episode 1
疑うべくもない気の実在を目撃した瞬間!
 日時はさだかではなくなったのだが、たしか1991年(平成3年)の頃のことだと思います。西野塾大阪校でのことです。その日は西野先生は見えてなく、指導員稽古の日でした。一通りの基本稽古を終えて、さあ対気の時間となり、指導員の方々7〜8名が鏡の前に等間隔で並び、それに向かって塾生の皆さんが縦に列を作って順番に対気を行う。私もそれに習って列の中央付近で順番待ちをしていました。

 すると突然! グワーッ!!と凄い奇声が聴こえたので、思わずそちらを見ると、身の丈185〜6cmくらい、30代の男性がホップ・ステップ・ジャーンプよろしく。ダーンダーン!!ダーン!!! 大きく飛び跳ねながら、後ろ向きに後方へ8〜10mほど飛ばされ、最後に受け身をとることもできず、おもいっきり板の間に後頭部を打ち付けてしまいました。驚いたことに、その瞬間!! 一眼レフカメラのシャッターをカシャっと切ったように黒目が一瞬に真っ白目になってしまったのです。人の目があのように一瞬で白目になるとは・・その驚きはつかの間。さらに驚いたのは、その白目のまま(完全に脳震とうをおこしている)で、今度は跳ねる跳ねる!!正に、丘に上がった鯛が跳ねているようでした。火急の状態で、屈強な5〜6人の指導員の人が取り押さえようとするのですが、それを跳ね返すように跳ね飛ぶ動きが止まらない。それをジッと見ていた私は、思わず心の中で叫びました 「ダメだーっ」 飛び跳ねている巨体の中を激しく巡る気エネルギーが、私の目にハッキリと見えたのでした。脳震とうを起こしているため、気のチャンネルが閉じて、身体内部の気が外に抜ける事ができないでいるのです。

それが見えた瞬間、私のからだは動いていました。サッと近づいて、右手でその気エネルギーをキャッチして、右手一閃!! 身体の中央から足裏に気を抜いた瞬間! 正にその瞬間に、それまで激しく飛び跳ねていた巨体が、ストンと虚脱状態になり静かになりました。脳震とう状態はまだ続いていましたが、とりあえず動きが止まった為、指導員の方たちが別室へ運び、介抱されていました。

 そして、稽古の終了時に指導員の方と一緒にその男性も戻って来られ、塾生皆さんの問いかけに、元気良く『大丈夫です』と応えた瞬間、場内割れんばかりの拍手が沸き起こったのです。 このようにこれは、強烈な気のエネルギーの実在なしには起こり得ない事でした。

 昔、空手の大会で競技の進行が長引き、真夏のこともあり役員、選手も相当に疲れていました。そして競技最後の一般男子組手決勝戦でのこと、Y選手の放った「右上段逆突き」が相手選手の鼻の下の急所、人中にまともに当り、相手選手はそのまま失神 それからが大変でした。床に仰向けに倒れたその選手の身体は硬直しながら、グググググーっと海老反りになり、それを観戦していた全員が、死んだのではないかと心配したほどでした。直ぐに救急車で搬送され一命はとりとめたのですが、身体が飛び跳ねるというような事はありませんでした。

 西野塾での出来事のように、白目を剥いた巨体が飛び跳ねる様は、異様な光景そのものでありましたが、この私に否応無しに気の実在を知らしめた瞬間でもありました。 その後、西野塾では遠間から飛ばすことはしなくなり、マットの近くから対気を行い、安全対策を講じておられるようです。 武澤塾もしかり。

 気はキャッチして抜くこともできれば、高純度なエネルギーを患部に入れることも自在にできるのです。

 そう成る為には、呼吸法を行う時、しっかりと足芯から周巡するエネルギーや、全身から放射する気エネルギーを観の目で見るということです。

 そののち武澤塾内で、対気の模様をビデオに撮ってみようということになり、塾生のY・Oくんが、「先生、ワシ新型のビデオカメラを買いましたけん、それを持ってきますわ」と申し出てくれたので、「じゃあ宜しく頼むね」とお願いしました。

平成4年7月頃の対気

 で、さっそくビデオ撮影を始めました。塾生の人たちが順に、バンバン吹っ飛んでいきます。撮影を始めてから10分くらいした時でしょうか、突然Y・Oくんが「あれ?あれ?!」と声を上げました。カメラに不具合があったらしく、「おっかしいのう?」独り言をつぶやきながら、「先生、ちょっと待ってつかぁさい・・」と言うもので、皆との対気を中断して待っていました。

 2〜3人がカメラを手に取り、あれこれやっているのですが、どうも上手くいかないでいるようです。ビデオテープの取り出しボタンも作動しないみたいです。

 しばらく待ってはいたのですが、どうも埒が明かないみたいなので、「どれ・・見せてみろ」と言って彼の持っているビデオカメラに手をかざしてみると、なんと強烈なエネルギー反応がありました。“ビリビリ〜キュンキュン!!!”と、私の手に気が突き刺さってきました。「おお これはカメラに気が溜まり過ぎてるわ」と言って、「じゃあそのまま、両手の平にカメラを乗せて持っておれよ」と伝えて、私は右手でカメラの気をキャッチして、カメラのレンズ側から後方へ「シューッ!!」と気を抜きました。

そして彼に「どれ・やってみな」と言うと、彼はその言葉にしたがい、カメラのテープ取り出しボタンを操作すると・・“カパッ〜”カメラは動いて、テープが出てきました。その場に居合わせた皆が驚いたように「お〜!!」と感嘆の声をあげました。

 嘘のような本当の話です。まあこんなことはどうでもいい事なんですが、一つ、話の種として・・・

2016.12.03 筆