんだけど・・・」 (・・・どうしよう・・・。確かにこのままじゃ薬草を背中に貼れない・・・。でも・・・) かごめは犬夜叉をチラッとみた。 「・・・。じゃ・・・犬夜叉・・・。お願い・・・してもいいかな・・・」 「え・・・。お願いって・・・」 「・・・。薬草・・・。貼ってくれる・・・?」 「・・・」 犬夜叉の顔はさらに赤くなった。 「や・・・やだ、はるだけよ!ぺたんって貼るだけ・・・」 そういうかごめも顔が真っ赤。 「・・・し、し、仕方ねぇな・・・。じゃ、じゃあ薬草かせよ・・・」 「うん・・・。じゃあお願いします・・・」 かごめは前を制服で胸を隠し犬夜叉に薬草を手渡し、長い後ろ髪を髪を前にもってきてた。 サラッと長い髪をどける・・・。すると、かごめの真っ白な背中の肌と細い背骨が姿を現した。 赤子の肌のように瑞々しく、柔らかな・・・。 犬夜叉は緊張のあまり体が固まってしまった。 (・・・お、落ち着け落ち着け・・・。べたっと貼るだけだ。はる・・・) 白い柔肌に・・・痛々しい傷口が見える・・・。 鋭く斬りつけられた皮膚。鋭い切り口で滝のように血が流れていた・・・。 犬夜叉は言葉がでない・・・。 こんな綺麗で艶やかなかごめの肌に傷口がぱっかり空いていた・・・。自分が切られるより、体全身に痛みが走った。 「犬夜叉・・・!早くして・・・!痛いんだけど・・・」 「・・・」 「犬夜叉・・・?」 「あ・・・す、すまねぇ・・・」 犬夜叉はそっとかごめの背中の傷口に薬草をはさんだ布を貼りつけた。 かごめはビクッと反応する。 背中にふわりと犬夜叉の手の温もりが伝わる・・・。 「どうだ・・・?」 「うん・・・。少ししみるけど大丈夫・・・。ありがとう・・・」 「・・・」 犬夜叉はじっとかごめの背中を見つめている。 「犬夜叉・・・?」 「・・・。すげぇ・・・痛そうだな・・・。こんなちいせぇ背中なのに・・・。こんなに・・・」 犬夜叉は自分の衣を脱ぎ、かごめに着せる。 「犬夜叉・・・」 「いつもすまねぇ・・・。俺がいつもお前をまもりきれねぇばっかりに・・・」 「・・・。や・・・やだな。あやまらないでっていつも言ってるじゃない・・・。あんたと一緒にいるんだもん。こんな傷の一つや二つ、覚悟の上よ!」 「かごめ・・・」 傷は痛くはないのか・・・? かごめの不思議。それが不思議・・・。 その強さが・・・。 時には心強くて・・・。眩しくて・・・。 「えっ・・・」 かごめの小さなからだが・・・犬夜叉の両手にすっぽり入る・・・。 犬夜叉の思いがかごめにも伝わる・・・。 嬉しくて頼もしくて・・・。でも切なくて・・・。 何だか涙が出た・・・。 しかし、犬夜叉は腕の中のかごめを離そうとしない。 「もう少しこのままで・・・。お前の傷の痛みが癒えるまで・・・」 「うん・・・」 二人の心が癒し合って・・・。 傷が癒えるまで・・・。
「よお〜。犬夜叉!久しぶり〜」
ザシュ!!
ザッパンッーーーー!!!
かごめはそのまま川に落ち、川の中に・・・!
しかし、二人は激しい川の流れにのみ込まれてしまった・・・。
「法師様!速く二人を探さなくちゃ!!この先、滝だよ!!」
川は水しぶきを飛び散らせ激しく流れ、岩さえ砕けそうなくらいに強い勢いで流れていたのだった・・・。
犬夜叉は衣を引きちぎり傷口に着物の端切れをあてた。
「なんだよ。人の顔ジロジロみやがって」
「どこだ・・・。どこだどこだ!!赤い花!どこだ!!」
犬夜叉は夢中で探す。
今までも何度もかごめは自分のせいで、傷ついてきた。
「どこにあるんだ!!赤い花!!みつかりやがれ!こんちくしょう!!!こんちくしょう!」
夢中で・・・。
「!」
「あっちむいててーー!」
いやがおうにも二人の鼓動は速まる・・・。
「よいしょ・・・。うんしょ・・・」
背中の傷から血が出てるのに・・・。どうしてかごめは笑っていられる・・・?
その強さが・・・。
そして・・・愛しくて・・・。
犬夜叉は後ろから小さな背中を優しく抱きしめた・・・。
「ごめん・・・。ごめん・・・。ごめん・・・。痛い思いばかりをさせちまって・・・」
犬夜叉はかごめの傷をいたわる様にだきしめる・・・。
衣ごしにかごめの肌の感触が伝わる・・・。
こんな・・・柔らかい肌に切り裂かれるなんて・・・。
たまらないたまらない。たまらない・・・!
「犬夜叉・・・」
犬夜叉ってこんなに優しかったけ・・・?と思うくらいに犬夜叉の気持ちが伝わって・・・。
「犬夜叉・・・。弥勒様たち探してるよ・・・」
抱きしめられる・・・。抱きめ合う・・・。