在留資格
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 特集4 上陸特別許可












 

 過去に退去強制歴や犯罪歴がある人は、再来日はなかなかできません。しかし日本人配偶者の場合は、人道上の理由から、特別に来日が許可されることがあります。この許可を「上陸特別許可」といいます。しかし、この許可を得るのはとても難しいです。手続き自体は、通常の認定証明書交付申請と同じ形ですが、実際には、申請理由書や嘆願書等々様々な添付書類をつけ、真摯にお願いすることになります。

 具体的にはどんな人が入国できないのか、入管法5条に列挙されています。
 この中で多いのは次の4つです。
  
・日本の法令に違反して1年以上の懲役又は禁固刑を受けたことがある人
  ・出国命令制度を利用して1年経っていない人
  ・日本から退去強制されて5年経っていない人
  ・2回以上退去強制を受けて10年経っていない人

 例えば、日本人の夫と外国人の妻のケースで考えてみます。
 妻がオーバーステイで退去強制になり、現在5年間の日本への入国禁止中とします。この場合、退去強制になってから1・2年程度では、上陸特別許可をお願いしても、多くの場合は、やはり許可は難しいようです。もちろん個々のケースにもよりますが、1・2年位では、まともな審査すらしてもらえない、という印象があります。
 当面の間は、夫は外国の妻の元を度々訪れ、2人で過ごした写真や、妻の親族も交えた和やかな写真を残しておくなど、夫婦としての実績を作ります。また、平素から、電話の通話記録の明細や、手紙・電子メールのやりとりなどを整理し残しておきます。即ち、第三者である入管に夫婦の良好な関係を示せるよう、上陸特別許可を願い出る前に、これら説得力ある資料を準備しておきます。
 時期がきて、準備が整ったら、いよいよ入管へ許可を願い出ます。不許可になる公算は高いですが、たとえ不許可になってもめげず、例えば半年や1年後に、再び上陸特別許可を願い出ます。とにかく、許可が得られるまで頑張ります。

 2人の間に子がいることは一つの判断材料とはされるでしょうが、必ずいなければならない訳ではありません。事実、弊所でも、お子さんのいない夫婦で上陸特別許可が認められた事例が、過去数件あります。
 また、オーバーステイ1回のみという比較的軽微な場合ではなく、配偶者が過去複数回に渡って不法入国し、10年の入国禁止になっている場合でも、望みが無い訳ではありません。

 このように、再来日のために上陸特別許可という可能性は用意はされていますが、現実にはなかなか厳しいものがあります。もし今、オーバーステイ等の事由を抱えた外国人と日本人の夫婦がいる場合、摘発され外国人配偶者が日本国外へ出されると、上陸特別許可を得て再来日するのはとても困難です。また、仮に数年経ち上陸禁止期間が過ぎたとしても、申請して許可される保証はありません。そのため、オーバーステイ等の状況にある場合、摘発される前に夫婦で入管へ出頭して「在留特別許可」を願い出る方が、はるかにお勧めです。


●ご相談・ご依頼  
 弊所では、上陸特別許可の手続きを、11〜15万円でサポートしています
 少しでも早く配偶者を日本へ呼ぶために、具体的に何をどうしたら良いのか、弊所が上陸特別許可へ向けて力になります。
 
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●上陸特別許可を願い出るにあたってのヒントと言いますか、私自身の思うところを以下に記します。
  参考にして頂ければと思います。


 上陸特別許可について弊所に寄せられる連絡の数は少なくなく、様々な方が色々な事由を抱えていらっしゃいます。同情すべきケースもありますが、社会のルールを破ったということは事実です。再確認ですが、そのルールを破ったことに対してのペナルティーとして、退去強制等の制度があります。それに伴い、上陸が禁止されます。
 しかし、違反についての反省もそこそこに、いかに早く呼び寄せるか、ただその点だけに腐心している方が非常に多いように思います。確かにその点にばかり関心が向くのは止むを得ないことです。しかし、なぜ自分達がこのような状況になったか、についての考察が足りないように感じます。法律で定められたルールを破ったから現在の状況を招いたという事実について、まずは真摯に向き合うべきではないでしょうか。

 法を犯したものは、甘んじてペナルティーを受けなければなりません。
 
 厳しいようですが、申請云々の前に、今後のお二人の人生のためにも、まずは猛省が必要と考えます。これが全てのスタート地点です。中には、反省もなく「むしろ自分達は被害者だ」とばかりに不平をおっしゃる方もいます。「少し位いいではないか」、「このくらい皆やってるじゃないか」、「夫婦が離れ離れとはあんまりだ」、そのような声も聞きます。しかし、だからといって、脱法行為がそうそう簡単に覆されることにはなりません。これでは根本的な発想から問題がある、私はそう思います。

 非常に多くの人が社会を形成して同時に暮らしていく以上、随所に何らかのルールを設けていかないと、日々平穏に暮らすことができなくなってしまいます。我々現代人は、先人達が多くの過ちを経て築きあげてきた、法という社会の枠組みのおかげで生かされています。物質的な豊かさ、文明だけで現在の日々がある訳ではありません。法律という社会のルールは本当にとても重いものです。
 その法を破ったことに対して、一切の甘えを捨て、猛省し、言わば罪を償うという位の姿勢が必要なんだろうと思います。
5年なら5年と定められた禁止期間があるのに、「この位大したことないからいいよ」と、もし仮に簡単に許可が認められ、このようなことがまかり通るようになると、そもそも平穏な社会が成り立たなくなります。一旦こんなことが認められると、みかん箱に腐ったみかんを一個投げ入れるようなもので、世の中が万事こんな調子になり、我々の人間社会が成り立ちません。

 
 例えば5年の上陸禁止の方であれば、短くともせめて2年位はお待ちになるべきではないでしょうか。
 どうすれば早く呼べるか、という、ごく表面的手続的なテクニックに踊らされることなく、何年と真摯に反省し尽くした方であれば、おのずと書類の内容にもあらわれ、いずれは早期の許可という道も開けてくると思います。