おんなのみやこのこと

女の都 長崎は、はじめてという友人とまちを歩いていた時のこと。スッ頓狂な声で「おんなのみやこ」という、一瞬なんのことかと思ったら走り過ぎた県営バスの後ろに「女の都団地」とある。長崎人なら「おんなのみやこ」とは言わない、誰でも「めのと」と読める。 しかし、言われてみると「おんなの都」は女護ヵ島を連想させ、なるほど珍名の1つに違いない。でもって、そのいわれを探ってみた。
元々は川平郷、昭和40年代半ばから、団地開発がすすむなか、新たな町名で生まれたのが「女の都」。川平郷には「○○平」の字名が多い。新町名には、この郷にあった「女の都平」に由来するという。ならば、女の都平の由来は如何。
「わが町の歴史散歩」(熊弘人著)によれば、古書に女の都(めのと)の元々の地名は「乳母」と表記されていた。日本元号では「元禄」15世紀の終わりころ乳母で金山採掘とあるそうな。平は平野を指すが、平野地の少ない長崎では緩やかな傾斜地も平とよんだのであろう。古代、日当たりの良い南向きの傾斜地を老婆の懐(ばばのいくら))というとのこと。乳母はここからきているのではないかというのが一説。いま一つは平家落人説。平家の女官たちが落ち延び住み着いたところからきたという。 はてさて、地名の由来とは面白い。どなたか本当のところをご存知なら是非、ご教授願いたい。

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