自作ノウハウ集(1)

コイル、高周波トランス編

無線機の自作をするうえでコイルは避けて通れない。特に高周波トランスは自分で巻くのはなかなか難しいものだ。一番安易な方法はFCZコイル等を購入して並列コンデンサで周波数を調整する方法だが、コイルのコストが1個200円程度もするのであまり経済的ではない。とにかく無線機を作ろうとすると、このコイル、数10個単位で必要となる。

コストを考えるとボビン、シールドケース等を買ってきて自分で巻くと少し値段は安くなる。ただし、あんな細かい導体に細いエナメル線を巻いて足に半田付けをすることは熟練者でも楽しい作業ではない。また、せっかく苦労して巻いても共振周波数から離れていればやり直しとなり、時間がかかってしょうかない。

ここでは、私が実際にやっている方法を紹介する。この方法でやれば自分でコイルを巻くこともなく1個30円でコイルが入手できてお小遣いが節約できます。

・東京近辺であれば秋葉原の千石電子の地下にメーカがTVやラジオ用に大量に生産したコイルが各種30円程度で売られているのでそれを購入する。周波数的に我々が使えそうなものは455KHz、10.7MHzのIFTの他70MHz程度のものがある。これらは、そのままの周波数で用いるのであれば何の問題もないのであるが、我々がよく使う周波数、HFハムバンドや7.8MHz、9MHzのIF帯とは異なるので使用できないと思ってしまうのが普通だ。

 左:455KHz IFT

 中:10.7MHz IFT

 右:70MHz IFT
・ところが、アマチュア無線の試験を受けるときに誰もが覚える共振回路の公式を思い出してもらうと分かるのであるが、たとえば10.7MHzのコイルはある値のコンデンサがコイルに並列に接続されて10.7MHzに共振するのである。従ってコイルはそのままでコンデンサだけ変更すれば周波数をずらせることができる。もちろんコイルにはQという問題があるのでそれぞれの使用周波数における必要な選択度特性から最適な巻き数とコンデンサの値というのがあるのである(コンデンサがあまりに小さいと帯域は損失は少ないが帯域が広い、またコンデンサが大きいと損失が大きいが選択度がよい)がアマチュアの自作ではそんなことは気にしない方がよい。実際、私は30円コイルを以下のように使用している。

1.短波帯5MHz以下の場合
 455KHzのIFTを使用する。周波数が高い場合はセンタータップとコールドエンドを使用すればインダクタンスは半分となるので使いやすい。それでもダメなら線を少しほどいて使用する(ちょっとワザが必要)。

2.HF帯 5−15MHzの場合
 10.7MHzのIFTのコンデンサを変更するだけで使用可

3.HF帯 15−30MHzの場合
 このあたりは適当なものがないので10.7MHzのIFTを使用する場合は線をほどくのがよい。20MHz以下であればセンタータップとコールドエンドを使用することで対応できる。

4.50MHz帯
 千石電子の70MHzコイルが手に入る人は、このコイルのコンデンサを変更すれば十分対応できる。

注意事項としては、IFTにはコンデンサが中に入っている場合と無い場合があるので必ず中を見てみること。コンデンサが入っていて、高い周波数で使用するためにコンデンサを外す場合にはハンダゴテで外そうとしないで精密ドライバの先等で割ってしまうのが簡単でよい。

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