ひろしま市民芸術祭(こころの平和)
1.その電車は最初、人があまり乗っていなくガラガラでした。しかし街に近づくにつれだんだんと人が乗ってきて、男の子が気付いた時には、目の前におばあさんが立っていました。男の子はおばあさんに席を譲った方が良いのかな、と考えてみたものの、恥ずかしくて言い出せません。電車が次の曲がり角に差し掛かった瞬間、おばあさんがよろめいた時、男の子は思わず立ち上がってました。その勢いで思い切っておばあさんに声を掛けたのです。「おばあさん、座ってよ。」おばあさんはにっこりと笑って「ありがとね。」と男の子に言って、よっこらしょと席に腰掛けました。たったそれだけのやり取りだったのですが、男の子は良いことをしたと、誇らしい気持ちになりました。男の子の横に座っていたスーツを着たおじさんは、少しばつが悪そうでしたが、周りに立っている大人の人たちは、ニコニコと笑顔で男の子のことを見てくれています。誰も言葉を交わしたわけでないのに、男の子の周りはとても温かな雰囲気につつまれたような感じがし、なんだか幸せな気分でした。
これが私の考える「こころの平和」です。
平和と聞くとなんだか難しく、戦争反対だとか祈りだとか想像してしまいます。でも本当の平和とは、そんなに難しいものではないと思います。電車に乗っていた男の子のちょっとした勇気や行動が、おばあさんだけでなく、周りにいた人たちもほんわかと温かい気持ちにさせてくれます。このほんわかと温かい気持ちが、どんどん色んな人たちに伝わっていけば、争いごとやもめごとはとってもちっぽけなことに感じてしまい、私達の街は住みやすい素晴らしい街になってゆくと思いませんか?そしてこれが平和に向かっての第一歩だと私達は確信しています。
今年も、社団法人広島青年会議所は平和公園で“2007ひろしま市民芸術祭”を笑顔で明るく、元気良く開催いたします。
芸術と聞くと?と思われるかもしれませんが、自分の中にある「こころ」を表現することが、文化であり芸術です。広島の街を愛している人たちが、私たちの公園である平和公園で、自分達の「こころの平和」を自由に表現するお祭りだと考えてください。
ただ自由とはいえ、ひとつだけ約束事があります。表現方法が一方通行ではいけないということです。すなわち、「表現する側」と「受ける側」の間に「こころの平和」のキャッチボールが必要、ということです。「表現する側」がこころを込めた芸術は、「受け取る側」を「楽しく」、「寛ぎ」、「こころ和ませる」ことが必ずできます。この「こころの平和」の輪が大きく広がるように、今年は広く内外に出演者を募集します。音楽演奏や演劇にとどまらず、自由な表現者が多くの「こころの平和」を発信してもらえることを願っておりますし、たくさんの人にそれを受け取ってもらい、今度は受け取った人が「こころの平和」の発信者として繋がってゆくのはとても喜ばしいことだと思いませんか?
またひろしま市民芸術祭では、参加した人全員で「こころの絵」を作成します。毎年8月、広島の繁華街である、本通・金座街商店街で、「みて!みて!平和のでっかい絵」が掲げられています。展示されているのは、広島市内の子ども達の描く平和を願う気持ちです。今年はこのでっかい絵が平和公園にやってくるだけでなく、みんなで折鶴を折り、それを大きなキャンバスに貼り付けて一枚の大きな絵を完成させます。一人が作った小さな折鶴でも、たくさんの人の折鶴を集めれば、天高く世界に羽ばたく「こころの絵」になります。みんなで作った「こころの絵」はもちろん本通・金座街商店街にも掲示いたします。小さな「こころの平和」でも、同じ気持ちをたくさん集めれば、みんなでやれば、絵を目にする人たちに、もっともっと「こころの平和」を感じてもらえることと思います。
ひろしま市民芸術祭に参加していただき、多くの人で「こころの平和」を感じてください。
ひとりでも多くの人に「こころの平和」を感じてもらえれば、我々が本当に求めているこころ豊かな人間社会はすぐ手の届くところに待ってくれています。(実行委員長 椋田裕士)
2. 会 期:2007年7月29日(日)
3. 会 場:広島平和記念公園
4. 主 催:社団法人 広島青年会議所
5. 協 力:広島本通商店街振興組合 広島金座街商店街振興組合
国際こども平和壁画展2007実行委員会 潟Tクラクレパス (有)ヒロキョー
不二産業梶@鰍ンづま工房 広島県原爆被爆者団体協議会理事長 坪井 直
沖田孝司 広島市立基町高等学校創造表現コース
6.
後 援:広島県 広島県教育委員会 広島市 広島市教育委員会 (財)広島市文化財団
(財)広島平和文化センター (財)広島市ひと・まちネットワーク 樺国新聞社
広島市PTA協議会 樺国放送 広島テレビ放送梶@轄L島ホームテレビ
潟eレビ新広島 NHK広島放送局 広島エフエム放送梶@
ひろしまPステーション
7. 助 成:(財)エネルギア文化スポーツ財団