犬かご50のお題
初夜前
カポーン・・・。 白い湯気。 露天風呂。 ご結婚されました犬夜叉ご夫妻。 今宵はめでたき新婚初夜。 かごめと犬夜叉。初夜ですからお互い、綺麗な御身で・・・との希望され、 ただいま入浴中。 しかも混浴で。 「・・・」 「・・・」 お互い、3メートルほどはなれて背を向けて湯につかっている。 しかし互いにちらりちらりと 気になって視線をおくって・・・ ・・・なんとも初々しい二人だろうか。 (・・・。かごめの背中・・・。すげぇ白い・・・) かごめのうなじと背中に視線が釘付けになり、興奮してくる 衝動と闘っていて。 (ああ。どうしよう・・・。なんだか緊張して怖いくらい・・・) 殿方と初めて夜を共にする緊張感と闘っていた。 「お、おい・・・」 「えっ。な、な、何!?」 犬夜叉の声にビクッと肩をすくませるかごめ。 「・・・。あ、あの・・・。ま、満月だな・・・。あ、明日は晴れるな」 「そ、そ、そうね・・・っ」 会話はそこで途切れる。 当たり障りのない話を必死に探すが、緊張のあまり言葉が浮ばず・・・ 「ふぅー・・・」 かごめが息をついたとき。 「ん?」 かごめの頭の上からぶらさがっている黒い尻尾・・・ ・・・ヤモリが。 「き・・・きゃああああ!!」 「かごめ!??」 かごめはとっさに犬夜叉に抱きついた。 「と、とって。私の頭の上の・・・」 涙目で訴えるかごめに犬夜叉、ドキっとする 「こ、こんなもんでい、いちいち泣くなっ」 犬夜叉らしいむすっとした顔でヤモリの尻尾をつかんで植木の中にほおりなげた。 「いちいちって・・・。だって気味悪いんだも・・・(はっ)」 犬夜叉とかごめ。 裸で身を寄せ合っている状態にやっと気がつく・・・ 犬夜叉が視線をおろすとそこにはなんともたわわな谷間が・・・ 「え、エッチ・・・!!」 バシャッ!!! かごめは思わずお湯を犬夜叉にかけた。 「な、何すんだよッ。お前がとれっていうから・・・」 「・・・。だ、だって・・・」 二人とも・・・ 体が火照ってくる。 一瞬だったけど直接はだを合わせたときの感触が・・・ かごめに抱きつかれたとき あまりの肌の柔らかいから・・・ 興奮を抑えられない。 (だーーー!!駄目だ。このまんまだと俺どうなるか・・・) 裸体のかごめがそこにいると思うだけで 獣化しそうな本能を必死に抑えるが・・・ 「い、犬夜叉・・・。わ、私先、あがるね」 緊張感と興奮に耐えられなくなったかごめは手ぬぐいを胸にあてて 立ち上がる・・・ 目の前がぼやーとして・・・ 「あら・・・」 「か、かごめ・・・!??」 かごめの視界は一気に暗闇になった・・・ 「ん・・・」 かごめが気がつくと、そこは部屋だった。 (そうだ・・・私。お風呂で倒れて・・・) おでこの冷やしタオルをとっておきあがるかごめ。 むすっとしたかおで犬夜叉が腕組みをして布団の横ですわっている。 「犬夜叉・・・」 「めぇさめたか」 「私・・・。はっ」 かごめ、裸だったはずなのに浴衣を着ているのに気がつく。 「あ、あの・・・。もしかして・・・」 「お、俺なわけがねーだろ!(照)な・・・仲居に頼んだんだよ。 気を失ってる女になんかするほど俺は卑怯じゃねぇ! けっ・・・(ホントは自分が着せたかった)」 「犬夜叉・・・」 犬夜叉の背中が照れている・・・ かごめに愛しさが湧いてきた・・・ (・・・!!) 背中に体温を感じる。 かごめはそっと犬夜叉の背中に頬をあてた。 「ふふ・・・。でも卑怯も何もないじゃない・・・? だって私達・・・」 振り返る犬夜叉・・・。 「私達・・・夫婦なんだから・・・」 「かごめ・・・」 たまらなく優しい瞳と体温・・・ そうだ。今宵は生涯の伴侶となる最初の日・・・ 一生大切にしたい存在が 今、 自分の腕の中にある。 何も 照れることも 恥らうこともない・・・ 「な、なんだよ。急に・・・」 かごめは布団の上に正座した。 「犬夜叉・・・。これからの私達・・・。きっと色々あると思うけれど・・・。私頑張ります よろしくお願いします」 「かごめ・・・」 花嫁衣裳に見惚れたが・・・ 今、目の前のかごめが更に愛しい・・・。 「・・・お、お前な・・・。ふ、布団の上で”頑張ります”はないだろ・・・(照)」 「えっ・・・。や、やだ勘違いしてんの。もう・・・。きゃッ」 犬夜叉はかごめの腕をひっぱり強引に抱きすくめた・・・ 「・・・。絶対・・・。泣かせねぇ・・・。だから・・・ずっと俺のそばにいろ・・・」 初めて囁かれた愛の言葉に かごめの胸があつくなる・・・ 「・・・。うん・・・」 ぽろりと落ちた涙と共に・・・ 二人はそのまま床に倒れ ・・・初めての夜を紡いだのだった・・・
・・・。サイトを開いた3年前ぐらいはこういう甘甘の妄想小説ばっかり 書いていたなぁ。今は・・・犬かご萌えよりかごめ萌えの方が強くてかごちゃんの相手を 色々な方を相手に書いてます・・・(汗)