生まれ変わった私
(悪性リンパ腫・リンパ癌を乗り越えて)

 昨年の秋季セミナーで初めて気功というものを知りました。友人のYさんの勧めで、お昼前の一時間だけの体験でした。息を吸ったり吐いたり、私なりにマジメに真似をしていました。確かに身体が“フワッ”と心地よくなったのを覚えています。

午前中の稽古が終わり、昼食タイムに皆さんとお弁当を頂いてから、帰宅しました。でも、その時にはもう、誰かに背中を押されるようにフリーコースの申し込みをしていました。その誰かとは、多分 気功セミナーを体験して心地よかったもう一人の自分だったように思います。

 私は、抗癌剤の副作用で味覚が無くなっていて、何を食べても砂を噛むような味気ないものでしたが、セミナーに参加されていた皆さんと頂いたお弁当が、本当に美味しかったのを覚えています。

 翌日からさっそく塾通いが始まりました。稽古を始めた当初は、身体もカチカチで2時間コースが随分と長く感じられて、時計ばかりを見ていましたが、回を重ねるにしたがって、気持良さそうそうに“フワッ”と浮いている、もう一人の自分に気づきました。

それは、抗癌剤の副作用で食欲も元気もない現実の自分とは違って、太陽の陽射しの中で、元気に無心で何かを見つめている自分でした。

 一番驚いた事は、武澤先生から気を入れてもらった時のことでした。自然に頬がゆるんで、笑顔になれた瞬間でした。先生に「私、久し振りに笑顔になりました。」と言うと、「うん!生まれ変わるのだ!!」といつもの調子で答えられました。
その時、何かが吹っ切れて、身も心も暖かい気持になったのを覚えています。

それまでは病気をして、1年間の入院生活の中で、だんだんと社会から取り残されて、誰からも必要とされていない自分がただ情けなくて、これから何を目標に生きて行けばいいのだろう・・といつもネガティブな日々を送っていました。

そんな状態の時に気功に出会って、先輩塾生のNさんに「明日も待ってるよ!」と稽古の帰り際に声を掛けられると「ヨ〜シ! 明日も来るぞ!!」と心地よい緊張感が身体を走り、次第に身も心もポジティブになって行きました。

稽古後、帰りの車の運転は、もうルンルンで1時間の道のりも全く苦にならなくなり、食欲も出てきて、あっと言う間に4Kg体重が増えました。
他の塾生の方からも「顔色が良くなったネ!」と声を掛けられると、素直に心から嬉しく思い、何倍も元気になりました。本当にありがたい事です。

 先のことは分からないけど、一日一日、現在元気に生きている自分を実感できることは、この上ない幸せと心の底から感じています。

60兆個の細胞たち、今まで酷使してゴメンナサイ。これからはもっともっと、瑞々しく活き活きとした細胞に生まれ変われる様、瞑想呼吸法を楽しんで、生きて行きたいと思っています。

 2010年3月 吉日

M・Y