犬夜叉とーちゃんと満のとある一日 「犬夜叉。悪いけど半日、満のこと見ててくれる? 私明日診察日なの」 そう言ってかごめは満を犬夜叉に預け病院へ・・・。 「かごめがいない・・・」 「あぅあああ・・・かーたん・・・」【かーちゃんいねぇな・・・寂しいぜ・・・】 かごめがいなくなって・・・。 部屋の中がらん・・・と静かになる。 「・・・」 「・・・」 じっとお互いを見つめあう犬夜叉と満。 犬夜叉のひざにちょこん・・・と満は座った。 「とーたん・・・」【寂しそうな顔してんじゃねぇよ。仕方ねぇな】 小さな目がうるうるしています。 「・・・満、お前・・・。オレを慰めようとしてんのか・・・。 く!可愛い息子め!」 犬夜叉、愛息子をぎゅっとハグします・・・。 「んぎゃッ」【うわっ。抱きついてんじゃねぇよ。ってか たばこくせー】 ちょっと嫌がってます満君。 「満・・・。お前はやさしー男だな。オレに似て・・・」 「とーちゃん、やーしーおこと?」【とーちゃんやらしい男?んなこと もう知ってるよ。毎日やらしいことしてんじゃねぇか】 「そうだ。男は優しくそして強くなくちゃいけねぇ。 そうだ。かごめが帰って来るまでこの部屋そーじするか!」 「あい!」【いいぜ。つーかとーちゃん掃除できのかよ?】 犬夜叉は頭に三角巾。そしてエプロン姿でお掃除ルックを装着! 満もちっちゃなアンパンマンのエプロンを装着してご機嫌です。 「あんぴゃんみゃん」【おう。イカす服だな!これ】 「ふふ。お前はそうだな。このタオルでおもちゃごしごし しててくれ」 「あうい!」【おう!自分の持ちモンくれぇは、自分で綺麗にするぜ!】 満にタオルを手渡して大好きな積み木をふかせる犬夜叉。 これも犬夜叉流(?)の子育て法なのか犬夜叉はちょっと自慢げです。 (ガキはこーやって責任感を覚えさせねぇとな。でオレはこの部屋のそーじだ! そんでかごめが帰って来たら・・・///) ”わぁ。犬夜叉部屋綺麗にしてくれたんだ。ありがと!” チュ! ってな展開を実は目論んでいるらしい(笑) 「とーたん?」【何、にやついてんだよ?】 (・・・はっ) 我が子に突っ込まれ、すぐに妄想の世界から返ってきましたとーちゃんです。 「うし!これからそーじ開始だ!!」 「あい!!」【おう。やってやる。とーちゃんにはまけねぇぜ!】 こーして親子二人のお掃除が始まりました。 「あんぴゃんみゃん!」【あの歌、ついうたっちまううぜ!】 アンパンマンの歌を歌いながら小さな積み木をきゅっきゅとみがく満。 一方、犬夜叉は。 ウィーン・・・。 掃除機をかけてます。 「結構面倒なもんだな。かごめはこれを毎日やってんのか・・・」 ただでさえ、家事労働は大変なのに・・・。 実際やってみると思っていたよりズット体力がいる仕事だと 実感する旦那様です。 「ん・・・?なんかひっかかったぞ」 掃除機にひっかかったものをくいっひっぱってみると・・・。 (・・・こ、これはッ!!!) かごめの・・・ あの黄色のビキニ・・・v 夏休みに着てくれたあのビキニです☆ (・・・///に、似合ってたな・・・) かごめの水着姿で夏のラヴラヴが盛り上がった夜・・・v (・・・も、もっかい見たい・・・///) 「とーたん」 「ギクリ!」 とーちゃんちょっとまたにやついてました、と満が やっぱりつっこみ☆ 「な・・・なんでい。満」←動揺。 「こえ、らーに?」【なんか落ちてたぜ。大事なモンか】 満が見つけたのは・・・一冊のノート。 「こ、これは・・・」 あの”悪夢”の時のノート・・・。 パラ・・・。 そっと捲る・・・。 かごめの綺麗な文字が・・・ 『○月○日 今日、犬夜叉が変な夢を見たっていって・・・。 突然抱きついてきた。驚いた。だって泣いてるんだもの。 泣くくらい怖い夢ってなんだろう・・・。すごく気になった。 でも教えてくれなくて・・・』 「・・・ったりめーだろ・・・。口にしたくもねぇ・・・」 今思い出しても手が震えてくるほど・・・ 怖かった・・・。 『私の・・・怖い夢ってどんな夢かな。 ・・・。体に爆弾抱えてるようなものだもの。”万が一”の 時の事を考えてしまった・・・』 「・・・馬鹿なこと・・・。俺を一人置いてくなんて ゆるさねぇ・・・」 『・・・でも・・・。もしそういう日が来たら・・・。 寂しいけれど・・・。満と犬夜叉には前向きに生きて欲しい・・・。 私は魂になっても二人の見守っていたい・・・』 と・・・最後・・・ボールペンで書いた文字が水分でにじんでいる・・・。 きっと・・・涙の痕だろう・・・。 「・・・かごめ・・・。何が・・・魂になっても・・・だ。 俺がんなこと許すわけ・・・ねぇだろ・・・っ」 犬夜叉はぎゅっとノートを握り締めた・・・。 そんな犬夜叉のズボンをくいくいっと満がひっぱる・・・ 「・・・とーたん・・・」【とーちゃん・・・。どーしたんだよ。シリアスな顔して・・・】 不安そうな顔で満は犬夜叉を見上げている・・・ 「・・・。満・・・。ちょっと来い・・・」 犬夜叉は満を膝の上に乗せて話す・・・。 「お前はな・・・。かーちゃんが命を張って生まれたきたんだぞ・・・」 「かーたん・・・」【おう。覚えてるぞ】 「かーちゃんは腹を切って・・・。お前を産んだんだ」 「ぽんぽんイタイイタい・・・?」【ああ。本当は”産道”ってとこ通って出てくるはずだったんだけど 急に外の世界にひっぱられたんだ】 満は自分のおなかをさわった。 「だからな・・・。お前はでかくなったら・・・かーちゃんを 守れる男にならねぇといけねぇ」 「あい」【わかってらぁ】 「・・・だがオレは・・・。お前とかーちゃん二人を守っていく。 何があっても・・・だ」 満を抱きしめる・・・。 かごめが命をはって守った命。 かごめと自分の・・・絆。 (強く育て満・・・。かごめを守れる男に・・・な) 「よし・・・。掃除、最後まで頑張るぞ!満!」 「あうい!」【おうともよ!】 パン!と手をうちあって再びお掃除開始・・・。 窓もごしごし。 お布団も干して お掃除終了・・・。 「スー・・・」 満はすっかり疲れて眠ってしまった。 「頑張ったな・・・」 頑張りやなところはかごめ似だと思う犬夜叉・・・。 (・・・かごめとオレの・・・絆・・・。守っていかねぇといけねぇ・・・) サラっと満の前髪をすくう・・・。 「ただいま・・・。あれ?犬夜叉・・・」 かごめが帰って来た。 「部屋・・・。掃除してくれたの・・・? 満も寝ちゃってるし・・・」 綺麗に整えられた部屋を見回すかごめ。 「犬夜叉ありが・・・」 ふわ・・・ かごめをそっと抱き寄せる犬夜叉・・・。 「な、何・・・。どうしたの」 「なんでもねぇ・・・。暫くこのままで・・・」 「うん・・・」 かごめが生きててくれたよかった 生きて今、ここにいてくれてよかった そのことがこんなに嬉しいなんて・・・。 「・・・犬夜叉・・・」 「・・・。かごめ・・・。誰より大事だから・・・。 ずっと一緒にいてくれよな・・・」 「・・・。うん・・・」 抱きしめあう二人・・・。 お互いの存在の大切さを改めて確かめ合ったのだった。 追伸。 その足元で眠る満は・・・。 「むにゃむにゃ」 (・・・あー。かーちゃんととーちゃん・・・。 服、脱ぎ始めたぞ?また裸でねんねすんのか・・・) と、両親のラヴラヴを予知した夢を見たのでした・・・v