6月の第3日曜日は「父の日」です。「母の日」に比べ影が薄いけれど。その起源や日にちは違っても世界の多くの国に父・母の日があります。日本は米国起源の由来です▲「父の日は」ソノラ・ドットが母亡き後、男手一つで育ててくれた父を称えて教会に礼拝を依頼、1910年に、既に母の日があり、父の日もあるべきだと牧師協会へ訴え実現したそうです▲因みに「母の日」は、南北戦争の時、敵味方なく負傷兵を救護する「母の仕事」を地域に組織したアン・ジャービスの娘アンナが亡き母を偲び記念会を催したのが始まりだとか▲アンの活動に学んだ女性参政権運動家ジュリア・ハウは、この記念会より前、夫・こどもを戦場に送るのを拒否する「母の日宣言」を提唱しています▲ウクライナの「父の日」も、6月第3日曜日です。祖国防衛の総動員令が出る中、避難の為、父親との別れを悲しむ子どもの姿が報道されたのはつい先頃。双方の戦死者も急増しています。今年の「父の日」をどんな思いで迎えたのでしょうか▲ロシアの無法な侵攻に「日本も軍備拡大が必要」の声も聞かれます。これに乗じ、自・公、維新・国民が、揃って改憲・軍事費増大・打撃力強化・核共有の合唱を強めています。目前の参議院選挙は、暮らしと平和がかかっています
NHKの朝ドラ「ちむどんどん」は「胸がわくわくする気持ち」を表わす沖縄方言とか。今年は本土復帰50年、記念の日を、県民みんなが「ちむどんどん」で迎えたでしょうか▲朝ドラのヒロインを演じる黒島結菜さんの映画初出演は、復帰40年企画で作成された「ひまわり〜沖縄は忘れないあの日の空を」です▲1959年6月、墜落米軍ジェット機の機体が、宮森小学校に。学童11名の命を奪った大惨事を題材に、沖縄の現状を問いかけ、基地ある限り沖縄の悲しみは終わらないことを知らしめました。10年を経て、今尚、沖縄の基地強化が図られています▲ラストはスクリーン一杯のひまわり畑でした。基地のない平和で豊かな沖縄実現のために、決して諦めない沖縄の心を体現しているかのようでした。その思いと闘いが今も続いています▲本土復帰2年前、戦争で引き裂かれた愛と悲しみを描いたイタリア映画「ひまわり」が公開されています。広大なひまわり畑と屍が累々とした雪原の対比が印象に残っています。ひまわり畑はウクライナで撮影されました▲ウクライナの国花、ひまわりは、今、平和と抵抗のシンボルになっています。一刻も早い平和の回復を願わずにはいられません。いつも、誰もが「ちむどんどん」でいられるために
5月20日は24節気の一つ「小満」です。麦に穂が付き、その出来具合に「少しの安心と満足が」の意味もあるとか。俳句の季語に「麦秋」があります。初夏なのに秋が付くのは、麦が黄金色の穂をつけるさまが秋の稲穂を連想させるからでしょうか▲麦は古代から栽培され人類の生存に最も重要な役割を担ってきた穀物の一つですが、日本の小麦の自給率はわずか16%。多くをアメリカ、カナダからの輸入に頼っています▲今、この麦の価格が急騰しています。主要産地の不作、原油高騰、失政による円安などに加え、ロシアのウクライナ侵略が更に輪をかけ、既に、多くの食料品の値上げが始まっています▲ロシアとウクライナの小麦は世界の輸出の3割を担っていました。輸出が停止され、その影響はとりわけ中東やアフリカで深刻になっています。食糧の値上りで最も打撃を受けるのは、どの国・地域でも庶民の暮らしです▲「麦秋の中なるが悲し聖廃墟」(秋櫻子・1952年作)実りの時を迎えた麦と原爆で破壊された浦上天主堂の廃墟の対比に深い悲しみが滲む句です。繰り返させてはなるまい▲ウクライナの麦の収穫期は7月頃ですが、毎日伝わってくるのは町の廃墟の姿です。侵略と核の脅し、危機に乗じて改憲の旗を振る輩を許せない
大型連休目前です。コロナ禍で二年続いての非常事態宣言、警戒・特別警戒レベルの様々な規制下でしたから、感染拡大傾向に不安を覚えつつも観光地は「今年こそ」の賑わいに期待は大でしょう▲スタートの4月29日は「昭和の日」です。元号での時代区分は科学的ではなく違和感もありますが、昭和の時代は「天皇誕生日」で、平成になり一旦は「みどりの日」になりました▲2000年には森喜朗首相(当時)が「日本は天皇を中心とする神の国」と発言、名称変更が廃案になった経緯もありますが、一貫して昭和にこだわる勢力があり、07年「昭和の日」に、「みどりの日」は5月4日に移されました▲「昭和の日」は「激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み国の将来に思いをいたす」とされています。戦後、様々な問題を抱えながらも、経済発展を遂げたことは確かです。しかし、昭和の最初の20年は、専制と戦争の時代です。国の将来に思いをいたすなら、今、最も顧みる必要があるのはここでしょう▲「敵基地攻撃能力を含めあらゆる選択肢を排除せず」(岸田首相)「核シェアリング」(安倍元首相や維新)等、侵略戦争と、その惨禍を省みないのは、武力侵攻し核の脅しを口にするロシアのプーチン大統領と同じ土俵の上です
1946年4月10日は、日本初の男女普通選挙による総選挙が行われ、初めて日本女性が参政権を行使した日です。女性89人が立候補し39人が当選しています▲この日に因み1949年以降、官(当初は労働省婦人局)主導でしたが、4月10日は日本独自に「婦人の日」とされ、婦人週間等も設けられていました(後に女性の日・女性週間)▲女性が参政権を獲得するまでには、洋の東西を問わず、苦難の闘いがありました。今、あらゆる分野でジェンダー平等が広がりつつありますが、参政権要求に始まる国際的な女性運動の役割は小さくありません▲1975年国連がさだめた「国際女性デー」は、1903年3月18日、米国ニューヨークで婦人参政権を求めた女性デモがルーツといわれ、20世紀初頭から、政治的自由と平等の為に自主的に取り組まれた各国の「女性デー」の運動が土台になっています▲生活や平和を守る運動とも連動します。歴史的な一例ですが、1917年、第一次世界大戦の中で「パンと平和を」を掲げたロシアの女性デモは帝政ロシアを崩壊させる契機になりました▲21世紀の現在もなお、世界の各地で「パンと平和」が切実に求められています。来るべき参議院選挙も「パン(くらし)と平和」がかかっています
我が人生に多大な影響を与えたオストロフスキーの名著「鋼鉄はいかに鍛えられたか」の第一部には、1915年から20年のウクライナの献身的な革命戦士や市民の闘いが描かれている▲キエフに旅したのは随分と前だけれど、あの感動は今も記憶に鮮やかである。3月の末、雪が舞う「不滅の栄光の公園」に天高く聳えていたオベリスク▲多くの犠牲を払い、帝政ロシアの打倒・内戦を経て得た束の間の平和の後、ナチスの激烈な砲火に蹂躙されたウクライナ。祖国を守る為に倒れた英雄的な無名の戦士たちの記念碑である。「英雄たちに栄光あれ」は今も合言葉だとか▲美しい街並みや公園。荘厳な寺院も見学した。民族楽器バンドウラの演奏も聞いた。現地で酌み交わした酒の味も忘れ難い。幼稚園では可愛い幼児たちが歌や踊りで歓迎してくれた▲共に旅した歌人は「無心にうたう、キエフのこの子たちの上に、酷い戦争よ、二度とおこるな」と詠んだ。あの時の幼児たちは今や働き盛り。銃を手にしたのだろうか。無事でいるだろうか▲ロシア軍の武力侵攻は、断じて容認できない。プーチン大統領は核の脅し迄口にした。我に出来ることは微々だけれど、被爆地長崎から深い悲しみと強い怒りを持って抗議の声を挙げよう。平和の願いを伝えよう
「弥生」3月。弥は愈々や益々。生は草木の芽吹きを表します。和月名の異称に「雛月」があります。島原市では島原城を主会場に14日まで雛巡りが開催されていて一見の価値ありです▲3月3日はひな祭り。元々は「上巳の節句」。古来この日は禊(みそぎ)を行い、穢れを流すという習慣がありました。それ故「禊月・けいつき」とも。やがて、人型で体をなぜ、穢れを移し川へ流すようになり、この流し雛がひな祭りの起源とか▲商工新聞に「サステナブル社会の鍵」と題した随想が掲載され、サステナブル・ラベルという制度を知りました。「持続可能」「サステナブル」という言葉は今や普通に使われているんですね▲温暖化やマイクロプラによる海洋汚染等、悪化する地球環境を知るにつけ、確かに社会生活の全てで「持続可能」への取り組みは必要不可欠でしょう▲ただし、国保や年金、医療費負担の度重なる引き上げの口実に、高齢化社会に対応した「持続可能」な社会保障制度を掲げているのは断じて承服できません▲社会保障制度を「持続不可能」にするのは、高齢人口の増加の為ではありません。原因は明白、政府・与党とその補完勢力の誤った、課税のあり方・税金の使い道です。「サステナブル社会」は個人の努力もさり乍ら政治の責任です
2月20日は、国連が定めた国際デーの一つ「社会正義の日」です。「貧困の撲滅」と「公平な社会の実現」の為の啓発活動が09年から始められました。SDGs(持続可能な開発目標)と多く課題が重なります▲背景には1980年代から支配的となった新自由主義経済、規制緩和や弱肉強食を当然とする自己責任、大企業・富豪への大減税、緊縮財政で福祉削減等の結果、貧困と格差の拡大が進み、社会の維持にとって放置できない状況が生まれたことがあります▲新型コロナの感染拡大は、その実態を一層鮮明にしました。この間、世界中で2・2億人が失業し、1億人が極度の貧困に陥りました(ILO調査)。他方、超富裕層約2750人が増やした富は約470兆円にのぼります(世界不平等研究所調査)▲国際NGOオックスファムの報告はさらに衝撃的です。世界のトップ10人が所有する資産を約1年半で80兆円から172兆円に倍加させる一方で1・6億人を新たに貧困に陥れたと▲日本でも、多くの国民の経営や暮らしの困難が増している中、21年のトップ10人の資産は前年から6兆円以上増やし16・85兆円に達しています▲大企業・富裕層への課税強化や社会保障充実は公平な社会実現に不可欠です。直ちに消費税減税も
オミクロン株の急速な感染拡大で「まん延防止等重点措置」が実施され、営業やくらしに大きな影響が拡がっています。全ての責任という心算はないけれど、第5次終焉からの3カ月の政治の怠慢が明確に表れています▲2月の和月名は如月(きさらぎ)。語源は中国最古の辞書の「2月を如となす」の記述だとか。厳しい寒さに重ね着をする「衣更着」との説も▲2月4日は「立春」。旧暦2月は今より一月程先で、春の陽気を迎える頃の意である「気更来」や、草木が生まれでる「生更木」との説もあります。自粛や制約のない日常の春が訪れることを祈らずにはいられません▲2月11日は「建国記念の日」。「建国記念日」ではありません。世界の国々の建国記念日にはきちんとした根拠があり、米国をはじめ多くは独立記念日ですが、日本は建国日の根拠がないからです▲2月11日は、戦前の「紀元節」を引き継いだものです。明治時代、天皇の絶対的権威を確立する為、神話の世界である神武天皇の即位日とされる日を日本国の成立としたからです▲宮家の結婚で、天皇・皇族問題が何かと話題になっています。皇位継承は、男系男子と決められていますが、憲法上、日本国民の統合である「象徴」は女性・女系天皇で少しもおかしくないと思うのですが
遅まきながら、コロナ感染急拡大の中で始まり、オミクロン株の新たな感染危惧(年明けとともに現実化しましたが)の中で終えた昨年の世相を表す漢字は「金」でした▲強行されたオリンピック・パラリンピックで日本選手が最多の金メダル獲得等がその理由のようですが、過去にも五輪の年には幾度か「金」が選ばれています▲コロナ禍の重苦しい生活を強いられた中で、一時、メダルに心奪われた人もいるでしょうが、むしろ給付金を巡る政府の不手際や、与党国会議員の政治と金スキャンダルの「金」と理解した方が世相と合うのではないでしょうか。本来なら「緊」か「危」としたいところです▲今年の干支は壬寅(みずのえのとら)。「寅」で真っ先に思い浮かべるのは映画「男はつらいよ」の寅さん。長期にわたり、笑いの中に、人情、人の優しさを堪能させてくれました▲壬は子を宿す「妊」の一部で、はらむ・生まれる。「寅」は「演」に由来する字で人の前に立つ。また「延」と読みが同じであることから延ばす・成長の意を持つとされます▲寅年は必ず参議院選挙、翌年に一斉地方選挙が行われます。今年、本土復帰50年になる沖縄は選挙イヤー。本県は知事選が目前です▲干支に因んで、寅さんの如く人に優しい政治を生み出す力を延ばしたい
謹賀新年。今年が良い年でありますように▲正月のおせち。我が家もかつては手作りでしたが、今は詰め合わせのお重を購入です。奈良時代に貴族社会へ伝わった行事で、年間の節目の日を節(せち)といい、節日には神への供えと宴を催しました。この料理を御節供(おせちく)といい、おせちの語源といわれます▲お屠蘇は、中国の三国時代、華陀(かだ)という名医が1年間の無病息災を願って様々な薬草を調合した酒を飲んだことに始まるそうです。邪気を屠(ほふ)り、魂を蘇(よみがえ)させるとの意味を込めて「屠蘇」と名付けられたのだとか▲1911年の暮れから正月2日にかけて東京市電6000人の労働者がストライキを行い、要求を実現させ勝利しました。歌人・石川啄木は3日の日記に「国民が団結すれば勝つということ。多数は力なり」と記しています。時代を超えて貫く金言でしょう▲民商・全商連運動の実践の中で確かめられてきた三つの理念@中小業者・国民全体の幸福を目指すA団結こそ何にも勝る宝B国民各層と共に闘うは、まさに啄木の記述に重なります▲屠蘇で新年を祝う時、悪政の邪気を屠り(打ち負かすとの意)コロナ禍の克服、中小業者の商売繁盛を蘇らせる願いを合わせて。今年は参議院選挙の年です