犬かご50
お姫様だっこ
せっかくママからもらった新しい自転車。



犬夜叉に壊されて結局かごめの移動手段は犬夜叉のおんぶとなってしまった。





戦国時代に戻ってきたかごめ。





薬草をとりに行くのでさっそく犬夜叉の背中に乗っかり中。



「・・・ねぇ。犬夜叉」





「なんだよ」




「おんぶもいいんだけど・・・。たまには前に乗りたいな」





「・・・!?ま、前に”乗っかる”」





(そ、それって・・・!)





犬夜叉、何か果てしなく勘違いをなさっているご様子・・・






「駄目?」





「だ・・・。駄目ってことは・・・。でもまだ昼だぜ」




「?いいじゃない別に夜までに帰ればいいんだから」






(・・・。かごめの奴、なんか大胆になったような・・・///)






だが犬夜叉は踊る心を抑えられず、かごめの言うとおり立ち止まり、一度
かごめを下ろした。






(こ・・・。こんな人目のつきやすい所でいいのか!?)



キョロキョロあたりを見回す犬夜叉。



「何キョロキョロしてるの?ねぇ。早く”しない”と
日が暮れちゃう」






「・・・し、しないとって・・・(真っ赤)」





「うん。前にだっこしてもらう方が前が見やすくていいのよ」




「・・・”だっこ”?」




「そうよ。何?どうかした?」






「・・・。べ、別に・・・。何でもねぇッ(ガックリ)」




犬夜叉、かなり落ち込む。




「ねぇ。早く」





「けっ。我が侭な女だな・・・!」





勝手に勘違いして
何だか苛苛している犬夜叉。




腕組みをして背を向けるが・・・



「・・・だっこ。お願いね・・・v」






「///」







かごめのウィンクとあんまり可愛い言い方に一変に機嫌も直った模様。




「んじゃ行くぞ」




かごめの太股と肩を抱いて犬夜叉は走り出した。









「うん。やっぱり前の方が視野が広がるわ」






かごめは景色を眺め遠くを見つめているが犬夜叉は・・・








(・・・。あったけぇ)






かごめの生太股の体温をかなり意識していた。







「・・・?どうしたの。あんた、顔が赤いわよ」




「な。なんでもねぇッ」






否定するが犬夜叉の赤面は取れず。







「・・・。でもだっこもいいね・・・。こういうの、お姫様だっこっていうのよ」





「お姫様だっこ・・・?なんだそりゃ」




「だから・・・。王子さまがお姫様を優しく抱き上げるってことよ」




「・・・けっ。くっだらねぇ。オレは持ち運びしやすいように
持ってるだけでいっ」





「・・・あ・そ・・・」




口はやっぱり意地っ張りな犬夜叉。




だが直にかごめの肌に触れている手の肌触りに神経がびんびんに反応している。





上下に手を動かして撫でてみたくなるほど・・・









「それに・・・」





「なんでい」





「おんぶじゃ・・・。こうできないでしょ・・・?」







かごめは両手を犬夜叉の首に回し犬夜叉の顔を抱きしめる・・・







かごめは犬夜叉の頬にすりすり・・・





「///」









「これでもだっこ・・・。嫌い・・・?」









「・・・嫌い・・・じゃない・・・」





ボソっと最後は小声・・・










(・・・。くそ・・・。なんか最近、オレ・・・。おされ気味なんかな・・・)







くらくらする頭と心を必死に抑えながら



犬夜叉はお姫様だっこも悪くはないと思った・・・