犬かご50
いつも一緒



かごめが一人勝手に実家へ帰ってしまうと、
当然の如く犬夜叉もあとから追っかける。





いつも一緒。




その状態に近い。



だが今、本当の意味で『いつも一緒』の状態の犬夜叉とかごめ・・・







「七宝。てめぇ。いいか?”これ”が外れたらボコボコにしてやる・・・」






犬夜叉が”これ”というのは。





かごめと犬夜叉、まぁ、人目もはばからず手を繋いでいます。



いや・・・離れないのです。



弥勒の呪いでかごめと犬夜叉の手が離れなくなってしまった。



「いやはや・・・。すみませぬな。ちょっとした”手違いで”」



「なぁあにが手違いでいッ。これみよがしに・・・」




「だが犬夜叉私のお陰でかごめさまと明日の夜まで四六時中一緒なのだぞ。四六時中だぞ。
四六時中・・・」






(・・・ということは。かごめが風呂にはいるときも。寝るときも一緒・・・)





「弥勒さまっ・・・!!犬夜叉に変なこと吹き込まないでッ(照)」






犬夜叉と弥勒のひそひそ話は当然、かごめに筒抜け・・・






「あ・・・夜までの我慢でしょ!大丈夫よ。行きましょ!犬夜叉!」




かごめは犬夜叉の手を引っ張って楓の小屋を出て行った・・・







「・・・弥勒さま。ちょっと悪戯、やりすぎなんじゃない?」



呆れ顔の珊瑚。


飛来骨の手入れをしている。




「あれくらいの”刺激”与えないと・・・。盛り上がらないではないか。
男と女子など」





あらら。弥勒の右手がなぜーか珊瑚のお尻に・・・





珊瑚は思い切り珊瑚の右手を抓りッ!!


「・・・。法師様の右手は盛り上がらなくいい・・・(怒)」







変わりに弥勒の手の甲は赤く盛り上がったとさ・・・(笑)











一方。犬夜叉とかごめ・・・








「・・・なんか・・・。照れくさいね・・・手つないだままなんて・・・」






木の上。



枝に座ってもじもじする二人。







「・・・」






「・・・」






手を繋ぐなんて初めてじゃないのになんか気恥ずかしい・・・








「・・・。あ・・・。そうだ・・・。チョコバーあるの・・・!食べようか!」





かごめがリュックから一本、チョコ棒を取り出す。





「はんぶんこ・・・っと。はい」







「・・・。お、おう・・・」








犬夜叉は半分にされたチョコバーを食べようと口に持っていこうとした






「痛・・・!」





つながれている手。当然、かごめの右手と犬夜叉の左手は引っ張り合って食べられない








「・・・だぁあ!!めんどくせぇな!明日までこんな調子かよ!!」





「怒らないの・・・!仕方ないわよ・・・。それより・・・。ね。食べさせ合いっこしようよv」





「な・・・なぬ?」






「うふふ♪ね、やろっ」







(や、やるって・・・///)






”やろっ”



という響きに犬夜叉、何か妙な妄想をしてドキドキ・・・
















犬夜叉の左手とかごめの右手が交差する・・・








見詰め合って・・・








(///)











「せえの・・・っ」













サクっ・・・












一口。ほお張る二人・・・













チョコレートの甘さが口に広がる








「・・・えへへ・・・。おいし・・・★犬夜叉が食べさせてくれたチョコ・・・v」








「・・・///」






あんまりかごめが可愛く言うので犬夜叉、赤面・・・









「こ・・・。こんなこっぱずかしいこと」







「たまには”したい”の・・・。恥ずかしいことも・・・」







はずかいしことも・・・




したいの・・・したいの・・・したいの・・・










犬夜叉の耳にエコーする・・・














(か、かごめ・・・。そ、そんな悩ましい声でいうなよ・・・ったく・・・)








「・・・?犬夜叉?どうしたの?顔が真っ赤よ」







「う、うるせぇ・・・。て、てめぇのせいだ・・・」







かごめをぎゅっと抱きしめる・・・







「・・・木から降りても・・・。ずっと一緒だ・・・。今夜もずっと・・・」






「犬夜叉・・・」








手を繋いだまま・・・抱きしめあう・・・











ずっといっしょ・・・







甘い夢をみる夜まで・・・