犬かご50
雅な犬かご
カポーン。
日本庭園。
大きな池に錦鯉が何匹も泳いでいる。
「おっきなお屋敷ね」
旅の途中、妖怪に襲われそうになった武士を助けたかごめと犬夜叉は
武士の屋敷で一泊することになった
”どうぞ。離れをお使いくだされ”
気前のいい武士は自分の城の離れをかごめたちに貸し出した。
「けっ。人間の金持ちってのはどうしてこうくだらねぇモンに
力いれるんだ」
畳にどすんとあぐらをかいて座る犬夜叉。
「そうね・・・。だけどせっかく貸してもらったんだからのんびりしようよ・・・。
弥勒さまたちも隣の離れできっとゆっくりしてるよ」
リュックを下ろし一休みするかごめ。
「それにしても・・・。雅なお部屋ね・・・」
牡丹の掛け軸・・・
菊の花の生け花・・・
日本の伝統を感じる部屋だ・・・
「雅?雅ってなんだ。食いものか?」
「・・・。あんたには絶対に不釣合いな言葉よ」
「けっ・・・」
ごろんと不貞寝。
みやびーな雰囲気とはやっぱり縁遠い犬君です。
ピー・・・。
「あ・・・。雲雀の鳴き声・・・。風情があっていいわねぇ・・・」
目を閉じて小鳥の声を堪能するかごめ。
その横で・・・
「Zzz・・・」
ぐーすか眠る犬君。
「・・・ほんっとに雅って雰囲気じゃないわよね」
呆れ顔のかごめ。
「・・・。そうだv」
かごめは生け花の菊の花を一輪とって
そうっと犬夜叉の髪につけた
(・・・うふふ。可愛い♪)
「・・・人の寝顔で遊んでじゃねぇよ(怒)」
「あら・・・。起きてたの」
「起きてたじゃねぇッ。てめぇ、人が大人しくしてりゃ・・・」
「じゃあ、大人しくしなさい」
かごめ、犬夜叉の髪をぐいっとひっぱり・・・
チュッ・・・
「・・・///」
軽いかごめのキスで怒りモードの犬夜叉、即鎮火。
「静かに。雅はね。静かにして味わうものよ」
「・・・お、おう・・・(照)」
カッポン。
庭の獅子脅しが響く。
「静かっていいね・・・」
「・・・おう」
犬夜叉は風情より雅より
かごめの膝枕の心地よさにうっとり・・・
「綺麗なお庭と可愛い小鳥の声もいいけど・・・」
犬夜叉の横髪をそっと手ですくうかごめ。
「やっぱり・・・こうして犬夜叉と日向ぼっこするのが一番私は好きよ」
「・・・。お、オレも・・・」
犬夜叉を見下ろすかごめの微笑みに・・・
犬夜叉はもう夢心地・・・
「・・・。大好きよ」
「・・・オレもだ・・・」
うっとり・・・
犬夜叉は興奮してきて・・・
「え・・・。ちょっと犬夜叉・・・」
起き上がって畳の上にかごめを押し倒した・・・
「ま、まだお昼よ。そ、それにこんな雅な場所で・・・」
「うるせぇ。雅もくそもあるか・・・。ムラムラきちまったんだから
しょうがねぇ・・・」
シュルっとスカーフを取る犬夜叉。
「・・・。本当。犬夜叉ったら情緒がないんだから・・・」
「やかましい・・・。雅よりもっと激しい夢・・・見せてやる・・・」
格子戸に映る二つの影が
一つになって重なる・・・
ポトリ・・・
庭の牡丹の花が
池に落ちた・・・
雅な
甘い夢を
見る
二人だった・・・
雅じゃなくて邪心いっぱいですんまそん(汗)