学生な犬かご突然。かごめが言い出した。 かごめの部屋にて。 「学校ごっこ、しよ♪」 「がっこーごっこ?なんだ、それ?」 「犬夜叉と私が一緒に学校に通ってるの。そういう設定♪」 かごめはいそいそとセーラー服に着替え、犬夜叉に帽子をかぶせ、学生カバンをもたせた。 「・・・オレは着せ替え人形じゃねぇぞ」 むすとっと犬夜叉は言った。 「えー?でも似合ってるよ。カッコいいv」 (///) かごめに褒められ、ちょっと嬉しい犬夜叉。 「しょーがねぇな付き合ってやる」 「・・・そうだ。どうせなら学校に行っちゃおうか。夜の教室っていうのも ロマンチックかも♪」 かごめはなぜかハイテンションでルンルン。 犬夜叉は (女ってのはわかんねぇ・・・) とか思いつつかごめと二人っきりになれるのでちょっぴり嬉しかった。 犬夜叉はかごめを背負い夜の学校へと向かう。 ガラガラ・・・。 静かな教室のドアを開けるかごめ。 「おじゃましまーす。ちょっとだけ貸してください♪」 かごめは窓際の自分の席に嬉しそうにちょこんと座る。 犬夜叉はその隣の席に。 「・・・うふふ」 「・・・なぁ。これが”がっこーごっこ”ってやつか?」 「うん」 犬夜叉、ヒジョーにつまらなそうな顔をする。 (なんか面白くねぇ。もりあがらねぇっていうか・・・) 二人きりだけどなんとなくラブラブーな雰囲気になりにくく・・・ 「こうしてるとさ・・・。犬夜叉とおんなじ時代に生まれていたら・・・ て思うよね」 「え?」 「一緒に勉強して・・・。一緒に受験して・・・。きっと楽しい時間を過ごして るんだなって・・・」 かごめは頬杖をついて窓を見つめた・・・ 「・・・けっ。オレはべんきょーはきれーだ」 「ふふ。そうね。あんただったらきっと”不良中学生”だね。銀髪の」 「悪かったな。不良でよ。けっ」 「ふふ・・・」 かごめは想像してみる。 自分と犬夜叉の楽しい学校生活。 けんかして仲直りして・・・。 けれど想像は想像。 犬夜叉の銀髪と赤い衣がそれを物語っている。 犬夜叉は戦国の世の人間で自分は500年後の人間。 「・・・。なんか・・・。切なくなってきちゃった」 「え・・・」 かごめの瞳にじわっと涙が・・・ 「・・・な、なんだよ。急に・・・」 かごめの涙に一番弱い男、犬夜叉。うろたえる。 「どうしてあんたと一緒の時代に生まれなかったのかなって思ったら・・・。 なんだか・・・」 「・・・かごめ・・・」 「ごめん。それを言っちゃあ”お終い”だよね・・・。この教室から見える 月も500年後の月も・・・。同じ月なのに」 かごめは窓の外のつきを見上げた・・・ 同じ月。 だけど500年という時間は重くその月を曇らせて・・・ あんまりかごめの背中が寂しそうだから・・・ 犬夜叉はかごめを背中から抱きしめる・・・。 「・・・犬夜叉・・・」 「”がっこうごっこ”もう少し付き合ってやる・・・。そのかわり ずっとこうしてよう・・・」 「うん・・・」 時の流れ。 越えられないのか それとも・・・ ねぇお月様。 とびきりの”奇跡”を用意してくれてる・・・? (私・・・。何があってもこの出会いを後悔しない。ねぇ。だからお月様・・・) 500年の時代を超えられる 奇跡を願うかごめだった・・・FIN