春かごめが宿題をしている。 机に向かって一生懸命に。 犬夜叉はつまらなそうにベットでそんなかごめの後姿を見ていた。 そして 犬夜叉はふとかごめにあることを尋ねた。 「お前はなんで”がっこう”って所にそんなに一生懸命行くんだ?」 「え?」 「一体、何のためにそんなにべんきょー沢山してんだよ?」 突然の犬夜叉の質問にシャーペンをノートの上で英単語を写している かごめの手が止まらせた。 「・・・何のためって・・・。受験のためよ」 「”受験”??それってそんなに大事なモンなのか?」 「・・・」 犬夜叉の素朴な質問。 けど、考えてみたら受験は何のためにするか・・・なーんてこと考えたこと無かった。 ただ、高校へ行くことは当たり前で、皆がすることだから自分も・・・って思ってた。 「・・・。犬夜叉。なんか鋭い質問するね。うふふ」 「?何で笑うんだよ」 「え?ううん。だーってさ・・・」 犬夜叉にとっては現代の事、全て不思議に見えるのだろう。 戦国の時代で妖怪とたたかっている犬夜叉には”受験”や”学校”っていう縛られることが ないし・・・。 (そう・・・。焦ることはない、縛られることもないのよね) 何が一番、今、大切なことなのか。 立ち止まって見定めることも必要だ。 かごめは勉強の手をやめ、犬夜叉の隣に座った。 「犬夜叉。ありがと」 「あー?突然なんだよ」 「大切なこと、きづかせてくれて」 「ー??わっかんねぇ」 かごめは犬夜叉の腕につかまり顔を寄せた。 「・・・(照)」 「”今”しかできない・・・。この恋は・・・」 「かごめ・・・」 時代が違う恋なら 今しかできない。 切ない恋なら・・・。 「ずっと。この春が続いてくれたらいいのにね・・・」 「・・・ああ。そうだな・・・」 来年なんてこなければいい。 受験を迎えてしまう春なんて・・・。 切なさを埋めるように その夜は ずっとずっと かごめと犬夜叉は身を寄せ合っていた・・・FIN