シャイン 〜みんな輝いてる〜
第24話 そのままの貴方がいいのに・・・ 「光ちゃん。ありがとう〜。んーさっぱりした」 近所のコンビニの奥さん・晴子おばさん。 商店街一の倹約家で散髪代が格安だと光の元へ最近 ちょくちょく来てくれる様になった。 「それにしても光ちゃんはホントにいい子だよねぇ」 「え?何がです?」 光は晴子襟もとをタオルで拭く。 「倒れたお母さんの介抱しながらここで働いて・・・。 うちの娘にみせてやりたいね」 「・・・そ、そこまで言わなくても・・・(汗)」 「あはは。可愛いね。光ちゃんは・・・。 うちの娘もむすっとした顔ばかりで」 誉められているらしいが何だか深刻な空気を感じる光。 人の顔の動きや目の動き。 敏感に感じ取ってしまう癖は治らないのかと苦笑する光。 光の勘が当たったのか・・・ 笑顔が消えた。 晴子は鏡の映る光の顔をじっと見つめる・・・。 「・・・光ちゃん・・・。そのあの・・・ 光ちゃんは・・・その・・・。整形・・・とかって考えたことある・・・?」 「え・・・?」 突然の質問にブラシングする光の手が止まった。 「あ、ごごごごめんなさい。気を悪くしないで。 あの・・・。実はね娘が・・・」 「・・・娘さんが・・・?」 ”こんな顔で生きていけない。私整形したいの!” 「なんてことぬかすから私、金稼げるようになってから いいなっていって突っ放したんだ」 「・・・」 光は毛先をカットしながら話を聞く。 晴子の話によると娘の翔子が学校で男子に ”だんごっぱな”とちょっとからかわれたことを きっかけに異常なほどまでに外見に拘るようになった。 お小遣いは全て高い化粧品に消えたり、ダイエット用品に消えたり・・・。 バイト禁止の晴子の家では、翔子が勝手に家の貯金を使ってしまうという 事件までおきているという・・・。 「そりゃあね。娘はお洒落したい年頃だろうよ・・・。でも それなりに化粧すれば可愛くなるんだ。なにも整形なんてしなくても いいと想わないかい?」 「・・・そう・・・ですね」 光に向かって”整形”の話をする晴子。 光は晴子は悪気がなくて話す相手がいないことを知っているから ただ黙って聞いているが正直、返答に困る。 「・・・絶対に許さない・・・。親からもらった顔に メスいれるなんて・・・」 「・・・でも・・・。容姿で悩んで・・・。いじめられたりとか はしてませんか?」 「え?いや、それはない。私も深刻な原因があるんじゃないかって 学校の先生に聞いたけどいじめなんていうのはないって・・・」 「そうですか・・・」 容姿のことで散々な学生時代を送った光。 整形の是非は分からないが、形を変えて見返してやりたいという 気持ちは分からなくもなかった。 「・・・あ、ごめんなさい・・・。光ちゃん、何か嫌なこと思い出せちゃった・・・?」 「いえ・・・。でも晴子さんとりあえず、娘さんともう一度 じっくり話された方がいいと思いますよ」 「・・・そうだわね・・・。ごめんなさいね。光ちゃん。 つまらない話きかせて・・・」 「い、いえ・・・」 「光ちゃんは・・・強い女の子だわ・・・」 晴子は光の頭をそっと撫でて・・・ 少し哀しげに笑って帰っていった・・・。 (・・・晴子さん。私は強くなんか・・・ないですよ) 美容室のソファに置いてあるヘアデザインやファッション雑誌。 見るたびに自分とは無縁の世界だと思ってしまう。 けれど沢山の女性がファッション雑誌などをお手本に お洒落をする。 磨きをかける。 (・・・私には・・・できない) 光の家には今でもどこから住所を探し当てたのか 怪しげな美容整形を謳った勧誘の電話がたまにある。 ”どんな顔の傷も最新の医療機器で全て消え去ります” そんな謳い文句で。 テレビをつければ、人様の顔をいじくって 有名人がなんだかんだとコメントをする番組があったり。 女性のデリケートな心をネタにしたような情報が氾濫し 女性が混乱する ”顔形がよければ人生全てが勝てる” 女性の心に植えつけられる観念。 女性だけじゃない男の心にも同じように植え付けれる。 「・・・。綺麗になりたいキモチは・・・分かるけど・・・。 混乱させないでほしい・・・」 美人・二枚目 どんなに努力しても生まれ持った美人や二枚目には勝てない。 雑誌に映る人達にはなれない (・・・辛いな・・・。なんか・・・) 綺麗になりたいかっこよくなりたい 誰もが思う気持ち。 世の中全員の価値観が変われば 楽になるのに・・・ 光は雑誌をとんとんと整えて一つ、深いため息をついたのだった・・・。 その夜。 晴子の家では 娘の翔子と晴子が大声で怒鳴りあいをしていた。 「アンタ・・・。親の貯金かってにまたおろしたのね!?」 「仕方ないじゃん・・・!!高校生のバイトで100万貯めるの無理だモン」 「何に使ったの!??また・・・また整形とか言うんじゃないだろうね!??」 「知らない!!」 二階へ上がろうとする翔子を遮る晴子。 「つかったのね・・・!?」 「前金50万必要だったんだもん!!来週手術だから」 「・・・そんな・・・!!親の承諾もなしで受けられる病院なの!?? ・・・!まさかアンタ、勝手にハンコ・・・」 「・・・。ママに言っても絶対許してくれないでしょ」 パシッ!! 晴子の平手が翔子の頬に強く打たれた。 「いい加減にしなさい・・・。親のお金勝手に使って・・・。 勝手に手術だなんて・・・!!」 「じゃあママに相談してたら許してくれたの!?」 「許すはずないでしょう!?親から貰った顔にメスいれるなんて もし何かあったらどうするの!?」 「親から貰った顔って・・・。これは私の顔よ!! 私の思うとおりにして何が悪いの!!」 女二人、 階段で大声を上げる。 感情のぶつけ合い。 近所にも筒抜けで・・・。 「翔子・・・翔子は充分可愛いじゃないの・・・。 気になる部分があるならお化粧でカバーすればいいじゃない・・・」 「化粧ぐらいじゃ駄目なの!!鼻をモット高くして・・・。 瞼も二重にしなくちゃ理想の顔にならない」 「そんな・・・。アンタはモデルじゃないのよ!? 無理なことしなくても・・・」 「変わりたいの!!モデルぐらいに綺麗になって 見返したいの!!ママには分かんない・・・。私のあだな知ってる・・・? 学校で・・・」 ”丸鼻のブーコ” 「男子達だけじゃなくて女子たちまで・・・ みんなに言われるんだよ・・・?私・・・自分の顔を呪った・・・。 もっと鼻が高ければ・・・もっと二重なら・・・」 「・・・いいたい奴には言わせておけばいい・・・。 翔子。アンタはママの自慢の娘なの・・・。小さい頃は ママ似だって言われて・・・。なのになのに・・・」 ”かわいい子だね・・・お母さん似で美人になるよ・・・” 自慢の娘。 最愛の娘。 自分の分身だと思ってきたのに・・・。 「・・・ママのせいだよ」 「え?」 「私がママ似なら・・・ママが”そんな”顔だったから 私もこんな顔になったじゃないの!!ママが醜いから 私までこうなったのよ!!」 バシイィン!! ドタタタタ・・・!! 翔子はぶたれた拍子に階段から落ちた。 「・・・翔子・・・っ」 はっと我に返った晴子は翔子に駆け寄る。 「ほっといて・・・!!」 「翔子・・・!!」 「ママなんかだいっきらい!!!」 「翔子・・・ッ!!!」 バタン・・・ッ!!! 翔子は裸足のまま家を飛び出した・・・ 「翔子・・・ッ」 ”ママなんかだいっきらい!!” ”ママが醜いから・・・こんな私になったんじゃない・・・!!” 玄関にかかる硝子・・・ 自分の顔を見つめる晴子・・・。 (・・・二重あごで・・・シミだらけで・・・。 こんな顔だったんだ・・・私は・・・) 子供の頃から以上に容姿に拘る翔子だったが それでも 心は繋がっていと思っていた。 (・・・私のせいなの・・・?私がもっと綺麗だったら・・・) 玄関に履き捨てられた翔子のスニーカーを・・・。 ぎゅっと抱きしめる晴子だった・・・。 「・・・うぅ・・・」 裸足のまま・・・。夜道を泣き歩く翔子・・・。 色んな感情が爆発してしまって・・・ 「ん?」 玄関の鍵をしめようとしていた光。 泣きながら歩く翔子に気づいた。 「・・・な、ど、どうしたの!?」 光は駆け寄って翔子に尋ねた。 「・・・」 翔子は俯いたままで・・・ (確か・・・この子、晴子さんの娘さん・・・) 「・・・と、とにかく家に入ろう。裸足のまんまじゃ 冷たいだろう・・・?ね?」 光に促されるまま光の家に入る翔子・・・。 「はい・・・温まるよ・・・」 ほっと珈琲を差し出す光・・・。 翔子は俯いたまま何も話さず・・・。 (何があったんだろう・・・。裸足で歩いてたなんて・・・) ”娘と言い争うことが多くて・・・。整形したがってるの” 晴子の言葉を思い出す光・・・。 もしかしたら親子喧嘩をして家を飛び出してきたのかと 察した・・・。 「・・・。と、とりあえず、お母さんに連絡しておかないとね」 「やめて!!」 「え?」 「・・・今は・・・。会いたくないの・・・。お願い・・・」 急に泣き出す翔子・・・ (・・・根深いみたいだな・・・) 光はそっと背中をさすって・・・ ハンカチで涙を拭った・・・。 「あの・・・。もし・・・よかったら話して・・・みる・・・?」 「・・・」 翔子はチラッと光の顔を見た。 ”横山さんちの光ちゃんは気立てはいいけど 可哀想よねぇ。あの顔じゃあ・・・” そんな噂話を思い出した翔子。 (・・・この人は・・・顔のことで・・・悩んでないのかな・・・) 「・・・あの・・・。横山さんは・・・。整形って・・・ やっぱり・・・いけないことだって・・・思いますか・・・?」 「・・・」 やっぱりか・・・と光は思った。親子喧嘩の原因が・・・。 「・・・そうだな・・・。ご覧のとおり・・・私は こんな顔で・・・顔のこと気にならない日はないな・・・」 「・・・」 翔子はちょっとまずい質問だったかと後悔した。 「・・・今でも家に”最新レーザー治療でどんな 傷も消えます”なんて電話がかかってくるし・・・」 「・・・」 「・・・世の中の人間がみんな私のこと・・・ 見たら吐くんじゃないかって・・・外に出られないこともあったよ」 「・・・」 光のリアルな体験に翔子はちょっと引いてしまった。 「・・・あ、ごめん。ちょっと鬱陶しい話だったね」 翔子は首をぶんぶんと横に振った。 「・・・でも・・・私は今のままでいいって思えるようになった」 「・・・どうしてですか?」 「・・・。疲れたんだ」 「疲れた・・・?」 光は深く深く頷いた。 「・・・そりゃ顔が・・・綺麗になれば・・・って 今でも思うよ・・・。でも・・・それに固執することに・・・疲れちゃったんだ」 「・・・」 「前向きなんて言えない・・・。疲れただけ・・・。 でも疲れてよかったって思ってる・・・。どん底まで 行って・・・少しだけ見えてきた」 「・・・何が・・・?」 光はごくりと珈琲を一口飲んで 少し間をおいてから話す・・・。 「全部・・・顔のせいにしてただけなんだ・・・て・・・」 「・・・」 「毎日毎日・・・。鏡を見て泣いてても・・・ 時間が過ぎていくだけ・・・。美味しいものを食べて 面白いテレビ見て・・・笑ってる方がずっと楽だって気がついたんだ」 「・・・」 「・・・まぁ・・・要するに逃げただけかもしれないけど・・・」 光が泣いた日々。 どんなことを言われたのだろう ”どん底”ってどのくらいなのだろう 翔子は想像がつかなかった。 「・・・ごめん。ベラベラ話しすぎた・・・。 私の身の上話なんて・・・」 「・・・。私・・・でもやっぱり・・・。綺麗になりたいんです・・・。 外見だけ変えても性格が全部変わるわけじゃない、分かってる。 でも・・・でもやっぱり私は綺麗になりたい・・・」 「・・・」 ”人間は外見じゃない中身だよ” 大人の理屈だけでは 思春期の少女のこだわりは変えられない。 世の中綺麗なもの、形のいいものが優遇される現実が溢れ そして女の子達を餌にした商売まで横行している。 流行の純愛映画もドラマも 綺麗どころの俳優がやるから絵になるんだ、 綺麗じゃない女優志望の女性は結局、三枚目役としてしか 使われない。 スポーツ選手も綺麗所な選手だけ取り上げられて。 そんな事実を並べられたら、大人の理屈は木っ端微塵に飛んでいくだろう。 「でも私・・・。ママに酷いこと言った・・・。 ”ママが美人じゃないから”って・・・ママを馬鹿にした・・・」 「翔子ちゃん・・・」 「こんな私・・・。例え手術して綺麗になっても・・・。 心は綺麗になれないよね・・・ううっ・・・」 (・・・この子は大丈夫だ・・・) 母に暴言を吐いたと 泣くほどに後悔する心があるなら・・・ 何をしても・・・ 「・・・じゃあとりあえず・・・。”お母さんとじっくり話す”こと から始めようか・・・」 「え・・・?」 「・・・翔子ちゃんが・・・どうしても手術したいって 譲れないなら・・・ちゃんと翔子ちゃんの言葉と心で 説明しなくちゃ・・・」 光はそっと翔子の手を握った。 「・・・説明・・・。で、でもママは絶対に許してくれない・・・」 「許してくれるまで待つんだ・・・。じっくり話し合って・・・」 「・・・でも・・」 俯く翔子。 ”親からもらった顔にメスいれるなんて!” 頑なな価値観を変えられるか・・・。自信がない・・・。 「・・・お母さんだって・・・心がある。翔子ちゃんとは違う心をもった 人間だ・・・。じっくり聞かなくちゃ・・・。聞いて話して・・・。そういう心の作業 を・・・翔子ちゃんも努力しなくちゃ駄目だ・・・」 (心の・・・作業・・・) 「病院は逃げるわけじゃなし・・・。ね・・・? 焦ること・・・ないから・・・」 「・・・」 てっきり翔子は光に否定されるかと思った。 大人に何を言っても、”けしからん”としか言われないと・・・。 「・・・長話になったな・・・。ほら、珈琲飲んで・・・? ゆっくりしよう」 翔子はこくんと頷いてカップの珈琲を一口飲んだ・・・ 「ふぅぁ・・・」 冷え切った足先に 珈琲の香りが伝わっていく。 ”拘ってることに疲れたんだ・・・” 少しだけ・・・ 光の言葉が分かった気がする・・・。 凝り固まっていたものから 少しだけ離れてみる・・・ 楽になる・・・ 客観的に見る余裕が出来る・・・。 それから30分ほどして・・・。泣きつかれたのか翔子は眠ってしまった。 光は晴子に電話を入れ・・・おんぶして 家まで翔子を連れて行った・・・ 「・・・光ちゃん。ごめんなさい・・・迷惑かけて・・・」 「いえ・・・」 翔子をそっとベットに寝かせる。 「・・・よかった・・・。翔子ちゃんほっとしたんだな・・・」 ベットに寝かされ・・・静かに寝息をたてる・・・ 「・・・晴子さん・・。私も整形については・・・否定的な 意見です。でも・・・。翔子ちゃんを責めないであげてくれませんか・・・?」 「・・・」 「・・・。顔形のことで・・・いじめられたりすると・・・ 本当に辛いんです・・・。自分じゃどうしようもないことなのに・・・ 悪いのは・・・翔子ちゃんじゃない・・・」 「・・・」 ”ママに分かる分けない!学校でどんな思いしてるか・・・” 「・・・ってあ、偉そうにごめんなさい。でも・・・ 翔子ちゃんいい子です・・・」 「え・・・?」 ”ママごめんなさい・・・ママごめんなさい・・・” 寝言で何度もそう呟いた・・・ 「翔子が・・・」 「はい・・・。本当は晴子さんのこと・・・。大好きなんだと 思います・・・。だから・・・家に帰られずにいて・・・」 「・・・」 「形を変えても変えなくても・・・。心は変わらない・・・。 心に持ってる優しい気持ちは変わらない・・・」 形を変えても変えなくても 魂は変わらない 心が魂が・・・。変わっていくのは・・・色んな経験をして 色んなことを乗り越えたときだから・・・。 「すみません。本当に偉そうにべらべらと・・・」 光は申し訳なさそうに会釈して謝った。 「ううん・・・。ありがとう。光ちゃん・・・。私も・・・。 少し翔子の心・・・見つめてみる・・・」 光はにこっと笑って帰っていった・・・。 「翔子・・・」 娘の寝顔・・・。 じっくり見るのは久しぶりだ・・・。 (アンタが・・・学校で辛い思いしてることも知らなかったわ・・・) 大人の理屈を押し付けるだけでは 子供の心のドアはノックできない。 どんな結論が出るにせよ 徹底的に話し合う向き合う大人が 大人も心の余裕が必要・・・ 「・・・。今度の休み・・・。パパと3人で話・・・聞くから・・・。 アンタの話をちゃんと・・・」 翔子の前髪をそっとすくう晴子だった・・・。 (・・・かなり・・・偉そうなこといいまくったかな・・・) 家に帰った光。 自分が晴子や翔子に言ったことになんだか自信がもてなくなっていた。 (・・・所詮私は第三者・・・。私の価値観なんて・・・たいしたことでもないのに・・・) ベットに寝転がる。 評論家ぶってはいなかったか。 ただ・・・ 翔子と晴子が喧嘩したままにだけは なってほしくなかった。 (整形云々ってことだけで・・・親子がバラバラになるなんて・・・) こじれた親子の絆は手術じゃ治らない。 「・・・。一恵の本か・・・」 机の上にいつか一恵が光に持ってきたファッション雑誌の本。 (・・・いらん・・・。情報に左右されたくないよ・・・) バサ! 本をゴミ箱に入れる光。 (・・・私はこれでいいんだ・・・。私は私で・・・) 鏡をちらっと見る光・・・。 直視できなかったこともあった。 でも・・・ (・・・嫌いじゃないよ・・・。光・・・) 鏡の中の自分にそう呟いて・・・ 光は眠った・・・ ・・・美容院にあった雑誌はファッション雑誌や週刊誌から 小説に光は変えた。 そして晴子親子はじっくり何度も何度も 話し合って・・・ 『とりあず今は・・・話し合いを続けながらも ”費用”を自分で貯めてみる』 ということになったという。 ”貴方は貴方のままでいいのに” 世の中の価値観の基準にその言葉が なればいいのに・・・と光は思ったのだった・・・。