教行信証
〈真実功徳相〉とは、

〈真実功徳相〉とは、二種の功徳あり。一つには有漏の心より生じて法性に順ぜず。いはゆる凡夫、人・天の諸善、人・天の果報、もしは因もしは果、みなこれ顛倒(てんどう)
す、みなこれ虚偽なり。このゆゑに不実の功徳と名づく。
→参照 P158 段落4

二つには菩薩の智慧清浄の業より起りて仏事を荘厳す。法性によりて清浄の相に入れり。この法顛倒せず、虚偽ならず、真実の功徳と名づく。いかんが顛倒せざる、法性により二諦に順ずるがゆゑに。いかんが虚偽ならざる、衆生を摂して畢竟浄に入るるがゆゑなり。