第41話 ゴマちゃん行進曲

あたいの名前はゴマ。

つい最近まで野良犬やってたメス犬さ。体は茶色で鼻先が黒い。けどね、なかなか綺麗所のメス犬って近所の雄犬の間では人気あってマドンナなのさ。

最近、楓荘ってちょっと古いアパートがあたいの新しい住みかになったんだけど。

かごめちゃんって人間の若い女の子に拾われたんだ。

女のあたいも惚れるほど、気っ風が良くて優しくていい女だよ。あと珊瑚ちゃんってのも格好いいね。

あと人間の男二人いるけど、どっちも女癖が悪いわね。片方は女のセクハラするし節操がないし、片方は二股かけてるし。

その二股かけてる方の男・犬夜叉っていうんだけどさ、かごめちゃんといい仲なのに、何だかもめてこのアパート出ていったのよね。

全く。あたいの大好きなかごめちゃん泣かすなんていい度胸してんじゃないの。

今度会ったとき、一発お尻を噛んでやろうかしら。女同士の友情は怖いのよ。
(・・・でもあいつのズボン、何日も洗濯してないって言ってたからやっぱりやめておこ・・・)

でもそれよりかごめちゃんが元気ないのよ。

犬夜叉の奴が出ていったせいなのだけど。

かごめちゃんの哀しい顔は見たくないの。

いつも朝と夕方のお散歩も朝だけになっちゃって。

(・・ああ、散歩にいきてー!!)←これが本音だったりするわけだけど(汗)

だけどやっぱりかごめちゃんの寂しそうな顔は辛いのよ。

ほら・・・。また今日もかごめちゃんのため息が聞こえる・・・。


「ハァ・・・」

重たいため息をつくかごめ。

布団を干していたが、締め切ってある隣の窓を見てはまたため息。

天気のいい日なら犬夜叉は一週間分ためこんだ洗濯物を一斉に干している。

しわくちゃのTシャツ・・・。

それからお揃いの水玉のパジャマ・・・。

水玉のパジャマだけは照れくさいものだから部屋の中にほしてあって・・・。

「ハァ・・・。犬夜叉の奴・・・。ちゃんと洗濯してるかな・・・」

犬夜叉が出ていって2週間。

一度だけ他の荷物をとりに戻ったが、それ以来は会っていない・・・。

(あ、そうだ犬夜叉の部屋・・・誰も掃除してないな・・・)

かごめは掃除機と雑巾をもって犬夜叉の部屋へ行き、掃除を始めた。

何もない部屋。

窓を拭き、テーブルを拭き・・・。

綺麗になればなるほど、この部屋には人がいない事を実感する・・・。

でもかごめはいつでも使えるように綺麗にしておきたいのだ・・・。

「ハァ・・・」

ため息が耐えないかごめ。

それは犬夜叉も同じで・・・。

工務店の従業員寮に入った犬夜叉。

慣れては来たが・・・。

朝食。納豆好きの犬夜叉はしょうゆが切れていることに気づく。

「おう、かごめ!しょうゆかしてくれ!」

窓を開け、そう隣の部屋に声をかける犬夜叉・・・。

「うっせーな!今日は休みだぞ!犬っころ!」

眠そうな同僚が怒って窓を閉めた。

「・・・」

つい、楓荘にいた感覚になってしまう・・・。

(・・・。かごめなら大抵の調味料はもってるよな・・・。かごめ・・・。今頃どうしてるかな・・・)

納豆を箸でまぜまぜしながらふと、考える。

お互い、同じ時刻に同じ事を考えていた・・・。


「ふう・・・。ため息ついてても仕方ないわ。ゴマちゃん、公園にお散歩行こうか?」

そう言って犬小屋を覗くかごめ。

ゴマちゃん待ってましたと言わんばかりにはしっぽを振って喜ぶ。

ワンワン!(女同士の散歩もいいわねー♪かごめちゃん、早く早く!)←ゴマちゃん語訳

かごめのスカートぐいぐいひっぱるゴマちゃん。

「わかったからそんなにひっぱらないで。うふふ・・・」

こうしてゴマちゃんとかごめは久しぶりに公園へ。

日曜日ともあって家族連れが沢山来ていた。

ブランコ、ジャングルジム、木のアスレチック・・・。

母親に見守られながら子供達は遊ぶ。

「はーい。ゴマちゃん、行くよー!えいッ」

ワンワンッ!【いいわよ!早く投げて♪ボールを見ると犬の本能がうずくのよ】

かごめは白いプラスチックのボールを投げた。ゴマちゃんはめいっぱい走って追いかける。

ワンワンッ!【ふふっ。取ったわー♪あたい、ボール取りの才能あるんじゃないかしら。それより早くかごめちゃんに渡してあげよう♪】

ボールをくわえたゴマちゃんはかごめの元へ走った。

ワンワンワン!【かごめちゃん、ほら、取ってきたわよ♪上手でしょ♪ねぇもう一回なげ・・・。あら?】

かごめは寂しげに何かを見ている・・・。

その視線の先には腕を組んで歩くカップルが・・・。

ワンワンワン【かごめちゃん・・・。犬夜叉の事を思いだしているのね?あんな二股で煮え切らない男、やめちゃいなさいよ!かごめちゃん!】

ゴマちゃんはかごめに訴えるように吠える。

「・・・え?ゴマちゃん、何?」

ワンワ、ワワンワワンワン!【世の中にはね、もっといい男いっぱいいるわ。そうね。3丁目の田中さんなんてどう?柴犬買ってるんだけど、キムタク似のいい男よ】

ゴマちゃんの懸命な鳴き声も、かごめはぼんやり遠くを見てる。


ワンワン!【かごめちゃんたら!聞いてるの??】

「え・・・?あ、ごめんねゴマちゃん。なんかぼうっとしちゃって・・・。ゴマちゃんに心配してもらちゃって・・・。元気だなさくちゃ」

ゴマちゃんを抱きしめ、優しくゴマちゃんの額を撫でるかごめ・・・。


ワゥワゥワゥ!【かごめちゃんたらなんて切ない顔してるの・・・。嗚呼っ。もうなんていじらしいのかしらッ!あたしそういう健気な子に弱いのよ〜】

ゴマちゃんは溜まらず、かごめの頬にすりすり・・・。

「ふふ・・・。ゴマちゃんもしかしてあたしを励ましてくれてるの・・・?ありがとう。嬉しいな・・・」


ワンワンワン!【かごめちゃん・・・。くそう!腹立つわ!かごめちゃんを泣かせたけじめ、つけようじゃないの!!首洗って待ってな!犬夜叉!】


ゴマちゃんはかなり闘志をみなぎらせ、けたたましく公園で何度も吠えてそして、突然走り出した。

「あ、ご、ゴマちゃん待ってどこいくの!」

ワンワンワン【かごめちゃんの仇うちに行くのよ!待ってて!ちゃんと復讐なしとげてみせるわ!】

ゴマちゃんはそのまま公園から姿を消したのだった・・・。


こちら犬夜叉が勤める工務店従業員寮。

楓荘よりは新しい、でも木造のアパートだ。

そのアパートに一匹の子犬がやってきた。

ゴマちゃんが近所の犬達から聞き込んだ情報によるとでは犬夜叉はここに居るとゴマちゃんは聞いていた。

(さぁ、女の友情を見せてやるわ!いざ出陣!)

決意を胸に、ゴマちゃんは犬夜叉の匂いがする部屋をくんくんと探した。

(!ここね!汗くさいあいつの匂いがするわ!!)

階段を上り、一番端の部屋に前で立ち止まるゴマちゃん。


ワンワンワンッ!!!【出てきなさいよ!!犬夜叉!】

けたたましくゴマちゃんは部屋の前で鳴いた。

「ったく何だよ。うっせーな・・・」

眠そうに水玉のパジャマを着た犬夜叉が出てきた。

「ん?な、なんでお前、ここに・・・」

ワンワ、ワワンワンワ!!【あんたに復讐しに来たのよ!んま〜!!これ見よがしにかごめちゃんとおソロのパジャマなんか着ちゃって!ふん!こうしてやるッ】

ゴマちゃんはズボンの裾を思い切り噛んでひっぱった。

「あ、コラ、やめろ!!おい!いてぇじゃねぇか!」

ワゥワゥッッ!【止めるモンですか!!痛いですって?かごめちゃんの純情乙女心はもっと痛いのよ!!】

「くそッ。離れろ!ええい。面倒だ!」

犬夜叉はゴマちゃんを強引に抱き上げ、自分の部屋に入れた。

キャゥキャゥ!!【ちょっと!!なにすんのよ!!女の子に手荒な真似はやめなさいよ!!】

犬夜叉の腕の中で暴れたゴマちゃん。

部屋の中でも暴れ出す。

「あ、コラ!!カーテン噛むな!!」

ワンワンワンッ!!【ふん!センスのないカーテンだこと!!もっと暴れてやる!】

ゴマちゃんは容赦なくカーテンやベットのシーツを噛んでひっぱる。

「ったくなんてガキ犬だ!かごめはちゃんとしつけてるのかよ!」

ワンワワワワンッ!!!【かごめちゃんを馬鹿にすんじゃないわよ!もう我慢できない・・・。そう・・・我慢できないのよ。こうしてやる!!】

ゴマちゃんはベットの上でお尻をおろして粗相を・・・。

「うわぁあーー!!ここはトイレじゃ・・・」

時既に遅し・・・。

犬夜叉のベットのシーツに黄色の地図が・・・。

「てめぇ、何ってことしやがんだーー!!」


ワンワン、ワワン!【ふん!いいざまだわ !でもちょっとレディがする事じゃなかったわね。でも・・・我慢できなかったの・・・。公園の水道のお水、のみすぎちゃったみたい(恥)】

「ったく・・・臭せぇ・・・。すぐ洗濯だな。こりゃ・・・」

犬夜叉は鼻を摘んでシーツをマットレスから取って外の洗濯機に放り込んだ。

「洗濯か・・・」

ついつい洗濯物をためがち の犬夜叉。

『今日は朝から晴れているんだからお洗濯しなさいよね!』

晴れた休みの日。かごめは必ずそう声をかけてくれてた・・・。

ゴー・・・。

ぐるぐる回る洗濯層の中・・・。

かごめの顔が浮かぶ・・・。

「ふぅ・・・」

かごめと同じため息・・・。

ゴマちゃんは、犬夜叉のため息にかごめと同じ気持ちなのかと少し思う・・・。

犬夜叉のサンダルの足元で犬夜叉の顔を見上げるゴマちゃん。

(けど・・・。二股かけられてる女の子の気持ちに比べたら小さいものよ!女の子は複雑なん・・・ん?い、痛いわ・・・痛い・・・)

突然。ゴマちゃんの腹部に激痛が・・・!

ゴマちゃんは小さく丸くうずくまってしまう・・・。

クゥーン・・・【痛い・・・。なんなのこれ・・・】

犬夜叉はゴマちゃんのうめき声に気づき、抱き上げた。

「おい・・・?ゴマ!どうした!?腹痛か!?」

クーン・・・【わからないのよ・・・はっ・・・。ま、まさかこの痛みは陣痛!?・・・。そんなわけないわよね。私、まだ清い体だもの。ああとにかく痛いわ・・・】

そりゃそうだ。ゴマちゃんはまだ生後五ヶ月。

ゴマちゃんはぐったりとして鳴き声さえあげなくなってしまった・・・。

「こりゃ医者につれていかねぇとやべぇのかな・・・。じゃあ、かごめにも知らせねぇと・・・。そうだ!知らせねぇとな・・・!緊急自体だ」

犬夜叉はなぜだか妙に自分に納得させるように、かごめに連絡・・・。

「え?ゴマちゃんが!?」

「ああだから、今から医者に連れて行こうと思う・・・。かごめ、悪いがおめぇもきてくれねぇか」

「わ、わかったわ・・・!」

近くの動物病院で待ち合わせることにした二人・・・。

2週間ぶりの再会の二人だったが、今はそれよりゴマちゃんを獣医に診せることが先決だった。

診察台におなかを見せるように寝かせられるゴマちゃん。周りには見たこともない医療器具などが・・・。

ワゥワゥワ・・・【ここどこ!?あたし、なんて大胆な格好してるのよ、大股開きで恥ずかしい】

不安げに鳴くゴマちゃん。さらにゴマちゃんが一番嫌いなものが目に入り・・・。

ワンワン!!【きゃああ!!ちゅ、注射だわ!!か、かごめちゃん助けて〜!あたし、あれだけは苦手なのよ〜!】

診察台で暴れるゴマちゃん。ゴマちゃんは前に予防接種の時に打たれた注射を思い出す。

「ゴマちゃん、少しの間だけおとなしくして」

ゴマちゃんは必死に抵抗するがもうまな板の上の鯉ならぬ犬だ。

獣医は足をばたばたさせるゴマちゃんをおさえつけて、慣れた手つきでゴマちゃんの体の一部始終を触診。

ワゥワゥワ・・・【エッチ!ベタベタ触らないでよ。お嫁にいけない体にする気!?あたしの体は高級ドックフード10年分より高いんだから!】

痛みが少し治まってさっきより元気なゴマちゃん。

「ふむ・・・。見た感じ、特に悪いところはなさそうですな。多分、水分の取りすぎでしょう。子犬のときは新陳代謝が激しいですからな。とにかく様子をみましょう。下痢止めの薬を出しておきますので」

「どうもありがとうございます。よかったね、ゴマちゃん。なんともないって・・・」

ワゥワゥ、ワン!【心配かけてごめんね。かごめちゃん。ねぇそれより薬って苦いのじゃなくて甘いのにしてほしいの。イチゴ味なんていいわ。バナナ味でもオッケーよ】

ちょっとおませで義理人情に厚い(?)思考のゴマちゃんだが、やっぱりまだ甘いものがすきな子犬だ。

ゴマちゃんが薬の味についていろいろと言っているとは知らないかごめだが、とにかくゴマちゃんが元気になりホッとした・・・。

こうしてゴマちゃんは診察が終わり・・・。そのころはもう日が暮れていた・・・。

夕日を背に、ゴマちゃんを抱いたかごめと犬夜叉がゆっくりと歩く。

「でもホントウによかった・・・。ゴマちゃんたらお散歩の途中で突然いなくなって心配してたの・・・。でもまさか犬夜叉のところへ行っていたなんて・・・」

「俺も驚いたぜ。ったくそれにこいつったらくるなり吼えるわ、部屋の中で暴れるわそれに・・・」

「それに・・・?」

「何でもねぇよ。とにかく、ゴマの奴、なんともなくてよかったな」

「うん・・・」

ゴマちゃんは犬夜叉が自分の粗相のことを黙ってくれたことに気がつく。

(どうしてあいつ、言わないの・・・?ひょっとして内緒にしてくれるの?)

そう思って犬夜叉の方を見た。

「ま、内緒にしといてやるよ。ふふ・・・」

犬夜叉はゴマちゃんの頭をなでながら言った。

(何よ・・・。だからってかごめちゃん泣かせたこと、帳消しにはしないんだから・・・)

だけど、少し、内緒にしてくれたことをちょっぴりありがたいなと思うゴマちゃん。

一方、ゴマちゃんと犬夜叉の不思議なやりとりに首をかしげるかごめ。

「なんだかあたしだけのけものみたいね。ふふ・・・。でもゴマちゃんね、ずっと元気がなかった私を励ましてくれたの。ため息ばっかりついて・・・」

「かごめ・・・」

自分もそうだった・・・とはやっぱり照れくさくていえない犬夜叉。

「犬夜叉。どう・・・?」

「どうって何がだよ」

「だから・・・」

聞きたいことはたくさんあるのに・・・。

まるで何年も会っていなかったみたいに緊張する。


並んで歩く二人の間の距離から緊張する気持ちが出ていた。

「・・・。あたしはちょっと心細いかな。あ、だ、だってほ、ほら、だって隣にあんたがいれば一応、安心でしょ。色々と・・・」

「い、一応って何だよ」

「ご、ごめん・・・」


会話が続かない。何を話したらいいのか・・・。言いたいことはたくさんあるのに・・・。

そんな二人の様子をもどかしそうに思うゴマちゃん。

(もう!久しぶりに会ってそんな日常的会話しなくても・・・。お互い、離れて寂しいくせに・・・。仕方ないわ!ここはやっぱりあたいの出番ね!かごめちゃんためにもう人肌(犬肌?)ぬぐわ!)

ゴマちゃんはそう決意すると、かごめの腕からパッと地面に降りた。

そしてかごめのスカートをくいっとひっぱって犬夜叉に寄り添わせる。

「ご、ゴマちゃん、どうしたの?私と犬夜叉がどうかしたの・・・?」

ワンワンワン♪【かごめちゃん、犬夜叉はまだまだ半人前な男だけどまぁ根は悪いやつじゃないわ。それだけはあたいが保障する。だから素直な気持ちになったらどう?】

そんな気持ちを必死にゴマちゃんは伝えるように鳴く。

「・・・。もしかしてゴマの奴・・・。俺とかごめを会わせようと今日、俺のところに来たのか・・・?」

バゥバゥ!【そうよ!あんたがかごめちゃん泣かすから一発シメテやろうと思ってね!でもまぁ今日のところは許してあげるわ。あんたにも世話になったし・・・。だから、これからかごめちゃん大事にするって約束しなさいよね!!】

そう犬夜叉に訴えるようにゴマちゃんは吼えた。

「ゴマちゃんに励まされるなんて・・・。あたし、犬夜叉が出て行ってから何だか調子でなくて・・・。ゴマちゃんに励まされるなんてまだまだ私、半人前ね・・・」

「かごめ・・・」

”俺だって寂しかった”と思う犬夜叉だがそれはやっぱり言葉にはできず・・・。

そっとゴマちゃんを抱き上げるかごめ。

「ねぇ。犬夜叉・・・。犬夜叉が自分の意思で出て行ったからあたしは何も言えないし、言う権利もないってわかってる・・・でもこれだけは覚えておいてね・・・」


かごめはまっすぐに犬夜叉を見た・・・。


「楓荘のみんなは・・・。あの場所はいつでも犬夜叉を待ってるから・・・。いつでも帰ってきていいからね・・・」


いつでも帰っていい場所・・・。


自分のことを待っていてくれる場所・・・。


そして・・・。


一番の自分らしくいられる場所・・・。


かごめがいるから・・・。

「かごめ・・・」


「今度・・・ゴマちゃん連れて犬夜叉の寮、遊びに行っていい?」

「え・・・。あ、ああ・・・」

「よかった。じゃあ、この辺で行くね。おやすみ!」

かごめは笑顔で犬夜叉に手を振って走っていった・・・。

かごめの後姿をずっと見つめる犬夜叉・・・。


”いつでも犬夜叉を待ってるから・・・。いつでも帰って来ていいよ・・・”


かごめの言葉が犬夜叉の心を温かく包む・・・。

ずっと犬夜叉が欲しかった言葉だ。

自分が自分でいていい場所・・・。

やっと見つけたのに・・・。

本当は帰りたい。


でも・・・。

(お前の気持ちは嬉しい・・・。でも・・・俺がお前のそばにいたんじゃまた何が起きるかわからねぇ・・・)

犬夜叉は自分の気持ちを押し殺して、会社の寮へと足取り重く帰って言ったのだった・・・。


一方。その夜、ゴマちゃんは

(ったく犬夜叉の奴・・・。ほんっとに煮え切らない男ね!今度はあいつの嫉妬深いところを焦点に作戦を練らなきゃ・・・。嗚呼でもこの新しいお座布団あったかくて気持ちがいいわ。かごめちゃんありがとう♪)

犬小屋の中でおニューのピンクの座布団にくるまっていたのだった・・・。


すみません(滝汗)切ないモードが強かったのでここらでちょっと明るい雰囲気になればなぁと思いながら書いたのですが、これじゃあ、明るいどころかギャグなってしまった・・・(汗)