第43話 それぞれの気持ち 犬夜叉が楓荘に戻って一ヶ月。 楓荘は朝から騒がしい。 アパートの前で犬夜叉とかごめがなにやらまたもめている。 「ちょっと犬夜叉!今朝のアパートの前のおそうじ、あんたの番でしょ!」 「うっせーな!そんなもん、気がついた奴がやりゃーいいだろ!」 「駄目!決めたことはちゃんとやらなくちゃ!はい、ほうきとちりとり!」 水玉のパジャマを着た犬夜叉に無理やりお掃除セットを渡すかごめ。 「大の男がこんなちまちましたことできっか!」 「文句言わないでやりなさい!でないとまたゴマちゃんに大暴れしてもらうから!」 ワンワン♪【かごめちゃん!いつでも出動OKよ!】 犬夜叉の足元にゴマちゃんがちょこんと座っていた。 「・・・。わ、わかったよ。すりゃーいんだろ。すりゃー!」 女性軍(うち一人は犬。)に負けた犬夜叉。 かごめとゴマちゃんに見張られて素直にアパート周りを掃き掃除。 その様子を二階の階段からみているのは弥勒と珊瑚。 弥勒は相変わらず着物の寝巻きだ。 「いつも活気がもどりましたな。楓荘も・・・」 「でも・・・。これでよかったのかな・・・。何だか肝心なことが有耶無耶になった気がして・・・」 「有耶無耶を繰り返さないと分からないことだってあるさ・・・。ことに恋愛はな」 「・・・」 理知的な弥勒の意見。確かに正論ではあるあろうが何だか納得できない・・・。 「もどかしいよ。なんか・・・。犬夜叉の奴がはっきりすれば済むことなのに、同じことの繰り返しのような気がして・・・」 ぎゅっと手すりを握り締める珊瑚。 「お前のその優しさ・・・。多分かごめ様にも伝わっているさ・・・」 そっと珊瑚の手を包む弥勒・・・。 「珊瑚・・・」 目を閉じて突然顔を近づけてきた。 「えっ、ちょ、ちょっと・・・!」 パアン! 弥勒のほっぺにくっきり浮かんだ珊瑚の手形。 「あ、朝からびっくりするじゃない・・・っ。もおっ(照)」 赤面して珊瑚は部屋に入っていってしまった・・・。 「珊瑚・・・。朝から馬力が利いてますな。ビンタ・・・」
一方・・・。 風に揺れる木々。 新緑がまばゆく、吹く風は新鮮。 戦国町から車で2時間ほどの山間。 最近、新しいペンションが立ち並ぶ。 細い白樺の木の中に一軒のログハウスが。 木目がキレイナログハウスだ。 自然に調和し、木の香りが漂う。 『今後一切、樹の手は借りない』 樹の援助をそう断って、自分の印税収入で桔梗自身が購入した。 最初は元住んでいたマンションを買い戻そうかとも思ったが、やはり静かな場所がいい・・・。 今ではマスコミ達も他の話題に移行して桔梗の周りも大分静かになった。 そのログハウスから聞こえてくるバイオリンの音・・・。 二階のベランダで桔梗が奏でていた・・・。 「・・・」 そっと大きな木の切り株のテーブルにバイオリンを置く。 桔梗が復帰し、新しいアルバム製作の依頼や楽団からの依頼は殺到していたが・・・。 桔梗は全て答えを保留していた・・・。 「・・・犬夜叉・・・」 携帯を見つめる桔梗・・・。 復活騒ぎ以来、犬夜叉とは会っていない。いやマスコミにやはり追い回され、会えなかった。 しかし、メールだけは。 メールだけはきている。
そんな些細な言葉が。 気遣いが嬉しい・・・。 (犬夜叉・・・) 携帯をぎゅっと胸にあてる桔梗。 初恋を知ったときの少女の様に・・・。 自分の気持ちに素直になれる・・・。 何もかもから解放され、やっと一人の人間としてバイオリンを奏でられる。 そして犬夜叉と同じ位置にいられる・・・。 今まで感じたことのない満たされた気持ちだ。 なのに・・・。 このどこか満たされない気持ちはなんだろう。 虚しさは・・・。 (そうだ。私はもう後ろは返らない。自分の力で進まなければ・・・) 桔梗はバックから名詞を取り出す。 アルバム製作の依頼を保留していた音楽会社だ。 「もしもし・・・。月島です。アルバム製作の件・・・。お引き受けします・・・」 ※ 休日。犬夜叉は買ったばかりのバイクで朝から『どこか』へ出かけた。 『犬夜叉・・・。どうしても話したいことがある・・・。迷惑なのはわかっているがどうしても会いたいのだ・・・』 朝、そう桔梗からのメール。 やっとかごめとも仲直りして楓荘にもどってきたばかりで心苦しい犬夜叉だったが、桔梗の切羽詰ったメールにやはり気になって行かざる終えなかった。 (かごめ、すまねぇ・・・) 二階のかごめの部屋を後ろ髪ひかれる思いで見上げつつも、犬夜叉はヘルメットをかぶり、アクセルを踏んでアパートを後にした・・・。 カーテンの隙間から走り去るバイクをかごめは見ていた。 (犬夜叉・・・) もうかごめはわかっている。 どこへ行き、誰に会うのかも。 分かりすぎるくらい、分かる・・・。
慣れてもおかしくないくらいに繰り返されているのに
(これは私が選んだことだから・・・。選んだことだから・・・) 呪文のように自分に言い聞かせて。
「めそめそなんてしてられないわ!こんなにお天気がいいんだから・・・。ゴマちゃんとお散歩でも行こう!」 涙をふきとばして、かごめはゴマちゃんの小屋を覗きこむ。 「ゴマちゃん。お散歩行こう!今日は川原の方へ行こうか!」 ワンワン、ワンッ♪【行こう!行こう♪】 くるんと丸まったしっぽをふって喜ぶゴマちゃん。 かごめがゴマちゃんに散歩用の首輪をつけようとしたとき・・・。 アパートの前に見覚えのあるシルバーの車が止まった。 (あの車は・・・) クリーム色のジャケットを着た樹が車から降りた。 「樹さん・・・」 「かごめさん。お久しぶりです。突然伺ってすみません。お取り込み中でしたか?」 「い、いえ・・・。ゴマちゃんとお散歩行こうと思ってただけですから。ごめんね。ゴマちゃんお散歩取りやめ。」 散歩用の首輪をしまうかごめ。 クワン・・・【かごめちゃん、お散歩止めるの?そんなぁ〜】 残念そうに鳴くゴマちゃん。 「どうです?どうせならお散歩、海でも行きませんか?」 「え?」 「な、ゴマちゃん!」 樹はゴマちゃんを抱き上げた。 ワンワンワン♪【海!?いいじゃない!いきましょう!それにして貴方だれ?いい男ね!かごめちゃんの新しい彼ー♪】 しっぽを振って喜ぶゴマちゃん・・・。 (海か・・・) 潮の風に当たれば少しは気持ちが晴れるだろうか・・・。 かごめは迷った・・・。 ※ 白樺並木からバイオリンの音が聞こえてくる。 桔梗のログハウス。 犬夜叉は丸太のベンチ座り、二階のベランダで桔梗のバイオリンを聞いていた。 二年、いや二年半前と代わらない音色。 しかし、演奏している桔梗の表情は実に穏やかに見える。 「どうだった・・・犬夜叉」 「音のことはよくわからねぇ が、桔梗がバイオリンを楽しんでる・・・ってのはなんか伝わった気がするよ。よかったな・・・。桔梗」 「ありがとう・・・」 その言葉が素直に言える、今が嬉しい。 そんな自分が・・・。 「喉が渇いただろう。お茶にしよう・・・」 紫の桔梗の花柄のティーカップに紅茶を注ぐ桔梗。 犬夜叉はごくごくと一気に飲み干す。 「お前とこうして同じ時間を過ごしているなんて・・・。何だか嘘みたいだ・・・。張り詰めていたものが緩み、在るがままの姿に戻って・・・」 「・・・」 確かに二年半前の様な張り詰めていた空気はない。 緊張感も・・・。 だが微妙に何かが違うような気がするのは何故だろう。 一体何なのか・・・。 「私はこれから自分が奏でたい音楽を探して行こうと思う・・・。このバイオリンひとつで・・・」 「桔梗・・・」 桔梗は静かにバイオリンを撫でる・・・。 「だが・・・。一番私がバイオリンを奏でたいのは犬夜叉・・・。お前だけだ・・・。それは今も二年前も変わらない・・・。それだけは・・・」
(・・・桔梗・・・) 白樺の木がざわめく。 さわやかな風に。 ゆっくりとした時間が二人の間に流れて・・・。 PPPP! 「・・・!!」 二人の時間を遮るように犬夜叉の携帯が鳴った。 「わりぃ、ちょっとまってくれ」 ベランダの隅に行って携帯に出る犬夜叉。 相手は職場からだった。 「おう。なんでいッ、え?親方が?。わ、わかった・・・。すぐ行く・・・」 緊急の呼び出し。 犬夜叉は言いにくそうに桔梗を見つめた。 「・・・。犬夜叉、遠慮するな。行かねばならないのだろう」 「でも・・・」 「いいから早くいくがいい」 「・・・悪い。また何かあったらメールしてくれ。じゃ・・・!」 犬夜叉は申し訳なさそうに、ログハウスを跡にした。 ブロロロロ・・・。 バイクのエンジン音がなんだか切なく響く・・・。 当然だが・・・。 犬夜叉にはいぬ夜叉の今の時間があって・・・。 改めて二年という時間の流れを感じる。
(犬夜叉・・・。お前の心は・・・。今・・・何処に・・・) 湧き上がる不安と焦り。 目に見えない犬夜叉との微妙な溝を打ち消すように桔梗は再びバイオリンを奏でた・・・。
「きゃははは!ゴマちゃんいくよー!」 かごめの投げたボールを追い、ゴマちゃんは芝生を思いっきり走る。 かごめと樹は公園に来ていた。 広い芝生がある戦国町総合公園だ。 「ハァ。ゴマちゃん、ちょっと一休みしようね」 「お散歩おつかれさまでした。ハイ、どうぞ」 冷たいラムネのビンをかごめに手渡す樹。 「あ、すみません。いただきます」 かごめと樹は一緒にカチッとびんのふたを開けた。 「ラムネか・・・。懐かしいです。樹さん、よく知ってましたね」 「ラムネっていうんですか。この飲み物・・・。何だか透明でおいしそうだったので買ってみたんですが。でも実に美味しいです」 「・・・。そうですか(汗)」 (本当に一体普段、どんな飲料物を飲んでいるだろ・・・(汗)) それでもラムネのすがすがしい味はかごめと樹の喉を充分潤した。 「ふふ・・・。かごめさんと一緒に居るといろんな”不思議”に出会うな。とても楽しい」 「そ、そうですか・・・」 「はー・・・。気持ちがいい・・・。ここは」 樹は手を伸ばして深呼吸。 「心身ともに癒される・・・。疲れも不安も・・・」 「樹さん・・・」 「桔梗の復活劇では本当に皆さんにご迷惑をかけてしまってた僕がいう台詞じゃないかもしれないけど・・・」 桔梗の復活劇の後、桔梗の生死を世間に隠していたことについて、樹は相当ワイドショーに叩かれた。 一人の人間の生死を勝手に左右した・・・と。 『盲目的な愛に坂上樹は狂った』と・・・。
「樹さんだって大変だったのでしょう・・・?疲れたときは休む。休んで元気になってまた頑張る、それでいいんじゃないでしょうか。あたしはおいしいもの食べたらすぐ元気になっちゃいますけど」 ゴマちゃんの頭を撫でながらかごめは言った。 ゴマちゃんはかごめのほほをペロペロなめる。 「きゃはははは・・・。くすぐったいよ。ふふ・・・」 微笑むかごめに・・・。
何の打算もない無邪気さが あどけなさい笑顔に・・・。 「かごめさんは保母さん志望でしたよね・・・?子供達に素敵な笑顔をふりまくのだろうな・・・。素敵な夢だ・・・」 「樹さんだって。沢山の人を素敵な曲やメロディを伝えてるじゃないですか」 「・・・。”夢”か・・・。僕の本当の夢はそんな大層なものじゃない」 「え?」 樹は起き上がり空を見上げた。 「子供達に・・・。病気や心に傷おった子供達に音楽の楽しさを伝えたい・・・。病院や貧しい国の子供達のところをまわってみたいんです・・・。なんて・・・ね」 「素敵!素敵ですよ!樹さんの優しい音色、子供達の心きっとあったかくします!私、応援します!」 かごめは軽くガッツポーズ。 自分が何気なく言ったことをこんなに反応して、受け止めてくれて・・・。 樹の心はかごめの笑顔に惹かれてずにはいられなく・・・。
眠ってしまったゴマちゃんを優しく撫でるかごめ。
(え・・・) 樹のまっすぐに自分を見つめる目に気がつく・・・。 熱く、自分だけを一直線に見つめられる・・・。 「かごめさん・・・。僕は・・・」 (樹さん・・・) かごめは何だか耐えられなくなって顔をそらした。 「あ・・・。あの・・・。あたし・・・」 「・・・いいんです。分かっています・・・。届かない想いだということ・・・。慣れていますから。届かない想い、桔梗への気持ちで・・・。あーあ!ほんと、犬夜叉さんがうらやまいしです・・・。桔梗からもかごめさんからも想われて・・・。ちょっと贅沢すぎですよ!」 「樹さん・・・」
なんだか少し自棄酒のように。 「僕と犬夜叉さんは何処がちがうんだろう・・・なんて考えてしまって。子供地味てますけど・・・」 「そんな。樹さんは樹さんです」 「そうですね・・・。でも一度でいいから・・・。犬夜叉さんの様になってみたい。心と体全部で好きな女性を守れる男に・・・」 「樹さん・・・」 きっと・・・。樹は疲れているんだ・・・かごめはそう思った。 でも樹の気持ちに応えられない・・・。 だから樹の笑顔はとても切なくかごめには映った・・・。 日も少し暮れてきて・・・。 アパートの前まで送ってもらったかごめ(+ゴマちゃん)。 「今日はありがとうございました。ゴマちゃんも喜んでます」 ワンワン!【そうね!新しい公園、なかなか芝生具合がよかったわ!それにあなたハンサムだし、私好みよ♪】 運転席の窓にちょこんと顔を出すゴマちゃん。 「ふはは。ゴマちゃん、またね」 小さな肉きゅうと握手する樹。 「ゴマちゃんもお礼言ってるのね。ふふ・・・。じゃあ、樹さん失礼します」 なんともスマートな笑顔を残し、樹の車は楓荘を走り去った・・・。 ブロロロ・・・。 樹の車と、向こうから走ってくる犬夜叉のバイクがすれ違う。 (ん・・・?今のは・・・) シルバーの車に一瞬ふっと振り向く犬夜叉。 確かにあの車は樹の車だ・・・。 犬夜叉がアパートまで着くと、かごめがゴマちゃんを抱いて立っていた。 「かごめ・・・」 「犬夜叉・・・」
「あ、おかえり犬夜叉」 「お、おう・・・」 視線を逸らす犬夜叉。 何だか二人の間にぎこちない空気が流れる・・・。 「・・・おい・・・。”何処”行ってたのか聞かないのか・・・?」 「・・・聞いて欲しいわけ?」 ちょっと怖い顔のかごめに一瞬ひく犬夜叉。 「な・・・。なんだよ!その顔は!お前こそ、今日誰と会ってたんだよ!さっき、樹の車とすれ違ったぞ!」 「うん。ゴマちゃんと公園に一緒に散歩に行ったのよ」 「ゴマと・・・?」 ワン!【あんた、今、あたしが一緒だったからってんでちょっとほっとしたわね!でも二人は結構いい雰囲気だったのよ!】 ゴマちゃんに心を見透かされた犬夜叉。 「なんでゴマの散歩に樹が・・・」 「私や犬夜叉を撮ったカメラマンから取り上げたネガを持ってきてくれたのよ。私自身で処分したほうが安心だろうって・・・。なによ。その疑いの目は」 「わざわざ届けに来るのか。郵送すりゃいいじゃねーか・・・」
怯む犬夜叉。 「いい加減にしてよ!自分はすぐ”どこか”へ行っちゃうくせに!!私のこととやかく言う筋合いなんてないでしょ!!」
「な、な、なんだよ・・・。俺が何したと・・・。おめーが勝手に怒ってんじゃねーか・・・」 かごめの迫力に後ずさりする犬夜叉。
ズッキューン!!!! 「んなっ・・・」 犬夜叉の心、思いっきりグサッ!! バータンッ!! 怒りが篭ったドアの音が楓荘にけたたましく響いた・・・。 ”しばらく話しかけないで!あんたの顔なんか見たくないわ!!” かごめの一言が犬夜叉の頭の中で何回もエコーした・・・。 「ああもう・・・ッ!」 かごめはもやもやした気持ちのままベットに寝転がった。 枕に顔をうずめるかごめ。 自分でも嫌だけど、心の置くのイライラがもやもやが溢れてしまって・・・。
急に自己嫌悪なき持ちになる。 自分のイライラは自分の心の問題なのに・・・。 「ハァ・・・」 深いため息をつくかごめ。 一方犬夜叉は・・・。 (くそ・・・。かごめの奴・・・) そう思いながらもかごめのドアの前でビクビクしながら様子を伺う犬夜叉。
ズッキンズッキン・・・。 かごめの一言がかなり痛む。 (顔も見たくないって・・・かごめ・・・) おどおどしながら中の様子を伺う犬夜叉。 30分ほどして・・・。 突然ドアが開いた。 ドカ! ドアに顔面ぶち当たる犬夜叉。 「犬夜叉・・・。どうしたの?」 「ど、どうしたの?じゃねぇよ!いきなり開けるな!いてぇ・・・」 タンコブひとつ。額に。 「大変。血、出てる・・・。入って。今手当てするから・・・」 かごめは犬夜叉の額に絆創膏一枚、ぺたっと貼る。 「ごめんね。まさか犬夜叉がうろついてるとは思わなくて」 「う、うろついてなんか・・・」 充分、うろついていましたよ、犬夜叉君。 「・・・。あの・・・。犬夜叉。さっきは・・・」 「聞かなかったことにするからな!さっきのは・・・」 「え・・・?」 「俺の顔みたくないとかって台詞・・・。だ、だ、だってよ、同じアパートなのにそんな訳いかねーだろ・・・。その・・・」 しどろもどろになる犬夜叉。 「・・・。もういいよ。私も言い過ぎたから・・・。せっかく犬夜叉が戻ってきたのに・・・ね」 「かごめ・・・」 かごめはマグカップにインスタントコーヒーを入れ、ポットのお湯を注いだ。 「なんかお互い・・・。今日はピリピリしちゃったね・・・」 ほかほかほか・・・。 白い湯気がたつ。 「ふう、おいしいね・・・」 「お、おう・・・」 心の痛みはコーヒーじゃ消えない。 迷いも 嫉妬も 戸惑いも・・・。
出口の見えない恋愛・・・。迷いそうになるけれど・・・。 でも見つけなければいけない・・・。 かごめは少しずつ出口を探し始めていた・・・。 (このままじゃ・・・いけない・・・) ああかごちゃん、ごめんよ・・・。どうして同じ時期にサンデーの展開とどことなくかぶってしまうのか・・・。意識してるつもりはないのですが、なぜか時期が合致してしまう。どちらにしてもかごちゃんの幸せを願わずにいられません・・・ |