4x150A 50MHz リニアアンプの製作

4X150A(第1図)を使用したリニアアンプは50MHzではポピュラーなものでしたが,最近は高出力のトランジスタが安価で市場に出まわり,出力50Wくらいであれば固体化が常識となりました.しかし,UHFEME用リニアアンプなどには,まだ真空管が使用されており,今回は回路を大幅に簡略化したものを第一段階として,設計・製作しました.再現性および製作の簡易性向上のため,私の経験上不要と思われる回路,部品はすべて省略し,同時に小型化を図りました.






第2
に本機の高周波増幅回路,また第3に電源回路を示します.
回路図からわかるとおり,4X150Aを使用したオーソドックスな高周波回路の採用に加え,電源回路には徹底的な簡略化を行いました.

すなわち,@余裕のある電源トランスの使用によるスクリーン・グリッド電圧安定化回路の削除、A高圧E印加遅延タイマー回路省略などがあげられます.また,これらの回路省略によって発生ずる不具合をレギュレーションの良い全波整流回路の採用,およびスクリーン電流の逆流防止抵抗の挿入により解決しました.
第1
4X150Aの規格を示します.






製作には使用部品に合わせて位置決定を行い,高周波信号および電源の流れを同時に考慮することが重要なポイントとなります.ケース内部の有効スペースの活用を図り,可能な限りプリント基板に部品を実装し,小型化しました.また,本機においては構造上,空気の流路が曲がっている部分が多く,損失もかなりあるようですが,実用上問題はないと思われます.
基本となる点のみ以下に述べます.

@各部の電圧チェック
A入力VSWRの確認
B出力電力調整

なお,調整の際,必ずダミーロードを接続し,最初はドライブ電力を極力少ない状態(0.2Wくらい)で高周波出カを最大になるようにします.参考までに本機のデータを第2に示します.高利得に加え,スプリアス特性についても初期の目標をクリアすることができ,満足しています.

私は今,放送関係機器の設計に従事しており,その実情はUHFテレビ放送において出力30kWまでがトランジスタ化されています.したがって,このような寄稿は,非常にためらいがありますが,これから大電力リニアアンプを製作される若いアマチュア無線家に,少しでも参考になれば幸いかと思います.

□参考文献□
・真空管規格表CQ出版社

・リニアアンプハンドブック・CQ出版社

CQ
19882月号

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