のだめ小説 「のだめちゃんと千秋君のお正月」
「のだめちゃんと千秋君のお正月」 のだめの頭の中は毎日正月みたいなものだろう。 オレがそばに置いている女の頭の中の世界をどう表現すればよいのやら。 「せ・ん・ぱ・いv」 元旦の朝。 大晦日まで今度のリサイタルの調整をしていたオレを 疲労の限界突破だったオレを 容赦なく遠慮なしに 起こすのはアイツしかいない。 「・・・おはようございます」 三つ指突いて振袖姿ののだめが そこにいた。 ・・・。 眠い。 「早く起きてください。のだめと先輩の愛の年の始まりです」 「とっとと終わってくれ。眠いんだ(汗)」 オレはシーツを被り、再び目を閉じた。 愛の始まりより 今はとにかく眠りたい。 「先輩!!目を覚ましてください!! これをすれば目を冷めますよ!!」 とシーツをオレから奪いさり、代わりにオレの手に掴ませたのは・・・。 ・・・帯。 「・・・何をさせようとしてる?(汗)」 「ほら。だって・・・。振袖と言ったら恒例の・・・。ね? 愛の「あーれ〜」です。うふv」 ・・・。 ・・・。 「・・・。ふ。わかった。そこまでいうなら 徹底的にやってやる」 「きゃああああV先輩ったら大胆すぎますぅううvvv」 眠い。 オレ様の眠りを妨げる奴は・・・ 「永遠に帯に巻かれて静かにしてろーーー!!」 「ぎゃあああ!先輩、違いますーーー!!」 絨毯にニンゲンを包むように 部屋の隅に帯で簀巻き状にした。 ふう。これでしばらくは静かに眠れそうだ。 「先輩ったら・・・。照れ屋さんなんだからv昨晩はあんなに・・・」 「何もないない(汗)徹夜で新年明けのコンサートの準備してたんだよ。 なので寝る!!もう起こすなよ!!」 「・・・はぁい(寂)」 ・・・ちょっと厳しすぎたか。 だがオレは本当に眠いんだ。 「でも先輩・・・。元日くらい・・・。 音楽から離れてもいいんじゃないかな」 「え?」 簀巻き状ののだめが真顔になる。 「先輩は無理しすぎるから・・・。たまには 音楽から離れた方が刺激になりますよ?」 「・・・お前みたいに何でも楽しくってタイプじゃないんだよ。 オレは」 「楽しく・・・じゃなくて”ラクに”です。 肩の力を抜いて。眠るのは夜でもできますし」 「・・・。あのな(汗)」 「・・・だから・・・。他のことで楽しめばいいんです」 「・・・他のことって・・・。何だよ?怪しいことじゃないだろうな(汗)」 「違いますよー。ほらお正月といえば・・・。 独楽に、福笑、すごろく・・・」 着物の中から色んな道具が出てくる どこに入ってんだか(汗) 「ね?ちょっとだけでいいから・・・。遊びましょうよ。 一年の始まりは笑顔でいきましょう」 「・・・」 寝正月にしようと思っていたのに。 いつからコイツの笑顔に逆らえなくなったんだろうか。 仕方ない。 多少は相手しておかないと、正月中、つきまとわれそうだしな。 と。 始まったわけだが。 「きゃあああ♪先輩!!今、ずるしましたね!? なんですぐゴールしちゃうんですか!つまんない男たいね!」 「してないだろ!!オレはルール守って さいころ投げただけだ!」 知らん。すごろくなんて やったことないし。 けど福笑はウケた。 「ぶはははははは。似てる似てる。お前。鏡ここにあるぞ」 「・・・失敬な!ふふ。でもー・・・。タオルで目隠しした 先輩の写真が・・・GET!!」 「お前、何企んだーーーー!!」 ・・・結局それか(汗) あとは独楽回したり。 「ヘタクソですね。先輩。器用なのは音楽と夜のラブラブだけですかv」 「・・・(汗)妙な言い方すんな。ふんッ!!」 嗚呼もう楽しいのか 楽しくないのかさえ分からん。 凧揚げは・・・ 「わぁああ!!直ぐ下ろせーーー!!」 盗撮したオレの写真特大版の凧が空に舞っていた。 すぐさま撤収したが(汗) そんなこんなで。 2007年の元旦は終わった。 「はー・・・。楽しい元日でしたね・・・v」 「疲れた・・・(汗)」 満足そうに 雑煮をほおばるのだめ。 やっぱり寝正月がよかった・・・。 疲労が ただたまった・・・。 でも・・・。 「・・・先輩」 「なんだ」 「今年もヨロシクお願いしますね。のだめは 先輩が元気じゃないと駄目なんです」 「・・・(汗)元気さと変態さじゃお前に勝る人間はいないだろ(汗) ふぅ・・・」 コイツはきっと一生変わらないのだろうな。 いや・・・まぁ・・・。 変わって欲しくは無い。 オレがオレであるためにた多分コイツが・・・ (・・・必要なんだ) 「え?何か言いましたか?」 「いいや(汗)明けましておめでとうって言っただけだ」 「ハイ!どーんとお任せください!!うふふーvv」 暑苦しく腕を絡めてくる。 でもコイツが隣居るから オレもオレらしくいられる。 それは確かで・・・ 「のだめ」 くしゃっとのだめの頭を撫でてやる・・・ 「何ですか?」 「・・今年も・・・。一緒に頑張ろうな」 「ハイ!!音楽も先輩との愛、一直線に頑張ります!」 「そこそこで頼みます(汗)」 とにかくまぁ・・・ コイツの笑顔が絶え間なければそれでいい。 あ、けど神様これだけは・・・。 (少しだけフウツレベルの人間に・・・(切実)) 2007年。 こうして(騒がしく)オレ達の新しい年が始まった・・・。