鮫というと、怖いという感覚でしかとらえない方も多いでしょう。「ふかひれ」あるいは最近話題の「鮫肝油」「鮫軟骨」といった健康食品を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。 ここでは食材として扱います。驚くかもしれませんがしらずしらずに皆さんは鮫を食べています。かまぼこや竹輪(高級なもの)にはいっているのです。 1960年あたりまでは竹輪の原料は鮫が主だったようです。鮫がはいるとふわりとした食感とこくのある味がでるのです。また、鮫のはいった練り製品自体からだしがでるため煮物に練り製品をよく使う関西では、鮫いりでないと良い値段がつかないと聞いたことがあります。 練り製品ばかりではありません。40代以上の方はご存知と思いますが、学校とか幼稚園、保育所などで甘い「肝油ドロップ」を子供たちに食べさせていました。ビタミン不足の児童が多かったためですが、その「肝油ドロップ」のビタミンAはほぼ鮫の肝臓からとられたものでした。それだけ鮫の肝臓にビタミンが含まれているということです。 また肉は高たんぱく低脂肪。
上の写真について、、、、サメの歯化石研究会田中様より「どたぶか」とのこと(2005.1.2 )。 さて本題の食材そのものの、魚肉として食される鮫に話を移しますと、実はこれまた食べているんですね。 日本では東北地方北関東全県で、関東は東京下町で一般的に食べられております。西は山陰九州まで、一般的ではないにせよ食べられているとのこと。「因幡のしろうさぎ」の「わに」が鮫であることは良く知られています。 伊勢神宮の神饌(お供えする食べ物)が鮫ということから、日本古来から親しまれてきた魚だということがわかります。 また縄文時代の青森三内丸山遺跡から「アブラツノサメ」「ホシサメ」の歯が他の食用にされたものの骨と一緒に発掘されていることから、じつは「万葉」以前から私たちは「サメ」を食べていたことがわかります。
日本だけではなく、世界各国 とりわけヨーロッパの消費が多いということです。 イギリス、アイルランド、アメリカ、カナダ、オーストラリアあたりで漁獲され、自国消費分を除いたものはドイツ、フランス(requin)、イタリア(palombo=たぶんムキザメの意味?)、スペインに輸出されております。 アジアでも食べない国を探すのが難しいくらいだということで、人類の食生活に密着した魚といえないことはないでしょう。その理由として鮫の軟骨魚としての特性があげられます。軟骨魚には小骨がありませんので食べやすいのです。 また鮫臭さのもとである鮫体内のアンモニアのため、硬骨魚に比べて腐敗しにくいと言う点もあります。しかしなんといっても第一の理由は美味しいということでしょう。鮮度のよいものはくせがなくとても美味しいのです。
DHA(ドコサヘキサエンサン) 写真は「サメの醤油焼き」 サメすくめ サメなます モウカサメ心臓刺身 鮫の種類は300種くらいあるとのことですが、食用として美味といわれているものは、アブラツノサメ、モウカサメ(ネズミサメ)、ホシサメ、青鮫あたりです。他の国でもほぼ同じです。青鮫は青森でほとんど水揚げされませんのでここではアブラツサメ(英名SpinyDogfish)モウカサメ(同SalmonShark)を中心に、食べ方等を紹介していくことにいたします
アブブラツノサメ モウカサメ(ネズミサメ) ホシサメ ホシサメのむきさめ 小泊(こどまり)のモウカとカスペ(エイ) 青鮫の歯(うちの魔よけ?) 青森県人はよく鮫を食べます。津軽地方で「鮫」というと「アブラツノサメ」を、南部の野辺地から六戸、十和田では「鮫」は「モウカサメ」を指します。ただし同じ南部でも八戸は津軽と同じです。(ちなみに津軽、南部のさかいが野辺地らしい)「モウカサメ」を津軽では「カドザメ」と呼びます。(むかし加藤さんという方が扱った鮫ということからきているらしい)。モウカザメのページに由来が書いてあります。 ちなみに下の写真は商品化されたサメ加工食品。
資料提供 東京大学 農学部 水圏生産科学専修水産資源学研究室 中村雪光さま(教えてくれる人は自分にとって先生ですので、私は先生とお呼びしておりますが、ご本人の希望により敬称にかえさせていただきました。) |