満のおしゃべり@
「とーたん。かーたん」
「はあい♪」
満が片言を話し始めた。
かごめは何度も満に話しかける。
「満。私はだあれ?」
「かーたん」
「きゃはー♪満せーかい♪貴方天才ねーvv
3歳になったら何か習わせようかしら」
満を抱きしめてほお擦りするかごめ。
早くも教育ママ(?)ぶり。
「けっ。男はなぁ。外で元気に遊ぶもんだ。なぁー?満」
かごめからひょいっと満に抱き上げた。
「んもう。犬夜叉ったら・・・」
「けっ。母親にな、べたべたさせてたら男は甘ったれる!
根性がすたる!厳しくいかねぇとな。な。満」
「あぅい!」【父ちゃんが一番甘い気がするけどまぁ付き合ってやらぁ】
満とちっちゃな手と犬夜叉の大きな手のひらがパチン!と叩き合う。
「・・・よく言うわよ。自分が一番甘えん坊のくせに」
・・・とくに夜、甘えてきます。犬パパは(笑)
「なんでい。なんか言ったか?」
「ううん。なんでもない。ふふ。ま、確かに男の子は元気なほうがいいわよね。
犬夜叉、いいおとーちゃんになってね!」
かごめが軽くウィンクしてキッチンへ夕食を作りに行った。
(・・・///)
かごめにかわいくウィンクされ、犬夜叉の”とーちゃん魂”に火がついた。
(よおし!オレは日本一のとーちゃんになってやるぞ!)
と意気込んで・・・。
「つーわけだ。満。いいか。男は自分の力で何事も
動かさなけりゃいけねぇ」
とんとん。かんかん。
犬夜叉は満がもっとしっかりと歩けるようになるようにと
と、小さな手押し車を満に作ってやった。
手すりを押すとポコポコ車輪から音がしてアヒルが顔を出す。
「さぁ。出来たぞ〜!さ。これで足腰を鍛えるんだ。満」
「あぁいい!!」【おっ。なんだ。新しいおもちゃか!?】
満は嬉しそうに押し車のハンドルを両手で握って押し始めた。
ぽこぽこ。
ぱこぱこ。
「とりたんとりたん」【なんかとりみてぇなもんが出てくるぜ、これ!】
満はいたく気に入ったようで部屋の隅をいったりきたり。
ぱかぽこ。ぱかぽこ。
「どうでい。これぞ匠の技!」
「あらぁ。よかったわねぇ。満。お父さんに楽しいおもちゃつくってもらって」
エプロン姿のかごめが様子を見に来た。
かごめに自慢げに見せびらかす犬夜叉。
(・・・誉めてもらえるぞ。そんで・・・)
”ご褒美上げる。チュ!”
(・・・///)
お褒めの”チュウ”をご期待しましたが・・・。
「ねぇ、犬夜叉。あんたそれなら文字入りの積み木作ってよ」
「遊びながら文字を覚えるの。ふふ。いい考えでしょ?
作ってね」
「いやそうじゃなくてあの・・・」
(あ、あの・・・。ご褒美のアレは・・・)
期待する犬夜叉を完全に無視してかごめママは夕食作りの続き。
・・・ガクッシ・・・。
犬夜叉とーちゃん、かごめママのご褒美はおあずけです(笑)
そういえば最近夜も”イチャイチャ”がご無沙汰で・・・。
(・・・はぁー・・・。かごめとイチャイチャ・・・)
寂しいパパでありました。
「・・・かごめとにゃんにゃん・・・いちゃいちゃ・・・(してぇ)」
思わず言葉にも出ちゃうくらいさみしい。
「・・・いちゃいちゃ?にゃんにゃん?」
とーちゃんの言葉をじーっと耳を済ませて息子は聞いておりました。
「・・・八ッ!!満」
「かごめといちゃいちゃ。にゃんにゃん」
「・・・(焦)み、満、そ、そんな言葉覚えんなッ」
「かごめといちゃいちゃ、にゃんにゃんー?」【なんでいとーちゃん。そんなに寂しいのか。待ってろ】
満はトコトコっと走って子猫のぬいぐるみを持ってきた。
「・・・あ?なんでい」
「にゃんにゃん??」【こいつが相手してくれるってさ。とーちゃん】
子猫のぬいぐるみを犬夜叉の手に乗っけた。
「・・・。お前・・・。俺が寂しがってると想ってこれを?」
「あい」【おう。優しい息子だろ?】
にこっと笑う満。
「・・・(じーん)」←ちょっと親心うずいて感動。
そんな満を抱っこして肩車する犬夜叉。
「早くデカクなれ。そんで一緒に色んなモンつくろーぜ!」
「あいー!」【付き合ってやるか。それが息子の務めだ】
嬉しそうに満を肩車して部屋をぐるぐる回る・・・。
父息子の楽しそうなやりとりに部屋のドアの隙間から
かごめお母さんは優しく見守っておりました。
(ずっと仲良しの二人で居てね・・・)
ほのぼのとした気持ちになったかごめママでした・・・が。
「でもね。犬夜叉・・・。子供に変なこと覚えさせないで」
とちょっとお冠のかごめママ。
やっぱりその夜も”おあずけで・・・”
「ぐすん」
満がくれた子猫のぬいぐるみを抱いて眠る犬夜叉とーさんなのでした・・・(笑)