犬かご小説タイトルリクエスト
第三位 「空を見上げて」
どうしてだろうな・・・
空なんて別にいつもとかわんねぇし
面白くもねぇ
けどかごめ
お前と見るとなんか
違う模様に見えたりする
どうしてだろうな
かごめが・・・そばにいるからだ・・・
きっと・・・。
※
「犬夜叉ー!ねぇ。拗ねてないでこっちむいてよ」
「けッ!!」
草木が青々と茂る草原。
ちょっと鋼牙のことを誉めただけで拗ねて怒って
不貞寝してしまった犬夜叉。
(・・・かごめが謝るまで・・・向いてやんねぇ!)
子供っぽい意地を張っている犬夜叉。
「あっそうー・・・」
ここですぐに折れたらかごめも立つ瀬がない。
(ふぅ。すこし一休み一休みっと)
犬夜叉と少し離れて膝を抱えて座る。
暫く・・・沈黙が続く。
(・・・。かごめどうしたんだ。なんで何もいってこねぇ?)
ちらっと・・・かごめに視線を送る犬夜叉。
(・・・まだ怒ってんのかそれとも・・・)
チラ見を何度かしていると・・・。
「きゃあ!!」
「どうした?!?」
かごめの叫び声に側に一目散にかけよる犬夜叉。
「へへー・・・ひっかかったひっかかったー」
「・・・!!」
かごめはぺろっと舌をだして名演技完了。
「て、てめぇ・・・」
「犬夜叉のまーけ♪ね、一緒に”ごろん”しよ♪」
「・・・ッ///ご、ごろん・・・ってお前・・・」
かごめは本当にごろんっと寝転がった。
「犬夜叉もはやくぅー♪」
着物の裾をひっぱって犬夜叉をお誘い♪
「・・・(照)わ、わかったし、仕方ねぇな///」
さっきのヤキモチもどこへやら。
かごめの上目遣い攻撃で犬夜叉も”ごろん”しちゃいました。
「・・・はー。きもちいーねぇー・・・」
「あー・・・?そうかぁー・・・?」
かごめとこうして
ならんで空を見上げるのは久しぶりだ・・・。
ゆっくりと・・・
流れていく白い雲・・・。
(こんなもん・・・何がおもしれぇのか。未だにわかんねぇ・・・)
ただ・・・
かごめが
かごめが隣に居るから・・・
(雲はどうでもいいけど・・・。かごめの匂いが・・・)
風に乗って犬夜叉を包んでくれるから・・・
「・・・ねぇ・・・。犬夜叉ってさ・・・。たかーく
飛び上がれるじゃない・・・?それって・・・。どんなキモチ?」
「あん?なんでい。別にどーもかんじねぇ」
「そっか・・・。でも私思うんだ。私にも力があって・・・。
たかーく・・・たかーく飛んで近づけたら・・・」
かごめは両手を
空をつかもうと伸ばす・・・。
(・・・いつもおんぶしてやってんじゃねぇか)
「私はあんまり力がないから・・・。私、お荷物になってないかなって思うときが
あるの・・・」
「・・・そんなこと思ってたのか・・・?」
「うん・・・あ、ごめんね愚痴っぽいこと・・・」
(・・・かごめ・・・)
かごめを助け、守ることが自分の使命だと
思ってきた。
でも守られているかごめがこんなことを思っていたなんて・・・。
「・・・かごめ。起きろ」
「え?」
「いーから」
「え、ちょ・・・」
かごめをお姫様だっこして犬夜叉は突然走り出した。
「な、どうしたの?」
「・・・空に近い場所に連れてってやる」
「え?」
「///だ、だまって付いてこいッ」
(犬夜叉・・・)
照れた顔が・・・
かごめを思いやる犬夜叉の気持ちを伝えている・・・。
「うん・・・連れてって・・・。犬夜叉と一緒ならどこへでも・・・」
ぎゅっと犬夜叉の首に手を回すかごめ。
(///)
犬夜叉のほっぺとかごめのほっぺがくっつけたまま・・・
犬夜叉は高く高く飛んで舞い上がり・・・
風を切る・・・。
(・・・犬夜叉が・・・。空に連れてってくれるみたい・・・)
空に吹く風より・・・
犬夜叉に抱かれて飛んでいるとき感じる風が
一番好き・・・
想いが溢れて犬夜叉を見上げる・・・
「・・・犬夜叉・・・」
(!!な、なんちゅう声で・・・)
「わっ!!」
かごめの上目遣いに犬夜叉のバランスが一瞬崩れた。
「っこ、こんなときに・・・。み、見つめんじゃねぇ・・・ッ///」
「ごめん・・・ネ」
(・・・っ///)
今日のかごめのリアクションは
一つ一つ犬夜叉のツボをつくらしく・・・
(くすぐってぇじゃねぇか・・・///)
そして一番高い崖の上の・・・
一本の松の木・・・
かごめを木の枝に据わらせる犬夜叉。
「わぁ・・・ッ」
崖の下に雲海がひろがる。
白い雲のまさに海・・・
「どうでい!!ここなら空に近いだろう!!」
犬夜叉、自信満々に腕を組む。
「うん・・・!天国みたい・・・!素敵!ありがとう!
抱きつきたいくらいに嬉しい・・・!!」
(えッ・ドキ)
犬夜叉、数秒かごめが抱きついてくるのを待っていたが・・・
「はー・・・すごい眺め・・・。見惚れちゃう・・・」
「・・・(汗)」
かごめからのハグはどうやらおあずけのようで・・・(笑)
「ここ・・・犬夜叉の秘密の場所なの・・・?」
「お、おう・・・。まぁな・・・」
「じゃあ・・・。私も秘密にしようっと・・・」
「なんでだ」
「・・・二人だけの・・・ひ・み・つ」
(・・・ッ///)
かごめの上目遣い・・・
ぴと・・・っと肩に顔を寄せてきて・・・
(・・・くそう・・・かごめのペースだ・・・///)
「どんな綺麗な景色もね・・・。犬夜叉と一緒にみるから・・・
私は好きなんだよ・・・」
「・・・そ、そうか///」
「うん・・・」
(オレも・・・。同じだ。かごめと一緒だから・・・)
どんな景色も
一人だけじゃさみしい
同じ空の青さを
感じ合える誰かがいるから・・・
「・・・今日はなんか・・・。犬夜叉・・・
嬉しいことばかりしてくれるから・・・」
「な・・・なんだ」
「・・・犬夜叉にメロメロになりそう・・・」
「・・・っ//」
犬夜叉の腰辺りが
トロトロになりそう・・・。
「・・・どんな空も・・・これからも一緒に見ようね・・・」
「お、おう・・・」
かごめと犬夜叉の足元に広がる雲海・・・
「犬夜叉のそばが・・・一番空に近い・・・大好きな場所よ・・・」
「///」
寄り添って・・・
穏やかに微笑んで・・・
空の風を感じる・・・。
大切な人と見上げる空は
だからもの・・・。
ずっとずっと一緒に居よう・・・
雲海は・・・
犬夜叉とかごめの絆を映す・・・
真っ青で
澄んで・・・
迷いもなにもない・・・
二人の心のような蒼さを・・・。
「また・・・ここで空、見上げようね」
「おう・・・」
ささやかな約束。
永遠の約束になるよう・・・。
指きり・・・。
ささやかな約束。
空を見上げて・・・
永遠の絆を・・・