Bit君と鏡の恋物語♪
B:先日ねぇ〜、100円ショップに行ってきたんですよ!
H:へぇ〜、なんか良い物は見付かったんかいな?
B:そこでちょっと、素敵な鏡を見付けたんですよ!
H:ほぉ〜っ、そりゃ良かったやん!
B:その鏡は、スポットライトを浴びて美しく輝いてましてね!
H:それは、ただ単に光が反射してただけなんと違うのん?
B:僕には、そんな鏡がとっても眩しい存在でしたわ!
H:そら、眩しいやろねぇ〜・・・光が反射したら!
B:僕はその時、運命的な出会いを感じましたね!!
H:たかが100円の鏡やろ!?そんなもん感じるなよぉ〜!!
B:僕は、その鏡を手に取り100円を握り締めてレジへと向かいましたわ!!
H:ありゃま!えらい簡単に買う気になったもんやねぇ〜!!
B:レジに居るお姉さんに100円を手渡し、僕はこう言いましたわ!
『この鏡・・・いや!彼女を僕に下さいっ!!』
H:おいおい!鏡が彼女になってもうたで!!
B:するとレジのお姉さんは、優しく微笑みながらこう言うんですわ!
H:さぁ〜、この困ったお客にどんな返しをしたんやろ!?
B:『すいません・・・5円足りないんですけど!』
H:消費税が要るんかいっ!!
B:仕方なく105円を払い、彼女を購入し・・・
H:まぁ、しゃぁ〜ないわなぁ〜・・・どしても欲しかったんやからね!
B:急ぎ足で家に持って帰り、テーブルの上に彼女をそっと腰掛けさせたんですわ!!
H:まぁ、テーブルに鏡を置いただけの事やけどね!
B:さぁ〜、彼女と僕の同棲生活のスタートですわ!
H:いやいや!それは同棲って言わんぞ!Bit君よっ!!
B:それからの毎日は、それはもぉ〜楽しかったね!!
H:お前ぐらいやで・・・鏡と一緒の生活が楽しいのは!!
B:僕は、ひたすら彼女を見つめ続けましたわ!!
H:それって、傍から見たら只のナルシストやん!!
B:そして、2週間の楽しい日々があっと言う間に過ぎ・・・
H:えっ?2週間も鏡を見つめ続けてたん!?気持ち悪い奴やなぁ〜!!
B:ふと彼女を改めて見直すと・・・
H:単なる鏡やって、気が付いたんかいな!?
B:・・・彼女は汚れてましたわ!!
H:なんじゃそりゃっ!!そろそろ、目を覚ませよ!オォ〜イッ!!
B:彼女は・・・都会の空気で薄汚れてしまいましたわ!!
H:いやいや!それはきっと、お前の手垢で汚れたんやで!!
B:僕は彼女を磨きましたわ!!
H:まぁ、汚れぐらいは取ってあげんとね!
B:一生懸命に磨きましたわ!!
H:そないに必死で磨かんでも・・・
B:何度も何度も磨きましたわ!!
H:だからぁ〜・・・そんなに磨き過ぎたらやねぇ〜・・・
B:3日3晩、磨き続けましたわ!!
H:結果はもぉ〜・・・一目瞭然でしょ!?
B:彼女は・・・傷付いてましたわ!!
H:磨き過ぎやって!お前自身の手でボロボロにしてるやん!!
B:僕の事など映らない程に傷ついてましたわ!!
H:そないにボロボロになるまで磨いたんかいっ!!やり過ぎにも程ってもんがあるわっ!!
B:彼女が・・・彼女が映し出す者は、もう僕じゃないんや!!
H:いやいや!ボロボロ過ぎて何にも映らんって!!
B:そう悟った僕は、彼女に別れを切り出しましたわ!!
H:この広い世界でお前ぐらいやで!鏡に別れ話を切り出すのは!!
B:彼女は・・・何も言わずに黙ってましたわ!!
H:当たり前やがな!鏡が喋るかいっ!!
B:そして僕は、玄関を出てすぐの電柱の所まで・・・彼女を送って行きましたわ!!
H:玄関を出てすぐの電柱って・・・ゴミ捨て場やん!!
B:そこで近所のオバチャンにバッタリ出会ったんですわ!
H:ありゃま!変な時に会ったもんやなぁ〜!!
B:僕は、事の一部始終をオバチャンに話しましたわ!!
H:そんな、恥ずかしい話を他所様にすんなよぉ〜!!
B:オバチャンは、優しく微笑みながら僕にこう言いました!!
H:何って言われたん?
B:『今日は、燃えないゴミの日じゃないわよ!!』
H:そう言う問題でも無いやろぉ〜!!そのオバチャンも、ちょっとおかしいで!!
B:燃えへんのやないっ!彼女は・・・燃え尽きたんや!!
H:アホかっ!!お前がボロボロにしたんやないかいっ!!
B:それから、数日して・・・僕はまた彼女に出会った100円ショップに行きましたわ!
H:まぁねぇ〜、新しい鏡も買わんとアカンしね!
B:すると、どうやろ!そこには、彼女にソックリの鏡が居るやないかいな!!
H:そらナンボでもあるって!あんな物は大量生産やもん!!
B:これは・・・運命の導きかいな!?
H:だからぁ〜、同じ物はナンボでもあるねんって!!
B:僕は、そのソックリの鏡と100円を握り締めレジへと差し出しましたわ!!
H:結局、同じ鏡を買ったんかいな!?
B:すると、レジのお姉さんに言われましたわ!
『すいません・・・5円足りないんですけど!』
H:また、消費税を忘れたんかいっ!!
B:僕は新しい彼女を急いで家に持ち帰り、またテーブルの上に彼女をそっと腰掛けさせましたわ!!
H:前のと同じ様に扱うんやねぇ〜・・・
B:前の彼女と違ったのは・・・Hit君に紹介した事ですわ!!
H:あぁ〜!はいはい!!昨日、君の家に遊びに行った時にあった鏡やね!!
B:すると、どうやろ!僕の彼女は・・・Hit君だけを映し出してるやないかいな!!
H:まぁ〜ねぇ〜!ヘアスタイルが気になったんで、ちょっと鏡で見させてもらったし!!
B:2人の生活は始まったばかりやと言うのに・・・浮気か!?
H:だからぁ〜、ちょっと使わせてもらっただけやって!!
B:まさか・・・彼女はHit君に一目惚れなんか!?
H:はぁ〜?お前は何を言うてるねん!?
B:そして・・・Hit君もまんざらではないんか!?
H:何がまんざらなんかも訳分からんわっ!!
B:てめぇ〜!俺の鏡に何する気やっ!!!
H:なんもするかいっ!ドアホッ!!
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