デジマノキもトックリノキも長崎と海外との交流の歴史的証です。
デジマノキ
デジマノキは、巨木ではありませんが県指定の天然記念物。出島史跡の中にある。出島と築町の電停間の電車道からみれます。
案内板に「東南アジア一帯に分布するナンヨウスギ科の常緑高木。学名はアガチスハルマ。この木は、幕末の頃に、オランダ人が東洋貿易の拠点としたジャカルタ(旧バタビア)から移植したもので、日蘭交流の貴重な記念樹」とあります。
成長は遅く、高さ10m、幹周囲1.5mになるのに100年はかかるといわれていますが、原産地では高さ約45m、幹の直径4mもの大木になるそうです。
アガチスハルマは、日本では唯一、ここにあるだけ貴重なものです。
トックリノキ
トックリノキは別名ボトムツリーともいう。日銀長崎支店の裏側にあたる長崎公園の坂道にこの木はある。「案内板」によればオーストラリア・クイズランド州原産、アオギリ科の高木でオーストラリアの公園などでは普通にみられる木だそうである。木の姿は、メタボスタイルの我が身に似ていなくもない。ユーモラスでまさに徳利である。
この木は昭和7年(1932年)に上海から日本に運ばれものでありトックリノキとしては日本に持ち込まれたものでは最古のものであるという。現在は日本各地の植物園で栽培されており見ることは希ではないが、野外にこうして立っているのは、とても珍しい。
昭和初期は上海航路があり、長崎・上海間は26時間程、長崎からは汽車で東京に行くよりも上海に行く方が近かった。この木は長崎・上海の交流の証の一つであり歴史的価値は高い。
上海航路に就航していた長崎丸は、戦争が拡大する中で出征兵士を外地へ運んだが、長崎港外、伊王島の沖で日本軍の機雷に触れて沈没した。