色眩む
2003/05/01
この季節は、少し眩し過ぎるのだ。
いやに爽やかな風と押し付けがましいほどの柔らかな暖かさ、
桜が咲いて散るのは一瞬でそれより余程色彩鮮やかな
自己主張の強い花々がそこかしこに現れ、
春の霞んだ空気の中に浮かび上がり網膜に入り込んでくる。
断りも無く勝手に!
アスファルトの地面を見て必至に前につんのめるようにして進む、
しかしその目にも微かなヒビ割れから顔出す緑が飛び込み存在を
主張する。
上を仰げば、並木の新緑!青空!
ああ、
悩んでいるのが馬鹿みたいではないか!
馬鹿みたいではないか!
若々しい葉はつるりと透明な黄の緑、
太陽の光を受け止め切れず裏まで透る、
地上へ透る。
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