セミナー体験記
武澤先生、セミナーでのご指導ありがとうございました。私にとって今回は、実技においても、又お昼休みに伺ったお話においても、基本の大切さを気づかせて頂いたセミナーでした。

お昼休みに、先生から呼吸法を初められたころのお話しを聴かせていただきましたが、大変参考になりました。先生ほどの方でも、最初から心地よく呼吸法が出来たのではなく、苦しい過程を経て今日があるということ。しかし、苦しいからといって、基本を崩した呼吸でお茶を濁す様な稽古はされなかったというお話は、大変参考になりました。

このお話を励みにさせていただき、セミナー以降は、心機一転して、今までの稽古姿勢を改め、基本を大切にする稽古に戻すことが出来つつあります。

いつの間にか易きに流れ、座ってしか稽古をしなくなっていたのですが、1日の中で、コアとなる稽古時間だけは、立ち上がり膝を緩め、腰をやや低くした基本の姿勢での稽古に戻しました。体力がつくには時間がかかるようで、2時間程が限界で、吐く息は座式での呼吸法の1/2から1/3という有様ですが、いづれ少しずつ長くなるだろうと思っています。

体力不足以外にも、体の硬さも痛感させられました。体を柔軟にするのも、基本でした。

呼吸法では、対気の時、「ポカーンとして食道から腸までを緩め、相手の気を貰う様な気持ちでやってみたら」と先生にご指導いただいたとき、その時初めて、呼吸法の中で、「吐く息が苦しくなる前にポカーンとする」という先生の言葉の意味がああ、こういうことだったのかと分かった気がしました。

又、今、一番気をつけて稽古しているのは、息を吐き切った後、「真気が上がって来るのを観る」ということです。今までは、苦しくて反射的に空気を吸ってしまう癖があったのですが、直せそうな気がしています。これも、セミナーで気づかせていただいたことでした。

「ひとりでに真気が上がってくるのを観る」というのは、物事を生起させる、極意であるように思います。力ずくでなく、ひとりでにそれが起こるのを観る。これは、素晴らしい極意ですよね。これが真実であることを、仕事や生活の中で体験してみたいと思います。

吐く息の長さは、自分の呼吸力を知る目安になるとともに、秒針が叱咤してくれることもあって、しばしばストップウオッチを片手に稽古するのですが、長く吐こうと思えば思うほど、いつの間にか頬がこわばり、緩めるどころか硬く緊張してしまっている自分に気がつくというのが今の状態です。

セミナーでの先生の言葉は、行ったことも見たこともない外国の様子を聞く様に感じてしまうのですが、その先生の言葉を自分の体で体感できる日が来れば、どんなに自分自身に感動することでしょう。その日は必ず来ると信じて、基本を大切にした稽古を継続していきたいと思っています。これは、とてつもない偉大な大事業だと思っています。

今後とも、ご指導をよろしくお願いいたします。遅ればせながら、セミナーの感想と御礼まで。

 岐阜県 M・S