居場所シリーズ 「タンポポの綿毛が舞い落ちて・・・ 〜遠い空〜」 第8話 かごめファミリー海を渡るの巻 前編 「ぶおーーん!!」 満、新幹線のおもちゃを振り回してご機嫌です。 何故ってそれは、明日、3ヶ月ぶりに大好きなとーちゃんに会えるから。 「とーちゃんに会えるぞー!!」 「ほーら。そんなに騒がない!疲れちゃうわよ今から」 「大丈夫だよー!とーちゃんに会えるんだから!」 息子は父に会えることが嬉しくて溜まらず。 一方その父も・・・。 「よっしゃー!明日だー!」 とカレンダーに赤丸というかハートをつけている父。 「・・・家族に会える・・・」 ひとりきりの部屋に 笑い声が響くと思うと嬉しくて。 そしてなにより (かごめに会える・・・。布団はどうするか・・・。 ・・・ひとつでいいか///) などと別に意味で嬉しくて(笑) 「布団、干しとくぞーー!!」 と、夜なのに、布団をベランダに干しちゃったりしました 犬パパです(爆) (ああ早くあしたになあれ、つか、なりやがれ!) 無茶九九茶なお願いを御月様にしながら お布団にリフレッシュっていう消臭剤をシュッッシュと吹きかけてる 何が万事準備オッケイ!な犬君でした・・・。 「やっほう!!いよいよだーーー!!」 アンパンマンのリュックを背負い、準備オッケイな満。 かごめは小雪をぎゅっと抱きしめて バックひとつ。 全員の・・・荷物を持っていくと大変なので、先に宅急便で送ってあります。 「じゃあ行ってきます。かえでおばあちゃん」 「ああ行っといで。犬夜叉のやつ、部屋の中駆け回って喜んでるじゃろう。 あっはっは」 そのとおり。 「宅急便でーす!」 「はい!はい!」 すでにはんこ用意して待ってた犬夜叉。 かごめたちの荷物が入った紙袋が一つ届きました。 犬夜叉はさっそく開封。 「・・・(涙)4ヶ月ぶりだな・・・。みんな」 まだちっこかった満の赤色のアンパンマンイラのトレーナー・・・。 サイズがLになっており・・・ 「短い間にでかくなりなやがって・・・(ぐす)」 若父、息子の成長に男泣き。 その後には小雪のオムツなどが・・・ 「小雪・・・。パンパースからムーニーになったんだな・・・。 むれてねぇかな・・・(涙)」 愛娘のオムツの種類が変わったことに感動し・・・ そして・・・。 犬パパ一番の・・・。 ・・・宅急便v かごめの洋服が出てきて。 「・・・。かごめ・・・あんまり新しい服着てないんだな・・・」 節約しているとは聞いていたが・・・。 洗濯しわの普段着がはいっており・・・かごめの頑張りが伺えて・・・また涙。 家族たちの洋服たちに家族もがんばっていることを感じる犬夜叉・・・。 が。 (///喜) かごめのパジャマの下には・・・ ・・・犬夜叉が一番心待ちにしていた宅急便がvv かごめの下着ちゃん達☆ (・・・あ、淡いクリーム色・・・。ピンクはやめたのか/// それにC〜Dになってるし・・・///) サイズなんかもちゃーんとチェック 犬パパ、鼻息が荒いです(笑) 「ってオレは何をしてんだ!家族の大切な荷物・・・を!」 われに返り、洋服たちを紙袋に丁寧にたたんでしまいました。 「よし!かごめたちが来るまで部屋の中、そーじしとかねぇとな!」 犬夜叉、掃除機をウイイーーンと鳴らして掃除モード全快の犬夜叉。 ちょっと頭の隅にあるのは・・・。 (C〜Dサイズ・・・。またデカクなったか・・・///) なとど思っていたのでした(爆笑) 一方かごめたち。 駅に来ていました。 「人がいっぱいだぁ!」 大興奮の満。 一方かごめは・・・。 (ない・・・。ないわ・・・汗) 買っておいた指定席の切符が・・・ バックの中にない。 バックの中をぐちゃぐちゃにして探すがない・・・。 「?かーちゃんどうしたの?」 「切符がないの・・・。緑色の細長い紙よ」 「あーそれ?」 「あーって・・・。満アンタまさか・・・」 昨日・・・折り紙してた電車は・・・切符だった・・・。 「それ・・・ど、どうしたの?」 「ああ、アレ。すてちった」 「・・・(脱力)」 一人一万以上する切符が・・・ (ええい!ここで脱力してても仕方ないわ! 自由席で行くしかない!) 急いでかごめは切符購入カウンターに行って、 自由席の切符を購入。 (すいてるといいだけど・・・) と願いつつ乗車したが・・・。 自由席の車両を見てみると・・・。 (満席御礼・・・) かごめは小雪をだっこしたまま・・・。 車両と車両の間の通路でたって乗った・・・。 「おー!景色独り占めだぜー!」 と自分がやらかした失敗など気にもせず上機嫌な満に・・・ (こういう鈍感なトコは・・・父親似か・・・ふぅ) ちょっとしたハプニングから始まったかごめたちの旅・・・。 まだまだ始まったばかりです・・・。 一方、犬夜叉の方でも・・・ 「え・・・?仕事」 同僚が急に風邪をひいたので、休日出勤してくれという。 「・・・もうすぐ完成間じかの家・・・」 人手不足でスケジュールを遅らせるわけには行かない・・・ (すまねぇかごめ) 犬夜叉は、掃除機のスイッチを切って メモを書き、郵便受けに入れ、 仕事場へと直行した。 メモには・・・ 『仕事が急に入った。鍵は管理人に言ってあるから もらって部屋にはいってくれ。・・・ごめん。仕事終わったら すぐ帰るから・・・』 と、ドアにメモを貼り付けて・・・。 一方・・・。 「かあちゃん。大丈夫か?オレが小雪だっこしようか?」 ゴトンゴトン・・・。 車両と車両の間で立って乗車しているかごめ。 「大丈夫よ」 だが片手に荷物、片手に小雪。 (・・・こんなとき、とーちゃんだったら・・・) スーパーにいったとき、必ず父は母の荷物を持ってあげていたことを 思い出す満・・・。 「え?ちょ・・・」 「バックはオレがもつ!」 と、満は自分の背丈ほどのある緑のバックを両手でうんせと 持ち上げる。 「おっきなバック持って転んだら・・・」 「転んでも泣かねぇ!電車の中だけでも 持つ・・・!父ちゃんと約束した!母ちゃん助けるって」 「満・・・」 ちっちゃな足二本で踏ん張ってぐっと 持っている・・・ 「オレ、絶対持つから。絶対持って見せるから」 「満・・・」 (知らないところで成長するって本当なんだね・・・) カタン。コトン。 新幹線は超高速スピードで海を渡る・・・ けれど子供の成長はゆっくりゆっくりと 願うかごめだった・・・。 そして海を渡り、新幹線を降りてさらに さらに犬夜叉のいる町へ続く電車に乗る。 「・・・うわぁ・・・。でっけぇ海だ!」 窓に鼻の頭をこすり付けて覗き込む満。 岩を壊すほどに荒波。 白いしぶき。 (こんな大きな海を越えた場所で・・・ 仕事してるんだな・・・) 岩を打ち砕きそうなほどの荒波。 そんな荒海を超えたさらに奥の小さな町で 家族のために頑張る人がいる。 本当は 本当は ・・・家族一緒がいいのに・・・。 厳しい現実が家族引き裂く。 都会の大きな街の大きな会社は 人をまるで節分の豆まきの豆のように あちこち、人を飛ばして、まく。 巻かれた人たちの人生や家族のことも考えず。遠くへ遠くへ・・・。 「鬼わ外ー!福はうちー!今日は父ちゃんに泊まるー!」 「こら!満!車内で騒がないの!」 元気な満。 かごめファミリーを乗せた電車はもう一人の家族元へと 運ぶのだった・・・。 久しぶりの家族全員集合まであと少し・・・。