平成25年秋季気功セミナー感想文
 今回、セミナーに参加して印象に残った事は、武澤先生が「呼吸法は一回いっかい手さぐりで行う」と言われた事です。私は健康法も同様に手さぐりで行うものだと思っています。良く効くツボである特効穴を押すとよいとか、よく効く薬の特効薬が出来るのを待っているという人がいますし、背骨を捻ってポキっと音がすると、背骨がまっすぐになって健康になるという人がいましたが、それらですべてが解決するようなことはめったにない。疲れが慢性になると、体のストレスが複雑に絡み合って、もつれた糸のようになって固まってしまう。ストレス解消はもつれた糸を少しずつ解いていかなければならない。糸を解くのは手さぐりで行い、出来ることからやらなければならないので、手間がかかるものです。呼吸法をするのは呼吸が自由に出来るようになるためです。体のストレスを取って、体が自由に動くようにする健康法と呼吸法は意識の面では同じものだと思います。

 セミナーで感じた事のもう一つは、呼吸法で息を吐いていき、体を空にして体の中の圧力をゼロにすることです。私は今まで、息を吐き過ぎて体の圧力が下がり過ぎて、息を止めて止息を味わうのが大変苦しかった。。私は呼吸法は体の力を抜くため(ストレスを取るため)に、行うものだと思っています。息を吐ききって体を空にして圧力をゼロにすれば、息が吐けない処(息が抜けない処)が分かるので、そこを揺すって体を弛めると、もっと息が吐ける。今までは息を吐き過ぎて息を止めると苦しくて、ストレスを外に出すどころではなかった。ある心臓が悪くてうまく呼吸が出来ない人に呼吸法を薦めました。出来るだけ力を抜いて、ゆっくり息を吐いて体の力を抜くように言いました。その人はストレスがあるので力を入れなければ息が吐けないので、一生懸命吐こうとすると、風船を膨らませるように、力を入れて息を吐いている。そして苦しくなり心臓が乱れて脈が遅くなったと言って横になっている。この人も呼吸法で息を吐き過ぎて体に負担をかけている。息を吐いて体が空になって止息を味わえば、体の緊張が出てくるので、気持ち良く体を動かして体のストレスを出していけば、もっと息が吐けるようになると思う。

◎心と健康について。
私は気功を始めるまで、心と健康の関係がよく分からなかった。健康に暮らすには、心の働きが最も大切だと聞くと、なんとなくそうだろうと思う程度であった。心配事があり、心が自由に動かなくなると、体も動かなくなる。無理をして動かしても疲れが溜まって動けなくなる。心と体は一体のものであり切り離せない。健康法は心の働きにより、気が動いて体の動きが変わるものです。心が主導していかねば体が健康に変わらない。気功の教室では心を意識して働かせて、気の働きにより体が自然に動いていく。これにより体の自由を取り戻していく。

◎気を送るのは心をつなぐ事である。
気を送るのは会話をする時、話かけるようなものである。会話が成り立つのは心がつながるからだ。同じ事を伝えようとしても、話す相手により話し方、話す内容が変わるのは相手の立場に立って話す(心をつなぐ)からである。気の交流をする時も、相手の人がよそ見をしていたら、気は伝わらない。セミナーで行っている対気と云って、気で相手を飛ばす時、人によって飛び方が違うのも感受性が違うからである。

◎気で会話する。
私の父が弱って言葉が出なくなった時、鳩尾に手を当てて気を送っていた。10分か20分くらい
、気の状態をみながら手を当てる。気で会話をすると心が通じたような気持ちになる。お互いに、にこにこした感じになり、満たされた感じがする。父が元気な時、風邪で体調を崩したので試みた事があったが、いらいらして手を払いのけた。お腹に手を当てられて、じっとしているとイライラして耐えられないようであったが、何年か後に体が弱って言葉が出なくなると、気を受け入れるようになった。気は信頼出来る人でないと受け入れないし、相性が合わない人もいるし、こんな事をするのがうっとうしくて耐えられない人もいるであろう。

◎気がつながると体がつながる。
気を送ると気が返ってくるのを感じる。このように気のつながりを感覚で感じると、体がつながるような気がする。このように感覚をつなげていくようにすると、テレビで話をしている人が、丹田から声が出ているとか、肩凝りがあり上半身から声が出ているとか、足の裏から声が出ているとか感じるようになる。それはその声が自分の体に直接響いて、その人になったように感じるからである。最初それを意識したのは、田舎のお坊さんが法事でお経を上げた時、その声が私の腹にビンビン響いてきた。私のお腹から声が出ているような感じがする。かなり強いものであっった。その後、お坊さんの声が全身に響いてそれを味わっていた。このように気がつながると感覚がつながるので、体がつながることが分かった。こういう気の交流の働きは、皆かなり強く感じているが、自分だけの気のせいだと思って意識しないようにしている人がほとんどだと思う。気功をやっていると、これらをはっきりと自覚する事があり、だんだんにそれが分かってくる。

◎気の働きを健康に生かす。
何かを感じる(心が動く)と、気が流れるから体が自然に動く。だから皆感じたように生きたいと思う。健康法は感じる事が最初である。心の働きを積極的に誘導して、健康に導く事が大切である。病気になると痛みや違和感などで苦しいのでなんとかしたいと思うと、気が働き体が動いてくる。がんは痛みを感じないので進行するという。健康法は感じる事で始まるが、ストレスで体や心が固まると何も感じなくなる。このときできるだけ力を抜いて、ゆっくり動いてみる(呼吸法では、ゆっくり息を吐いて体を空にする)。こうすれば体の動きの止まった処(ストレス)を感じ始める。それを気持ち良く伸ばし、気持ち良さを味わうことで、ストレスが取れる。これは健康を保とうとする本能の働きで行われるので、気の力を高めて、健康に生かす事が大切だと思う。

 今回のセミナーで武澤先生のお話しを私なりに解釈し、まとめてみました。そして心と健康に関しては、今まで何となく感じていた事をまとめてみました。健康を保つ3つの働き(心、呼吸、運動)のうち、未だに運動が中心で、呼吸、心の働きが充分でない事を認識しました。今後もご指導宜しくお願い致します。

広島市:S・D