カクテルバーへ、ようこそ♪

Ｈ：あぁ〜！最近、仕事が急がしぃてクタクタやなぁ〜！

　　全く・・・たまにはリフレッシュしたいっちゅうねん！！

　　・・・おっ！こんな所に、カクテルバーがあるやん！

　　毎日、仕事帰りに通る道なのになぁ〜・・・知らんかったとは、不覚やなぁ〜！ちょっと入ってみよか♪

Ｂ：いらっしゃいませっ！



Ｈ：おぉ〜流石はカクテルバーやねぇ〜！なんか、いかした大人の雰囲気って感じと違うのん！？



Ｂ：御注文は、何にしましょうか？



Ｈ：じゃぁ〜、今日はちょっと背伸びした気分で・・・バーボンをロックで！



Ｂ：かしこまりましたっ！

Ｈ：良くねぇ〜よ！馬鹿野郎っ！！



Ｂ：・・・えっ？



Ｈ：俺が注文したのはバーボンのロック！！

　　それは、バカボンのロックやないかいっ！！



Ｂ：・・あっ！これは私、勘違いも甚だしい！



Ｈ：もぉ〜・・・ほな、バーボンはええから何かお勧めのカクテルは無いのん？



Ｂ：はいはい！お勧めのカクテルですね！かしこまりましたっ！！



Ｈ：アンタ、さっきからそこだけは元気ええねぇ〜・・・



Ｂ：それではですねぇ〜・・・シェーカーの中にマグネシウムと塩酸と二酸化マンガンを入れまして・・・



Ｈ：おいおいっ！お前、なんで楽しい化学実験してるねん！？



Ｂ：それを一気にシェイク！シェイクッ！！



Ｈ：振るなぁ〜っ！危ないから止めろぉ〜っ！！



Ｂ：・・・おりょっ？なにやら不思議な泡立ちが・・・炭酸！？



Ｈ：違ぁ〜うっ！！明らかに化学反応やって！！



Ｂ：まぁ〜良いかっ！グラスに注いじゃえっ♪



Ｈ：注ぐなぁ〜っ！むしろビーカーかフラスコに注げぇ〜っ！！



Ｂ：お客様、さぁ〜どうぞっ♪



Ｈ：飲めるかぁ〜っ！！



Ｂ：では、あちらのお客さまへっ！(シャァ〜ッ！！)



Ｈ：こらこらっ！そんな迷惑な物を他所様の方へ飛ばすなっ！！



Ｂ：こちらのお客様からでございますっ♪



Ｈ：俺の所為かいっ！！



Ｂ：おっ！あちらのお客様、喜びで肩を震わせてらっしゃいますよ♪



Ｈ：アホかっ！ありゃ明らかにビックリしてるねん！！

　　どうも、すいませんねぇ〜！そんな危険な液体は捨てちゃって下さい！ポイッと！！

　　・・・って、おいおい！今まで気が付かへんかったけど、あちらのお客さん・・・めっちゃ綺麗やん！！

　　なぁなぁ、マスター！あちらの女性は・・・お一人で御来店なん？



Ｂ：そうみたいですねぇ〜・・・先程から、お一人で飲んでらっしゃいますよ！



Ｈ：マジでぇ〜っ！！！

　　どないしょぉ〜！思わぬ所でチャンス到来やん！！声掛けて、お近付きになりたいなぁ〜！！

　　・・・そうやっ！ちょっと、マスター！！



Ｂ：なんでございましょうか！？



Ｈ：あちらの女性を、何か素敵なカクテルで持て成したげてっ！！



Ｂ：かしこまりましたっ！！



Ｈ：おぉ〜、一段と大きな声やねぇ〜！！



Ｂ：では、改めて先程のカクテルを・・・



Ｈ：それはアカァ〜ンッ！！



Ｂ：・・・ダメですか！？



Ｈ：そんな疑惑の液体は作らんでもええから！もっと、ちゃんとした飲める物を差し上げてっ！！



Ｂ：・・・飲める物差しを上げて！？



Ｈ：訳の分からん事を言うなっ！飲み物を差し上げろと言うてるねん！ボケェ〜ッ！！



Ｂ：かしこまりましたっ！！



Ｈ：返事だけは一人前やで全く・・・



Ｂ：ではですねぇ〜、シャンパンを取り出しまして・・・



Ｈ：おおっ！オーソドックスやけど、確かな物を出してきたがな！！



Ｂ：いつも以上に激しくシェイク！シェイクッ！！



Ｈ：おいおい！そんなに激しく振ったら・・・



Ｂ：それでは、炭酸が臨界点に達した所でぇ〜・・・



Ｈ：あぁ〜！大体、見当付くから止めてぇ〜っ！！



Ｂ：彼女に向かって発射ぁ〜っ！！



Ｈ：あぁ〜っ！！やっぱり、やりやがったぁ〜っ！！

Ｂ：当たぁ〜りぃ〜！！



Ｈ：当てるなぁ〜っ！せめて狙いを外せ！馬鹿者がっ！！



Ｂ：ほらほら！彼女、こっちを見てますよ♪



Ｈ：明らかに、にらんでるやないかいっ！！



Ｂ：こちらのお客様からでございまぁ〜す♪



Ｈ：また俺の所為かいっ！！



Ｂ：続け様に、パイナップルをシェイク！！



Ｈ：・・・ん？パイナップルって事は・・・フルーツカクテルかいな！？



Ｂ：いえいえ！通称『パイナップル』と言う名の爆発物ですけど・・・



Ｈ：それ、手榴弾やないかいっ！！



Ｂ：おもむろにピンを抜いて、シェイク！シェイクッ！！



Ｈ：ふざけんな！このテロリストッ！！



Ｂ：頃合を見計らってぇ〜・・・・・・・・・投石っ！！



Ｈ：あぁ〜っ！！バカァ〜ッ！！！！

Ｂ：隊長っ！命中しましたっ！！



Ｈ：誰が隊長じゃっ！この大馬鹿者がっ！！



Ｂ：見て下さい！彼女、真っ黒焦げですよ！！



Ｈ：お前が手榴弾なんか投石したからやないかいっ！！



Ｂ：・・・あっ！しかも、上からタライがっ！！



Ｈ：ドリフのコントやってんのかいっ！！

Ｂ：大ぉ〜当ぁ〜りぃ〜♪



Ｈ：ダメだこりゃっ！・・・って言うてる場合かっ！！



Ｂ：全て、こちらのお客様からでございまぁ〜す♪



Ｈ：違ぁ〜うっ！全部、俺の所為にすんなぁ〜っ！！



Ｂ：・・・ありゃりゃっ？彼女、席を立って何処かに行っちゃいますよ！？



Ｈ：怒って帰ってもうたやないかいっ！！ドアホォ〜ッ！！



Ｂ：・・・いずこへ！？



Ｈ：チャーリー浜ってる場合かっ！！



Ｂ：あぁ〜・・・結局、帰っちゃいましたよぉ〜！



Ｈ：当たり前やっ！全く・・・折角の出会いを爆破しやがって！



Ｂ：まぁ、この度は縁が無かったと言う事で・・・



Ｈ：ふざけんなっ！やってられへんから、俺も帰るぞっ！！



Ｂ：あのぉ〜・・・お客様！



Ｈ：なんや！？なんぼ引き止めても、俺は帰るぞ！！



Ｂ：いえ、帰るのは結構なんですけど・・・代金を・・・



Ｈ：なんで払わなあかんねん！俺、何も飲んでないやんけ！！



Ｂ：いえいえ！お客様は私に・・・

　　煮え湯を飲まされておりますっ！！



Ｈ：ええ加減にせいっ！！