ぼくの半分は嘘で出来ている。ぼくの血肉、毛髪一本、爪先の先まで構成している。
ところでぼくはきみがこわい。
きみの黒い目が見透かしているようでとてもこわい。
決してきみがぼくの悪事を知ることも知っていることもないのだけれど
きみがぼくを愛していることをわかっているのだけれども。
つるりと液体で覆われた黒目がぼくを侵す。
ぼくの嘘をどのくらいきみは知っているのだ。
どのくらい理解しているのだ。
盲目の信頼のどこまで嘘だ。
だってその目は知っているのだろう。
ぼくのつくった虚像などまるで覆いにはならないのだろう。
ぼくの半分は嘘で出来ている。
きみの見るぼくをぼくは理解できない。
2004/05/04
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