居場所を探して・一話完結読みきりシリーズ
たんぽぽアルバム
二ページ目・満月の誕生日
ある日の昼下がり。
かごめはたたんでいた洗濯物の中ですやすやお昼寝しております。
ワゥワゥ!【いつ見てもかごめちゃんは可愛いわね〜♪】
ゴマちゃんが尻尾を振ってかごめの寝顔を堪能中。
「だぁあッ!」【おっす!ゴマの姉貴】
たんぽぽのゆりかごの中で満が目を覚ました。
ゴマちゃんと満。
姉弟のような関係でとっても仲良し☆
ワぅ!【ふふ。あんたの方が起きちゃったのね】
「だぁ!」【なぁなぁ。オレ、今夢見てたんだけどさ・・・。
まあるい月の夢なんだ】
ワゥ?【月?】
ゴマちゃん、首を傾げております。
「だぁあぁ・・・」【窓が見えた・・・。きいろの月と・・・。
母ちゃんの部屋の窓で裸の母ちゃんが居た】
ワゥワ!?【裸って・・・!あんた、生まれて数ヶ月の癖にどんな夢みてんのよ!?】
姉としては弟のことがちょっと心配になるゴマちゃんです(笑)
「だぁああ・・・」【母ちゃんの部屋が見えた・・・。隣には裸の父ちゃんも見えんだ】
ワゥワゥ【あんた・・・。きっとそれ、デジャヴって奴じゃない!?】
「だぁあ??」【なんだそれ】
ワゥワゥ・・・vv【あんたが製造・・・じゃない・・・(そんな言い方はやめましょ)
かごめちゃんのお腹にアンタが宿った瞬間のことよv愛が結ばれたってことよ♪】
「・・・だぁああ・・・??」【愛?それ、美味いのか?】
満、自分の指をなめなめしてます。お腹が減ってきたようで。
ワゥワゥウ・・・【・・・父親似ねぇ(汗)ロマンってものがないわ。ま、とにかく
アタシが話してあげるわよ。”満月の日の愛”って奴をね♪】
「だぁああ・・・」【ああ。いいよ。でもそれより腹減った・・・】
こうして。
ゴマちゃんは語りだしました。
・・・満月の日に深まった愛のお話を・・・☆
※
それはかごめと犬夜叉が結婚して3ヶ月ほどたった頃のお話です。
「はい。お弁当♪いってらっしゃい♪」
「///」
玄関先で新婚ムードに酔いしれる二人☆
(ようやるわい。はぁわしも恋したい)
ラブラブな二人に楓ばあちゃんが少し呆れ顔で
でもうらやましそうに茶をずずっとすすっております。
「さ、お洗濯しなくっちゃ♪」
新妻かごめ、パタパタとスリッパを鳴らして洗面所へ走ります。
ですが1分後・・・。
新妻かごめは犬夜叉の作業着からとんでもないものを見つけて・・・。
「・・・な、な、何よ、こ、このマッチ・・・!??」
『バー・せんごく♪』
バニーガールのおねーちゃんのイラストがきっちり入ってる
イラストです。
明らかに怪しい。
新妻の勘は鋭いものです・・・。
(そういえば・・・。最近携帯、電源切手ばっかりいるし・・・)
「・・・。不潔!!独身時代ならともかく・・・
結婚したばっかりなのに・・・!!」
(犬夜叉・・・帰ってきたらただじゃおかないから・・・!!)
マッチを握り締めるかごめの顔は一段と恐ろしく・・・。
かごめ、犬夜叉が帰るなり、食堂へ連行し、証拠品のマッチを
差し出した。
「・・・(滝汗)」
犬夜叉、かなり顔がびびってますよ!??
「だから・・・そのあの、み、みろ・・・」
「”弥勒さまが無理やり”って言い訳は通用しないから」
「・・・(怯)」
かごめ、腕を組んでベテラン刑事並の人相で
犬夜叉を威圧してます。
・・・子犬に見えますよ。犬君(笑)
「犬夜叉にそういう不潔なところがあるなんて知らなかった!!」
「ふ!??不潔ってなんだ!!俺は悪いことなんてしてねぇぞ!!」
「してるじゃない!!結婚してるっていうのに。こんな
如何わしい店に行くなんて!!」
「い、如何わしいってな・・・(汗)」
完全に犬夜叉が分が悪い。
新妻の怒りは稲光よりすさまじいのです。
「おい、少しは話を聞・・・」
パン!!
犬夜叉の手を跳ね除けるかごめ。
「もう私に触らないでッ!!!他の女の人の触った
手でなんてッ」
「あ、かご・・・。ぶがッ!!」
かごめは怒ってエプロンを犬夜叉の顔面めがけて投げつけて
お部屋へ・・・。
(くそ・・・こりゃすぐ機嫌治りそうもねぇな)
かなりご立腹のかごめ。
ついには・・・。
「おい、何してんだ!」
かごめは部屋から犬夜叉の荷物を廊下へ出して・・・
「今日から廊下があんたの部屋よ!おやすみ!」
バタン!!
かごめの応酬に・・・
犬夜叉はただ立ち尽くし・・・。
(そ、そんな・・・。かごめと一緒に寝られないなんて・・・)
・・・哀しいのはそっちのことのようですが(笑)
その後、二人は家庭内別居と相成りました。
「い、いってきます・・・」
「・・・ああ行って来れば?」
(・・・涙)
犬夜叉、実に寂しい(行ってきますのチューなし)ご出勤・・・。
(・・・夫婦喧嘩は”犬”も食わんと言うが・・・。
うちの”犬”は不器用じゃのう・・・。嗚呼ワシも
夫婦喧嘩してみたい)
茶をずずっと吸って若い二人を見守っている楓ばあちゃんでした。
(まったく!男ってどいつもこいつも・・・!)
かごめの怒りはまだ収まらないようで・・・。
洗濯物を少し乱暴にパンパンとはたいて干しています。
ピンポーン。
「・・・誰かしら。こんなときに・・・」
かごめはパタパタと少し大きめにスリッパの音をたてて玄関へ・・・。
(・・・(汗)誰・・・)
「犬塚さんのお宅はここかしら」
ひげの痕がちょっと濃い、金髪のかつらのおばさん(おかまさん)が・・・。
「あ、あの・・・何か御用ですか?」
「わたしはこういうものです」
そう言って『バー・せんごく』と書いてある
名刺を見せた。
(このお店って・・・)
「それとこれをわたしにきたのよ♪」
「・・・?」
茶封筒を受け取るかごめ。
その中身は・・・。
2万円も入ってます!
「ど、どうして・・・」
「うちのジュリーちゃん(愛犬・柴)を助けてくれた
お礼ですわ」
毛皮の中から可愛い子犬が顔を出す。
「貴方の旦那様かしら?バイクに跳ねられようとしたうちのこを
助けてくれたの・・・」
(だから作業着・・・)
かごめの脳裏にやたらと土で汚れた作業着が浮かんだ。
「それからね、この子のおうちも作ってくれたのよ」
「え?」
「この子のおうち(犬小屋)が壊れてしまったって言ったら
”そんなもんつくってやらぁ”って言ってたちまち
すてきなおうちをつくってくださったの♪それでお礼を払おうと
思ったら”んなもんいらねぇよ!”って言って・・・」
「犬夜叉・・・」
犬夜叉のあのマッチの出所がわかった・・・。
「で、でもあの、二万円なんて受け取れません・・・」
「受け取ってくださいな。私の気持ちですから」
「・・・ごめんなさい。主人の厚意をお金に変える事はできません
お気持ちだけ頂いておきます」
かごめは深々とママさんに頭を下げた。
「・・・。貴方も頑固な人ねぇ・・・。でも私好きだわ。
信念を曲げない貴方もご主人も・・・」
「はい・・・」
かごめは笑顔でママさんに返した。
(・・・犬夜叉・・・)
妻として。
夫の誉れ高い出来事を知って自分も誉められたように嬉しい。
(・・・私ったら・・・。帰ってきたら謝ろう・・・)
その日の夕食は犬夜叉の嫌いなカレーから
犬夜叉の大好きな中華ものに変更。
そして。
(ふー・・・。今日も俺は廊下でおねんねか・・・)
かごめの布団が恋しい犬君。
風呂からあがって二階に上がると・・・。
(あれ。布団がねぇ)
犬夜叉の布団が見当たりません。
(まさか・・・。かごめ、まだ怒ってて布団まで捨てちまったとか・・・)
がくっと肩を落とす犬夜叉。
冷たい廊下にちょこんとひざをかかえてお座り・・・。
「犬夜叉・・・」
「か、かごめ・・・」
かごめが部屋から出てきた。
「・・・犬夜叉・・・。あの・・・。ごめんなさい!」
「!?」
かごめは犬夜叉に頭を下げた。
「今日ね・・・。バーのママさんが来たの・・・
ワンちゃん助けたこと、犬小屋のこと・・・聞いた」
「あ、あのおかまめ余計なことを・・・///」
「どうして?言ってくれればよかったのに・・・」
「こ、こっぱずかしいだろなんか・・・さ(照)」
犬夜叉は鼻の頭をぽりぽりかいた。
「・・・照れ屋なんだから・・・」
「う、うるせぇ」
「でも・・・。誇らしかった・・・」
「え?」
「”妻”として・・・。なんか”夫”を
誉められたみたいで・・・。すっごく・・・誇らしくて・・・。嬉しかった・・・」
(つ、妻として・・・お、夫して・・・///)
ちょっと妻とか夫とかって響きが新鮮な犬君♪
「・・・ん、じゃあ、もう、お、怒ってねぇんだな・・・?」
「うん・・・」
かごめは犬夜叉の肩に頬をぴと・・・っとくっつけた・・・v
仲直りのしるしです☆
(・・・シャンプーの香り・・・///)
「・・・と、ところでよ・・・お、俺の布団がねぇんだけど・・・(何かを
期待した目で)」
犬君、かなり言いたいことがばればれですよv
「一つで充分でしょ・・・?夫婦には・・・(照)」
「///」
犬君のお願いはかごめに伝わったようで・・・v
「・・・ん、んなら・・・。そ、そろそろ・・・ね、ねるか(緊張)」
「・・・うん///」
パタン・・・。
二人はぴとっと寄り添って部屋に入っていきました・・・。
ドア越しに二人のラブラブな会話が聞えてきます・・・。
「今日、もっと好きになったよ・・・。私の旦那様v」
「///(喜)」
「・・・犬夜叉・・・。私・・・ホントは寂しかった・・・。
隣に犬夜叉がいないんだもん・・・」
これみよがしにパジャマのボタンが胸元ではずれてますよ・・・
「・・・犬夜叉・・・」
「か、かごめ・・・」
そのままそっと押し倒して・・・。
長い髪が枕にながれ・・・見下ろすかごめは一段と・・・
(なんか・・・かごめ、色っぽ・・・っ(興奮)一段と燃えそうだ・・・)
犬君、3日と10時間ぶりのかごめ布団とかごめちゃんの生身に酔いしれ、
新妻と愛を深め合ったのでございます・・・v
「・・・よく寝てる・・・」
愛を確かめ合った直後(直後言うな)
犬夜叉が裸身の新妻を抱きしめたまま眠っておりますvv
(・・・なんか今日の犬夜叉、凄かったような・・・って何いってんの///)
そっとパジャマの上着を着て起き上がるかごめ。
そして・・・
眠る犬夜叉の額に
「・・・ずっと優しい旦那様でいてね・・・」
と・・・キスをするかごめ・・・。
ふっと窓の外を見上げると
黄色い満月が輝いて・・・。
(キレイ・・・。今日の満月・・・忘れないでおくね・・・)
かごめもまた眠りについたのでございます・・・
それから2ヶ月ほどたった頃・・・。
「だるいな・・・」
なんとなく体調の変化を感じ取ったかごめ・・・。
(・・・。もしかして・・・)
・・・もしかしましたーー☆☆
「おめでとうございます」
お医者様から新しい命が宿ったことを伝えられました
のでございます・・・。
ワゥワゥ【これがアンタが製造・・・じゃなくて愛が結ばれた経緯よ♪
夫婦喧嘩がもたらした”幸”ってとこね】
「スー・・・」
いつの間にか眠ってる満。
ワゥワゥ【たっくー・・・。あんたのルーツを教えてあげたのに・・・。ふふ。
ま、あんたらしいけど・・・】
かごめの横ですやすや眠る満。
満はまたある夢を実は見ていました。
それは・・・
可愛い女の子の赤ちゃんの夢。
手をつないでひまわり畑を歩いています。
(誰だろうな・・・)
それが”誰”なのか分かるのはまだちょっと先の話。
新たな家族の登場です。
そして今宵も満月・・・
「犬夜叉、おかえりなさーい!今日ね、満がねー・・・」
幸せな声が
楓荘に響いているのでありました・・・
終わり
以上。満君製造過程報告終了v(だから製造言うな)
巧みに満の妹が生を受けるの3年後ことです。
つーか予定(笑)
その頃は二人ともまだ二十代後半ですし
あと一人や二人いけます!!(力説するな)
犬君は子作りは旺盛ですから!(だから力説は)
とりあえず、犬君ファミリーネタ、また浮かんだら書きますね・・・