犬かごリクエスト小説タイトル編 第5位 あなたの愛に揺れて 「じゃーん出来た!私のゆりかご!」 「あー?なんだ。ただの布着れじゃねぇか」 旅の途中。一休みしようと犬一行。 かごめは白いシーツを木と木の間にくくらせて 簡易のベットをつくった。 「ふふー。いいでしょ?」 「けっ。女ってのは面倒くせー生き物だな。 座ってねりゃーいーじゃねぇか」 「アンタと一緒にしないで!それにね、ほら。 着替えるときにも便利なの」 (・・・!?) 犬夜叉の耳がピクっと反応。 「というわけで。犬夜叉。こっからこっちは来ちゃ駄目よ」 「・・・けっ。わかったよ!」 かごめは早速戦闘で汚れた制服を着替え始めた。 (・・・) 見るなといわれると見たくなるのが人情。 犬夜叉はチラッと後ろを見て。 確かに白いシーツが幕になって見えないが・・・ (・・・///) かごめが着替えるシルエットは光に当たって見えて・・・。 (・・・) スカートを脱ぐところも 制服を脱ぐところも 肌の色は見えなくても・・・ 胸の膨らみはみえまして・・・v (///) ばっちり。犬夜叉はかごめの着替えシーンを堪能したのでした☆ 「さーてと。一眠りしよーっと」 かごめはシーツをハンモックのように眠れるようにして つるした。 「犬夜叉、そばにきて・・・?」 「な、何・・・!?」 (なんか・・・声、色っぽくねぇか?) ちょっと期待交じりに側に行く。 「そばで・・・。ゆりかご、揺らしててくれない?」 「・・・は?」 「そーっときもちよーく眠るために・・・」 「・・・な、なんでオレが・・・」 「おねがい・・・。ね?」 (う・・・) かごめのかわいゆいおねがい、に犬夜叉、断れず・・・。 「・・・。このくらいか?」 「うん・・・」 ゆっくりと・・・犬夜叉はゆりかごの揺らし始める・・・ 「うん・・・。いい感じ・・・」 「・・・そ、そうか」 「気持ちいー・・・。犬夜叉上手」 (///) かごめの台詞が犬夜叉の脳裏には別の感覚として 記憶されているらしい。 「・・・犬夜叉・・・」 「かごめ・・・?」 「スー・・・」 かごめの言葉数も少なくなり・・・。 寝息が聞こえてきた・・・。 (けっ・・・。結局こういうことかよ・・・) すやすや・・・ かごめの寝顔にやっぱり犬夜叉は・・・ (・・・///) まんざらでもないようで。 ゆらり・・・ゆらり・・・。 犬夜叉はかごめを起こさぬように静かに静かにハンモックを揺らす・・・。 (なんか・・・。かごめが赤ん坊に見えてきた・・・) 気持ちよさそうに眠っている まるでそれをあやす父親のような気分・・・。 (・・・。ゆっくり休めよ・・・。オレがそばにいるから・・・) 戦闘続きの毎日。 たまにはかごめをゆっくり休めさせてやりたい。 (・・・かごめ・・・) 「犬夜叉・・・。アリガト」 (寝言か・・・) 「・・・。好き」 (///) ゆっくりゆっくり揺らすゆりかご。 かごめの嬉しい寝言を聞きながら 犬夜叉は揺らす・・・ こんな穏やかな時間。 今だけは かごめの寝顔も 寝言も 自分だけもの・・・ (・・・ずっと・・・このままならいいのにな・・・) このシーツにかごめを包んだまま どこかへ閉じ込めておきたい。 かごめと二人きりになれる場所に・・・ ギシ・・・ (あ・・・) シーツをつるしていた木の枝に軋んだ。 縛ってあったシーツの端が解け かごめがシーツごと落ちそうに・・・。 (あぶねぇ・・・!) 地面すれすれに犬夜叉はかごめをキャッチ・・・! 「・・・ったく・・・。気楽に寝やがって・・・」 落ちそうになったことも知らずに熟睡するかごめ。 (・・・そーっとそーっと・・・) 犬夜叉はそのままかごめを自分の膝の上で抱え シーツにくるまれたままかごめを抱く。 お姫様抱っことはちがい・・・ なんだか赤子を抱いているような感じ・・・。 (・・・///あ、赤子にしちゃ・・・。いい匂いするんだけどな) かごめを抱きしめる・・・ かごめが起きているときじゃあ・・・ 自分からなんてできない。 (・・・かごめって・・・。軽いんだな・・・) 背中に負ぶっているときには分からなかった かごめの細くて小さな体。 (・・・いつも・・・。オレを助けてくれてんだよな・・・) 今ぐらい ひとときぐらい 自分の腕の中で 眠っていてほしい。 ・・・優しい温もりにいつも自分は包まれているから・・・。 「ン・・・」 シーツのなかでもそもそと動くかごめ。 (・・・こ、こっちまでなんか・・・くすぐってぇだろ・・・///) もそもそと動くかごめが・・・ 可愛くて・・・ (・・・うし。誰もみてぇねぇな) 辺りに珊瑚たちがいないことを確認してから・・・ ・・・ぎゅ。 シーツごと。 かごめを・・・ 両手でぎゅ・・・ッ。 (・・・。あったけぇ・・・。やわらけぇ・・・) 向かい合って抱きしめるより ずっと・・・ かごめの感触が・・・。 「犬夜叉・・・。怪我・・・しない・・・でね・・・」 「かごめ・・・」 夢の中でも 犬夜叉を心配するかごめ・・・。 「・・・。オレこそ・・・。ごめんな・・・。 心配かけて・・・」 抱きしめる・・・ かごめを抱きしめても 形だけ・・・ 犬夜叉の”心”をいつもかごめは・・・ 抱きしめているのだから・・・ 「かごめ・・・。せめて今だけは・・・。いい夢みてくれよ・・・な・・・」 かごめを抱いたまま・・・ 少し体を揺らす・・・ ”ゆりかごって子供の頃あこがれてたの” 少しごつい赤い衣のゆりかご。 かごめのぬくもりを感じながら 愛しい寝顔を見つめる。 (犬夜叉・・・) 夢の中で・・・ 少女に戻っていた。 だれか・・・ 頼もしい腕に抱かれている・・・ ・・・大きな愛に揺られて・・・。 「・・・ありがとう・・・」 何度も何度も かごめの寝言はそう呟いた・・・。 犬夜叉は・・・かごめの温もりに包まれて・・・ かごめは犬夜叉の大きな愛に揺られて・・・。 強い愛に揺られて 二人とも夢の中へ静かに瞼をと閉じたのだった・・・。