7ページ目 親子3人の夜 「うぁああん!」【いやでい、いやでい!服なんか着たくねぇ!】 おニューのお洋服を着せてもらったのに手足をじたばたさせて 嫌がる満。 「満、泣かないでよー。はー・・・」 最近、どうも”いやいや”する時期に突入したらしく流石のかごめも途方に暮れている。 犬夜叉に相談したところ、 「そんなもん、甘やかしてどーする!」 犬夜叉は満をだっこして 「おう。満てめぇ、男の癖にビービー泣くんじゃねぇ!」 「わぁああん・・・!」【るせー!父ちゃんには赤ん坊の気持ちはわかんねぇよ!】 バキ! ばたつかせた小さなあんよにパンチを食らう犬夜叉。 「っつこのガキ・・・!」 「もう犬夜叉、あんたまで一緒になって怒ってどうするの!!」 満を奪還するかごめ。 「んぎゃああ!」【ああもうなんか、苛苛するぜ!!】 一晩中、泣き止まない満。 犬夜叉もかごめも 目の下に隈をつくるほど夜泣きはエスカレートして・・・。 昼間はすやすや眠る満。 かごめも一緒に眠る。 職場で犬夜叉も・・・ 「ふふ。兄貴、昨晩も頑張ったんですかーv」 ドサ! 「うぎゃああ!」 うとうとする犬夜叉の手からトンカチが落下。 助平な後輩の足にHIT。 「グー・・・」 後輩の悲鳴も余所にうとうとが止まらない・・・。 「うわああん!」【眠くねぇ!なんかおもしろいことねーのかよ!】 今宵もがぜん、夜泣き魔王の満君です。 「どーにかならねぇのかよ・・・」 「どうにかならないから大変なのよ。子育ては・・・、ふあ・・・」 寝ぼけの犬夜叉パパとかごめママ・・・。 「くそ!こうなったら満、とことん付き合ってやるぜ!」 半ばやけくその犬夜叉。 突然人生ゲームを取り出して 「おうかごめ、お前も付き合え!」 「え?やるの?」 「満が寝静まるまで勝負だ!」 「わかったわ。じゃあ何か商品つけないとね・・・。 そうだ。犬夜叉が勝ったら、私に肩もみ、 犬夜叉が勝ったら・・・」 (かごめが勝ったら肩もみ・・・じゃあ俺が勝ったら・・///) 犬君、なんか違う”揉み”を想像してます(笑) 「犬夜叉に膝枕してあげる」 「え、膝枕か。そーか・・・」 ちょっと残念な犬君。 布団の上で人生ゲームを広げて 犬夜叉とかごめは ルーレットを回す。 「んぁあああ・・・」【それ面白いのか!?なんのゲームだ!?】 見たことのないおもちゃに満の泣き声がしばしとまった。 「あ、満、まして見る??」 ちっちゃちゃな手がルーレットを触る カタカタカタ・・・。 「んぁああ♪」【おっ。動いた。なかなかおもろいやんけ】 満は嬉しそうに笑った。 ルーレットは4をさした。 かごめは小さな車のコマを4マス動かす。 止まった場所に書かれていたことは。 『貴方は運命の人に出会って5マス進む』 「だって。ふふ。運命の人か」 (///お、俺のことか) 犬君も嬉しそう(笑) 『その運命の人に実は忘れられない人が・・・! 3マス戻って一回休み』 「・・・だって・・・。なんか・・・このゲーム身に詰るわね」 ちらりと犬夜叉を見るかごめ。 犬夜叉は余所見してます(笑) (なんだ、このゲーム(汗)) 次は犬夜叉の番。 6をさして進みます。 『二股をかけて彼女に逃げられて3回休み』 「・・・」 「あははー。やっぱり二股はいけないよね〜。満」 グサリとかごめのブラックジョークが犬夜叉に突き刺さる。 いっぺんに眠気が飛んだ、犬君です。 再びかごめの番です。 カタカタ・・・ 「んああ」【母ちゃん、これ、なんかいいな】 ルーレットがかなり気に入った様子の満。 かごめの代わりにルーレットを回します。 7をしめして進む。 『運命の人と恋を成就させて、結婚3つすすむ』 「やったー!結婚した!」 かごめは嬉しそうにマスをすすめて・・・。 『子供が生まれる男の子。さらに3進む』 「やだ。私の今みたい」 (///) なぜか照れるのはどうして?犬君パパ(笑) ですが人生ゲーム。 その名の通り、何が起こるかわかりません。 『旦那が昔の彼女が逢引して復活。離婚する』 「だって・・・。そうよね。離婚よ離婚!!」 「だぁあ・・・!」【そうだ!浮気はいけねぇぜ!父ちゃん!】 (・・・(冷や汗)) 犬君、真っ青です。 (お、お、落ち着け、こ、これはゲームだゲーム(汗)) 何故だか後ろめたい気持ちになる小心者の犬君(笑) やっと犬君の番が回ってきました。 カタカタ・・・。 7進んで、さらにワープ、と書いてあります。 「よっしゃー!!けけけ。かごめ、リードだぜ」 犬君、余裕の顔で進んだ先のマスめには・・・。 『離婚されて昔の彼女にも捨てられる』 だった 「・・・(生汗)」 「はっはーん。自業自得よね。結局二股は永遠に 二股なのよ」 「・・・(涙)」 犬君、なんだか泣きそうな顔してますよ(笑) さらに。 かごめが3つ進めたマスに・・・。 「きゃー♪再婚だって。それもお金持ちの音楽家と♪」 (か、金持ちの音楽家!?アイツか) 樹の顔が浮かび嫉妬メラメラ・・・。 (うおー!このまんま負けてたまるか!) 犬君、ファイトが燃えます! 犬君挽回するぞと、気合を入れてルーレットを回した。 7に止まり・・・。 ゴール直前の1マス前までワープ 「よっしゃああ!!」 思わず拳を握る犬君。ですが・・・ 『ゴール目前。しかし人生最大の危機・破産、離婚、誤認逮捕 されてスタートに戻る』 (そ、そんな・・・) 肩を落として落ち込む犬夜叉・・・。 「・・・きゃはははは。犬夜叉、残念残念。かわいそうに。ふふ 私は再婚相手と仲良くしあわせになりまーす♪」 と、かごめはさっさとゴールイン。 「て、てめぇ!俺というものがありながら樹と結婚しようってのか!?」 犬君、かなりマジで怒ってます。 「あんたねぇ。ゲームにマジなってどうするの。ほんとうに パパは単純なんだから」 「なにぃ!」 声を上げた犬夜叉に。 CHU! 「///」 かごめのほっぺチュウで即鎮火v(笑) 「ね?ほんっとに単純だよね〜」 「う、ううるせぇ(照)」 「ってあ・・・。満・・・。眠ってる・・・」 両親のいちゃいちゃ(?)なけんかをよそに 満はすやすや夢の中・・・。 「けっ親の子知らずてってか・・・」 「でも楽しかったね。親子三人でゲームなんて・・・。うふふ」 「・・・こ、これから先の時間は・・・夫婦の時間だろ・・・」 犬夜叉はさりげなく・・・ かごめの肩を引き寄せた・・・。 「・・・。なんか・・・上手になったね・・・。そういうの・・・」 「・・・けっ・・・(照)」 かごめの腕の中ですやすや眠る満・・・ 「・・・今晩は私達もゆっくり眠ろうか・・・」 「そうだな・・・流石に・・・眠い・・・」 3人は川の字になり、横になった。 「おやすみ。満」 「はぁ。やっと眠れるぞ」 「ふふ。おやすみ、犬夜叉・・・」 満を真ん中に 犬夜叉とかごめは満の足の下で手をつないだまま 眠る・・・。 親子三人の夜・・・ 暫くぶりの静かな夜は 親子の絆が 深まった夜だった・・・。 ・・・がしかし。 「うわあああん!」【うおーー!!今夜もめいっぱい泣くぜ!】 翌日の夜には 夜泣き大魔王に満は見事に戻っていたのでした・・・。 かごめたちの静かな夜はもう暫く おあずけそうです・・・(笑)