受信トップフィルターの実験
| 1.はじめに 受信機内部の高周波増幅器においては、増幅特性が非線形特性部部分を持つことから、信号強度が高い多周波数信号が同時に入力されると相互変調ひずみを生じます。 これは、最近の高級無線機においても同様であり、受信機入力における選択特性が広帯域のため、増幅素子が改良されたとはいえ、解決されていない。 昔から発表されたものとしては固定の水晶フィルタを受信機トップにいれる方法があったが、固定周波数で特注するため高価だった。ここでは、水晶1個で通過中心周波数を可変することができないか実験してみた。 2.実験回路と結果 図1に水晶振動子の等価回路を示します。水晶振動子の発振回路ではfs,fp間で発振します。ここでフィルターとしての通過周波数はリアクタンスが零の部分ですので直列共振周波数fsの部分であることはご承知の通りです。また、fsより高い周波数ではリアクタンスは誘導性となりますのでコンデンサーを入れればある程度直列共振周波数が可変できることが予想されます。 実験回路は図2(1)の通りです。本回路で得られた通過帯域特性は特性図から-6dBの帯域が焼く1kHz確保できRTTYやCWを目的とする通信であれば問題ないことが分かります(SSBでも多少の周波数特性を我慢すれば使用できる)。 帯域外特性は-30dB程度しか確保できずスカート特性も良くありませんが受信機フィルターとしてはLC回路では得ることができない周波数特性となっていることが分かります。 |
次に周波数特性に関しては、水晶振動子に静電容量を直列挿入する場合の周波数可変範囲、損失に関して実験をしてみました。結果は図2の@からCに示すように変化し、これをまとめると以下のようになります。 (1)実験に使用した水晶振動子の表示周波数7.023MHzに対して通過中心周波数がマイナス側が約3kHz(バリコン短絡時)、プラス側が約5kHz可変できた。 (2)通過損失は表示周波数のプラス2kHz、マイナス3kHz間で殆どない。しかし、プラス側3kHz以上は直列挿入したバリコンの容量が極度に小さくなるため損失が大きい。 (3)通過帯域幅も周波数表示より高く(バリコンの容量が小さく)なるほど狭くなる。 (4)3倍のオーバートーン周波数でも一応動作するが水晶の並列容量が影響するため特性は悪い。 3.応用編 本回路を応用した実用試作回路を図3に示します。また、図4にスカート特性を改善する並列容量をキャンセルする回路を紹介する(低い周波数ではあまり効果なし)。 |


