犬かご小説(内容)リクエスト 第3位 犬と鋼牙でかごめ争奪戦 「ぶつかり合う純情」 「・・・お前となんかつるんでられるか」 鋼牙と合流しかけた犬一行。 だがやはりというか、犬夜叉と行動を共にするという 項目は鋼牙にはなく。 「おう。だったらとっとと行きやがれ!鋼牙の野郎!」 犬夜叉もどうやら同意見らしい。 だがかごめが引き止めて。 「でも鋼牙君。せめてもう一日・・・。一緒にいましょ? 心配だわ」 「ふっ。かごめ・・・。そんなにオレと一緒にいたいか・・・。 可愛い女だな!!」 ひしっとかごめを抱こうとした鋼牙だが犬夜叉が いっぱつ拳を上げて阻止。 「勝手なことしてんじゃねぇ!お前は早くどっかいけ!」 「うるせぇ。気が変わった。明日までかごめのそばを はなれねぇことにした。だから犬っころ、お前こそどっか いきな」 ぐいっとかごめをまたまた引き寄せて。 「かごめに触るんじゃねぇ!」 ひょいっとかごめを犬夜叉は奪い返して。 かごめの取り合いが始まりました。 そんな男達にかごめは・・・ 「んもーーー!!私は七宝ちゃんと一緒にいます!」 愛想をつかせて七宝をだっこしてすたすたと 移動・・・ しかし嫉妬深い男達はかごめを余所に夜になるまでいがみあって いました・・・。 「・・・おやすみなさい!」 鋼牙たちの喧嘩の仲裁にも疲れたかごめ。 さっさと寝袋に入って七宝をだっこしたまま眠ってしまった。 (・・・お、オラ・・・は悪くないぞ。オラは・・・汗) かごめの胸元にだっこされる七宝をすんごい形相で 少しだけうらやましそうに睨む犬夜叉と鋼牙。 (か、かごめ・・・お、オラは眠れんぞ(汗)) 「ふん。犬っころ。嫌われたな」 「けっ。てめぇだろ」 バチッと火花をたたせる二人。 「・・・ふん。犬くせぇトコで寝られるか。 オレはあっちで寝るぜ」 「おうそうしろそうしろ」 鋼牙はすたすたと岩山にジャンプして上がっていってしまった。 「・・・けっ」 「おー!犬っころ」 上から犬夜叉に声をかける鋼牙。 「夜這いすんじゃねぇぞ!離れてても俺は みてっからな!」 「・・・(怒)うるせええ!!さっさと寝やがれ!!」 焚き火が消えるまで・・・ 犬夜叉と鋼牙のにらみ合いが続いて眠れない珊瑚と弥勒と七宝だった・・・。 月に雲がかかる。 夜も大分ふけて珊瑚たちも静かな寝息を立て始めていた。 (・・・ん・・・) ふっと目がさめるかごめ。 (あれ・・・?犬夜叉が・・・いない?) 犬夜叉の姿がないことに気づいて・・・ 寝袋から起き上がると・・・ (・・・あ・・・?) 崖下の川岸に見えるのは犬夜叉と鋼牙の背中。 ならんで何か話しているようだ。 (・・・珍しい2ショット・・・。喧嘩してないなんて) かごめは少し足音を殺して 雲母に乗って下に下りた。 (何話してるんだろ) 岩陰からそっと二人の様子を伺う。 「・・・てめぇと話するなんて気持ち悪りぃ」 「うるせぇオレだってそうだ」 口汚い台詞とは裏腹に二人ともどこか・・・ 落ち着いた顔をしている。 「犬っころ・・・。一つだけ聞きてぇことがある」 「なんでい」 「お前・・・。奈落をぶったおす自信はあんのか・・・?」 「あぁ?ったりめーだろ。奈落を倒すのは俺だ。 痩せ狼はすっこんでりゃいいんだ」 (・・・二人らしい会話だけど・・・。喧嘩ごしじゃないわね) 男二人。 顔を合わせばすぐにゴングを鳴らすのに こんなに静かに話し合ってるなんて・・・。 かごめは耳を済ませてもっと話を聞こうと思った。 「・・・。犬っころ。かごめに苦労させんじゃねぇぞ」 「てめぇに指図はうけねぇ」 グッと犬夜叉の襟を掴む鋼牙。 その目は鋭く・・・ 今にも殴りかかろうというほどに・・・ 「・・・かごめの腕に怪我の跡が増えてやがった・・・。 それに気づきもしねぇでお前はいえんのか・・・!?」 「・・・!う、うるせぇ!」 「てめぇ!!もっと自覚しやがれ!!オレ達が追ってるのは 相手は奈落だ!!自分の大事な仲間を守りながら闘ってることを・・・!」 (こ、鋼牙・・・) 今までに見たこともない鋼牙の真剣な眼差しに・・・ 「・・・ふん・・・。犬っころに何マジになってんだか・・・」 「鋼牙・・・」 静かに犬夜叉の着物から手を離す鋼牙・・・。 「・・・犬っころ・・・。お前が傷つくいた分・・・。 かごめも一緒に傷ついてるんだってことだけは忘れるな・・・」 「・・・てめぇに言われなくても・・・わかってらぁ・・・」 子供染みた 喧嘩の雰囲気は二人の間にはなく・・・。 胸に覚悟を秘めた・・・ 男同士の空気。 (・・・私の仲裁は・・・いらなさそうね) かごめは静かに退散しようと雲母に乗ろうと振り返った。 ガサッ 「・・・!!きゃああ!!」 草陰から出てきたのは山犬の妖怪・・・! 「かごめの声!?」 犬夜叉と鋼牙は振り返り、かごめの声がした崖上にジャンプした。 「かごめ!!」 「きゃッ!」 犬夜叉たちの方へ走ってにげるかごめだが転んでしまった。 グァウ! 「犬っころ!かごめは俺が助ける!!」 「るせぇ!!てめぇ勝手なまねすんじゃねえよ!」 鋼牙は山犬を無視してかごめを抱きかかえて 助ける。 「ちっ・・・鋼牙のやつ・・・!散魂爪双!!」 山犬を一発でし止めた犬夜叉。 (かごめ!!) かごめの元へかけつける犬夜叉・・・ (・・・!!) 「かごめ・・・。怪我はねぇか?」 やっぱりかごめの手を握ってました。鋼牙君・・・。 「てめぇ!かごめから離れろ!手にぎってんじゃねぇよ!」 「うるせぇ!雑魚妖怪とてめぇはいちゃついてろ。かごめはオレと・・・ 一緒にこれから寝るんだ」 「え、ちょ・・・」 鋼牙はかごめをお姫様だっこして、あらまぁ 風を起こしてどこかへ・・・ 「ってこらーーー!!かごめさらってくんじゃねぇーーー!!」 犬夜叉も後を追っかけます。 崖の周りを鬼ごっこしているうちに・・・ 気がつけば朝。 「ふっ・・・。朝になっちまったが・・・。 ここなら誰も邪魔されねぇ」 「え、ちょ・・・」 かごめの手を握って・・・ 「今生の別れになるかも知れねぇ・・・最後に・・・」 顔を近づけてくる鋼牙・・・ 「散魂鉄爪!!」 かごめと鋼牙の間に犬夜叉の爪がビリッと入りちゃいました。 「鋼牙・・・てめぇ・・・!!」 犬夜叉、かなーりジェラってますよ! 「犬っころ・・・いいところで邪魔してくれるじゃねぇか! 勝負だ!」 「望むところでい!!」 さぁあ!犬夜叉と鋼牙の喧嘩が再戦! にらみ合う二人のを余所にかごめは・・・ 「ふぁああ・・・。眠たい。おやすみなさぁい・・・」 かごめはごろんと寝転がって寝ちゃったのでした・・・。 その後。喧嘩の勝負はついたのかつかなかったのか かごめは眠っていたので知らない。 目覚めたときには鋼牙の姿はなく・・・ 「けっ。やっと煩いのがいなくなったな」 「・・・。ふふ」 かごめはつん!と犬夜叉を肘で突いた。 「な、なんでい」 「・・・犬夜叉も結構・・・楽しかったんじゃない? 鋼牙君とけんかするの」 「な、んな訳ねーだろ!今度かごめにちょっかい 出してきやがったら本当にぶった押してやる!」 「ふふ。ふふふ・・・。素直じゃないんだから」 昨夜の男同士の真剣な会話・・・。 あの二人の間に・・・ 何の情もなかったわけがない・・・ (・・・互いを・・・認め合ってるのね・・・) 犬夜叉にも 良き友・・・?でもないかもしれないが 思い切り喧嘩できる仲間ができたのだと・・・ かごめは嬉しかった・・・。 「それよりかごめ」 「なあに?」 かごめの耳元で犬夜叉はあることを質問。 「・・・お前・・・。鋼牙とは口付けしてねぇんだろうな」 「・・・(怒)」 (な、なんか・・・今、プチンって音が・・・) 「あんた・・・私のこと疑ってるわけ・・・?」 「い・・・いや・・・」 「散々自分は桔梗のところ知らない間に行っちゃう癖に・・・。 人のことになると・・・!」 「うるせー!てめぇは隙があるんだよ。だから鋼牙に・・・」 「何よ!もう!」 かごめは平手をあげて犬夜叉の頬を・・・!? (わッ) 犬夜叉は思わず目を閉じた。 ・・・チュッ (え・・・?) 目を開けると・・・ かごめの目が・・・ (・・・!!!) 唇を離されても犬夜叉は何が起きたか呆然・・・。 「・・・ふふ。隙があるのは・・・犬夜叉でしょ・・・?」 ぺロッとちょっと悪戯に舌を出して笑うかごめ・・・。 (・・・ッ///) あんまり可愛く笑うので犬夜叉・・・ さらに硬直☆ 「・・・悔しかったら・・・。今度は犬夜叉からしてみてね・・・。 い・つ・か☆」 「・・・い、い、いつか・・・な///」 「うん☆」 犬夜叉の腕にそっと寄り添うかごめ・・・。 照れる犬夜叉も・・・ 好きだけど 昨夜の・・・鋼牙と真剣に話す犬夜叉を見てもっと・・・ (好きになったよ) 幾多の敵と戦い 幾多の仲間と出会い 犬夜叉は成長していく・・・。 かごめは心の中で祈うのだった・・・ (もっと犬夜叉に・・・素敵な出会いがあればいいな・・・) と・・・