犬かご50

悪魔と天使

昔々あるところに銀髪の少年悪魔界育ちの犬夜叉という少年がおりました。 悪魔界で育った少年犬夜叉は人間達が嫌い。 、いつも下界の人間に 悪戯ばかりしかけておりました。 「へん!人間なんてよわい生き物だぜ!」 実は、犬夜叉は悪魔と人間の間に生まれたハーフの少年。 人間達にも悪魔界の仲間たちにも相手にされず、いつもヒトリボッチだったのです。 (寂しくなんてねーやい!) 空の白い雲に寝転がり青い空をただ見つめておりました。 するとそこに・・・ 「・・・キャー!どいてー!」 「ん?」 バフン! 犬夜叉の上に少女が落ちてきました。 「イタタタ・・・。てめぇ!どこ見て・・・」 犬夜叉の目にはいったのは・・・少女の背中の白い羽根。 「・・・て、てめぇ・・・。天使か!??」 「そうよ」 「オレはな・・・。この世で一番天使が嫌いなんだ!!さっさと消えろ!!」 「・・・嫌よ」 (う・・・) 犬夜叉は完全に自分の事を恐れると思ったのにかなり強気の少女の態度に逆に驚いているようです。 「・・・。貴方、悪魔?でもそれにしては髪の色が・・・。あ、分かった!人間とのハーフなのね!」 犬夜叉は気にしていることをあっけらかんと指摘され、カチンときた。 「うっせぇな。てめぇにゃかんけいねーだろ。ってなんでい。その顔は」 少女はにこにこしている。 「よかった!私とおんなじね!実は私もそうなの。天使と人間のハーフ。うふふ。 お友達、みつけちゃったーv」 「なっ。誰がお友達だ。オレはそんなつもり全然・・・」 「うふふ・・・」 (///) あらら?犬夜叉の威勢が段々弱くなっているみたいです。どうやら少女の笑顔に ドキッとした様子です。 「あ、そうだ。自己紹介まだだったね。私。かごめ。貴方は?」 「・・・。い・・・犬夜叉」 「・・・犬夜叉・・・。かっこいい名前だね!」 「なっ・・・(照)」 名前をほめらるなんて初めて。 「じゃあこれからよろしくね」 「・・・けっ・・・」 「はい。握手。」 かごめは犬夜叉の右手を掴み、ぎゅっと握った・・・ (・・・や、柔らけぇ・・・(ドキドキ)) 犬夜叉は天使・・・いや女の子の手を握ったのはこれまた初めて。 ・・・どうやら、犬夜叉はかごめエンジェルに一目ぼれしちゃった様ですv それからというもの二人は木の形をした雲の上で待ち合わせをし、 人間界を遊びまわりました。 海、山、街・・・ 人間界を飛び回り、空のデートですv 「うわぁあ♪ねぇ犬夜叉見てみて!可愛いv動物がたくさんいるよ!」 「けっ・・・」 野原でかごめと犬夜叉がたたずんでおります。 かごめは人間界に来たのは久しぶりではしゃいでいるみたい。 (人間界のどこがそんなに楽しいンだ・・・) 犬夜叉ははしゃぎまわるかごめを他所に寝転がってしまいます。 「あれ?犬夜叉どうしたの?疲れた?」 「別に・・・」 犬夜叉を心配そうに覗き込むかごめ。 (私といてもつまらないのかな・・・) かごめはちょっとしょんぼりしてしまいました。 「・・・。ねぇ犬夜叉」 「なんだよ」 「犬夜叉は・・・。私が嫌い?」 「なっ・・・」 突然のしつもんに、犬夜叉の心は準備が出来ておらずオロオロ・・・ 「き、嫌いとかそういう・・・(照)で、でもな、人間は嫌いだ!人間は 目に見えるもの、自分と同じものしか信じねぇ!!だからオレは 人間は嫌いだ!悪魔界の仲間も嫌いだ!」 「犬夜叉・・・」 「オレはどっちみち一人なんだ・・・」 哀しそうな瞳の犬夜叉・・・ かごめは犬夜叉の心に何か傷みがあると感じ取ったのです。 「そっか。でも私は犬夜叉が好きだよ」 (えッ・・・(ドキドキ)) 「今のままの犬夜叉が好き。人間と悪魔のハーフだとか 関係なく、大好き!」 「///」 思いっきり素直に告白されちゃいますと、照れるしかないですよね。犬夜叉君v 「・・・だっ。だから何だ!お、オレはな、誰にも負けない強い悪魔に なるんだ!そしたらお前達天使も人間達にも負けねぇ・・・」 芝生の芝をぶちっと引き抜く犬夜叉。 「・・・犬夜叉が完全な悪魔になっちゃったら・・・。どうなるの? 私の事、忘れちゃう?」 「し、知るかそんなこと・・・」 「犬夜叉が強い悪魔になろうとなるまいと 私はどんな犬夜叉でも好き・・・。それだけは変わらないから・・・」 少し涙目でかごめは訴える・・・ (・・・こいつ・・・。なんで泣いてるんだ。オレのため・・・か?) トクン・・・ 犬夜叉の胸の奥が鳴っています。 トクン・・・ 天使の涙は・・・どんな水より綺麗だと聞いたことがある 乾ききったのどを潤す水のように 愛しく優しく・・・ 「・・・な、泣くな・・・」 「犬夜叉・・・」 犬夜叉の腕は自然にかごめの体を包んでいます 本当はずっと (こうしたかった・・・) 白い羽根の美しさ、いやかごめの心の温もりに近づきたかった・・・ 「泣くな・・・。お前のためなら・・・オレはオレのままでいる・・・。だから泣くな・・・」 「うん・・・」 犬夜叉とかごめが目を閉じて・・・唇が触れ合います・・・ こうして悪魔と天使の恋が始ったのです・・・ 巧みに犬夜叉。 初めての女の子とのキッスのご感想は・・・? (・・・手より柔らけぇ・・・) ・・・だそうです(笑) (・・・柔らけぇ・・・。いい匂い・・・) 犬夜叉の頬に果てしない柔らかいいい匂いが 「・・・夜叉・・・」 「ん?」 目を覚ますそこには・・・ 真上にかごめの顔が。 (あれ?悪魔と天使で・・・) 「何ぼうっとしてんのよ。ったく。すやすや眠ってたと思ったら・・・」 どうやら夢を見ていたよう。犬夜叉。 だが現実もまんざら悪い夢ではないぞ? 「・・・」 犬夜叉、かごめの膝枕な状況。 白い太股に頬をすりすり寝ぼけてしちゃってましたよ(笑) 「どんな夢みてたの?」 「あー?べ、別にいいだろ・・・」 犬夜叉は起き上がろうと頭を上げたが・・・ 「もう少しこのままでいようよ」 かごめが犬夜叉の頭を元に戻す・・・ 「・・・(喜)し、しかたねぇ」 とっても顔が嬉しそうですよ。犬夜叉。 「で?どんな夢だったの?天使がどうとか寝言いってたけど・・・。もしかして あんたが天使・・・な訳ないわよね」 「ばっ・・・。どんな夢だっていーだろ!楽しい夢なら」 「うふふ・・・。そうね。楽しい夢ならいいよね」 (・・・かごめが”天使”だなんていえるわけねぇだろ(照)) けど・・・ かごめの微笑みは 夢の中の天使と同じ・・・ ”どんな犬夜叉でも好き・・・” 同じことを言ってくれたかごめ・・・ 犬夜叉とってただ一人の天使だ・・・ 「・・・。もすこし・・・寝る」 「うん」 ふわふわ綿菓子みたいな雲のように かごめの膝枕は心地よく・・・ 犬夜叉は再び夢の中へと旅立っていったのだった・・・。