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 交差点を歩いている。

 信号は青。






交差点についての一考察いちこうさつ





 横断歩道を通る。交差点だ。十字路では左折右折しようと車が来て、そして歩行者が渡り切るのを待っている。
 歩行者には、小走りに行くひとも穏やかに歩いていくひともいる。

 まずは大きく二種類で考えてみる。
 急いで渡り切ろうとする人間と、気にせず普通に歩いていく人間だ。

 急いでいくひとは、当然、車を意識している。正確にいうと車の中の人間を。待たせている、早く渡らなければと小走りになるひともいるだろう。
 またここで二つに分けてみる。
 待っているひとに悪いから、という気持ちのひとと、グズグズするなと他人から苛つかれることが怖いひとだ。
 もちろんそんなに簡単には分けられず二つが混合した気持ちも多いだろう。どちらも他人の気持ちに意識を向けていることになる。

 では、のんびり歩くひと。
 全く周りに気がつかない、待たせているなんて思ってもいないひとと、歩行者が優先なんだから当然、と堂々と行くひと。

 しかし、そして、ひとは気分と体調に振り回されるものだ。

 体調不良でゆっくり歩きたいときもある。何か気に掛かることがあって周囲に注意がいかなくなっているときだってある。ふと悪いなと思って足早になるときだって。
 交差点を急ぐかのんびり行くかなど毎日それぞれ。

 無理してでも急ぐひとも、今日は疲れているから、というひとも。関係ないね、と歩いていくひとも。いろいろなひとが。

 だから眺めてみる。あのひとはどうするだろうか。
 急ぐだろうか歩くだろうか。小走りになるのは他人が怖いからか、待たせてはいけないと思うからか。気がつかないから歩いているのか分かっていて歩いているのか。

 少し疲れているとき、気分が落ち込んでいるときは。

 あのひとはどうするだろう。





交差点についての一考察
2005-2006/11/15

(あるいは人についての)











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