隣にいること
「ホントに?」 「お前なあ…こんな嘘ついてどうするよ?」 「そんな素振り一度も…だって、ホントに?」 「俺たち生まれたときから一緒にいたよな。隣にいないなんてこと、考えられなくないか?」 「だって…私たち何となくそうなって、付き合ってるとかじゃなくて…だから…」 「お前は、なんとなく俺と寝たの?」 「違…!」 「俺は、ずっと俺のものにしたかった」 「そんなの…わかるわけないでしょ! いつもはぐらかして私ばっかり好きで」 「…そんなことない。本当は俺の方が…」 そう言うと彼は息を吸い込み目線を合わせた。 「好きだよ。いつもやさしく出来なくて…でも照れてる場合じゃないもんな。結婚しよう。このまま離れて、これから先、何の関わりもなく生きていくなんて、俺は嫌だ」 「……」 「俺と生きていくの、嫌か?」 彼女は声が出せずに頭を横に振った。 |