<関数とは?>

2つの変数x、yがあってIの値を定めると、それに対してyの値がただ1つ定まるとき、yはxの関数であるという。


<関数記号>

●一般にyがxの関数であることを yf() のようにあらわす。fはFunction(関数)

●関数の内容に応じて、式をg()、h()などの文字で使い分けて表してよい。

●関数 yf()について、x=aのときのyの値はf()で表す。

  例:I=2のとき  yf()=10x+2=22

[関数の値]

 *f()=2x2+3x−2、g(x、y)=x2−xy+3yのとき、次の値を求めよ。

   g(3、1)=32−3・1+3・1=9 答

   f(x−1)=2(x−1) 2+3(x−1)−2=2x2−x−3 答


<関数のグラフ>

関数y=f()が与えられると xの値を定めるごとに yの値が定まる。 座標平面上で、この対応によって定まるxとyの値の組(x、)、すなわち点(x、())を座標とする点全体の集合(図形)を関数y=f()のグラフという。したがって、点(a、b)が関数y=f()のグラフ上にあることは、関係b=f()が成りたつ。 y=f()のIの値に1、2、3、4、・・・・で代入してIの値をどんどん変化させると、yの値もそれに対応して変化する。その変化をグラフに表したものが関数のグラフである。


<座標平面>

座標軸x、yの定められた平面を座標平面という。座標平面上の点Pの位置は2つの数の組(a、b)で表される。この組(a、b)を点Pの座標という。座標平面は座標軸で分けられた4つの部分をそれぞれ1象限、第2象限、第3象限、第4象限という。

注意:座標軸上の点はどの象限にも含まれないです。



<定義域・値域>

関数y=f()において、Iの変域をとくに指定して考える必要がある場合、
変数Iの変域をこの関数の定義域という。

また、xが定義域内のすべての値をとるとき、
()がとりうる値の範囲を この関数の値域という。

つまり、xの変域が定義域、yの変域が値域。
図はy=−
0.5x+10の例で、変域が0≦x≦20 のとき、値域は0≦y≦10です。



<最小値・最大値>

関数の値域に最大の値があるとき、これをこの関数の最大値という。また
値域に最小値があるとき、これをこの関数の最小値という。
上の関数では、値域が
0≦I≦20なのでx=0で最小値、x=20で最大値をとる。

 例:y=3x22 (−1<x≦3)の最大値、最小値があればそれを求めよ。

   y=3・(−1)−2=−5、  y=3・3−2=7

   その値域は−5<y≦7  よって、x=3で最大値7をとる。

    *xは−1を含まないので、最小値はない。 


<1次関数のグラフ>

y=ax+bのグラフ 
    aは傾き、bはy切片
(y軸上の切片)
    
a0のときは右上がり、a0のときは右下がり。

関数y=bのグラフ: 
    傾きが
0、y切片がb、y軸に垂直な直線である。
    なお、関数y=bは1次関数ではない。定数関数という。



2次関数のグラフ>

2つの変数x、yがあって、yがxの2次式で表される関数を xの2次関数という。

2次関数の一般形:

     y=ax2+bx+c a、b、cは定数 a≠0

  ・下記の式は2次関数である。

       y=2x、y=−5x1、y=3x+2x+1


<y=axのグラフ>

*y=axのグラフは原点を通り、y軸について対称な放物線。

y=x 、y=−x、y=2x、y=−2x、y=、y=−のグラフをみてみよう。

●このグラフのような左右対称な形の曲線を放物線という。

●曲線が対称の軸と放物線の交点をその放物線の頂点という。

●a>0のとき 下に凸、 a<0のとき 上に凸である。

次にy=2について説明しよう。上の式でいうと 2、−1、2、−2、、−などがにあたるね。

●aの絶対値が大きくなると、グラフの開き方は小さくなる (y軸に近づく)

●aはグラフの形を制御する(放物線の開き具合とか、上に凸とか)ものです。

●a>0のとき 下に凸、 a<0のとき 上に凸である。

y=ax2のグラフ: 

  軸はy軸、頂点は原点  a>0のとき下に凸、a<0のとき上に凸

                 



<y=ax+qのグラフ>

*y=ax2をy軸方向にqだけ平行移動したものである。

  軸はy軸、 頂点の座標は(0、q)である。

    例:y=x2+2 のグラフで、頂点の位置を確認して。→



<y=a(x−p) 2+q のグラフ>

*y=ax2をx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動したものである。

  軸の方程式は I=p、頂点の座標は 

●つまり、(p、q)を原点とみてy=ax2のグラフをかけばよい。



<y=ax+bx+cのグラフ>

*y=ax2を平行移動したものである。

●一般に2次式ax+bx+cを(x−p) 2+qの形に変形することを平方完成するという。言い換えると2次式を 完全平方定数 の形に変形することを平方完成するという。

ポイント: 2次式ax+bx+cは 基本形a(x−p) 2+qに直そう。  

参考:一般の2次関数y=ax2+bx+cは次の手順でy=a(x−p) 2+qの形に平方完成することができる。

   

    頂点は点    は直線x= 

    *必ずy軸と点(0、c)で交わる。

例:y=−3x+9x−5のグラフの頂点の座標と軸の方程式を求め、グラフを書け。

  y=−3x+9x−5

   =−3(−3x)−5

  

  

  よって 頂点の座標は 、軸の方程式はx=

2次関数y=ax2+bx+cのグラフについて

  x=0とおくと、y=−5となる。→グラフはy軸と必ず交わる。交点は点(0、−5)

  y=0とおくとax2+bx+c=0 →この方程式が実数解をもてばそれがx軸との共有点のx座標になる。

 グラフは対称なので、y=−5となるのは、−より=3 下の解説参照

           x=3、0のとき y=−5である。



<平方完成>

とても重要です。方程式を平方完成すると、頂点の座標がわかります。

y=a(x−) 2

          すると、頂点は()である。

例:y=3(x−5) 2+2 の頂点の座標は? ← 上の平方完成の式と同じ形ですね。

  ●( ) 2( )の中を0にするxを求めればよい。x−5=0  → x=5

  ●にあたる部分はここの数字がそのまま頂点のy座標である。→ y=2

    よって、頂点の座標は(5,2) となります。


<y=a(x−α)(x−β)のグラフ>

y=a(x−α)(x−β) (α≠β)のグラフは、x軸と交わる点が(α0)(β0)である。 これからグラフの対称性により、軸の方程式が求められる。軸は x= です。(補足参照) 軸の部分が頂点になるから、x=の値を与式に代入する。それにより、頂点の座標がわかる。

補足:x=2、8であるとき、その範囲のど真ん中が軸になる。よって、x= とすると、丁度xの交点間のド真ん中の値(軸)が求められる。

 解説 ax+bx+cの平方完成によりax+bx+c=より、I軸は−である。

「解と係数の関係」より、2次方程式ax2+bx+cの2つの解をα、βとすると

α+β=である。なぜそうなのか?

ax2x+=a(x−α)(x−β)=ax2−a(α+β)x+aαβ

これにより、=−a(α+β)=aαβである。

b=−a(α+β) → −aを移行→ α+β= ← なぜ同値か? 

それの−a(α+β)で代入すると → α+β= ほら、同値である。

●以下の方法は係数が複雑で平方完成が難しい場合に特に有効である。

y=ax2+bx+c=ax(x+)+cより、y=cとなるのはx=0、−である。

具体例でいうと、y=2x−4x+3で、y=3となるのは、2x−4x=3 より

2x(x−2)=3で、 x=0、2(つまり−)のときである。

グラフの軸の方程式x= は、I軸の交点間0〜−のど真ん中が軸であるので、を2で割ればよいので、軸の方程式はx=となる。

  したがって、x=−=−  となる。 You got it?

例:y=2x−4x+3を平方完成する。

    y=2x−4x+3

     =2(−2x)+3

     =2{(x−1) −1}+3

     =2(x−1) −2+3

     =2(x−1) +1

 別解) y−q=f(x−p) つまり、y=f(x−p)+qより、
     y−2=2(x−3) −4(x−3)+3→ y=2x−16x+35

例:y=(x+2)(x−4)のグラフの頂点の座標と軸の方程式をもとめて、グラフをかけ。

  y=0とおくと、x=−2、3 です。 グラフとx軸との交点は(−2、0)(40)です。

  グラフの対称性により、軸の方程式は x=だから

  x=  ゆえに軸の方程式 x=1 

  これを与式に代入して、y=(1+2)(1−4)=−9

  

   したがって、頂点の座標は(1,−9)


<グラフの平行移動>y=f(−p)+q

ポイント@:y=ax+bx+cを平行移動してもaは変わらない!!

ポイントA:以下の2つの方法がある。    

      ●頂点の座標をもとめたやり方(平方完成)

      ●y=f(x−p)+q の式を使うやり方。(下記参照)

 *x軸方向にpy軸方向にqだけの平行移動によって

 方法@(a、b)は点(a+、b+)に移る。

  方法Ay=f()のグラフは y=a(x−) 2 のグラフになる。

    

例:y=3x4x+3をI軸方向へy軸方向へ−平行移動したときの放物線の方程式をもとめよう。

  方法@でのやりかたで解いてみよう。

  与式を平方完成するとy=3(x−)=3(x−)
  →頂点の座標は()→ 移動後の頂点の座標は()(11)
  よって、y=3(x−1) +1 方程式は→y=36x+4

   方法Aのやりかたでやってみよう。 

  y−()=3(x−)4(x−)3 →y=36x+4

例:y=−xを(3,−2)だけ平行移動したものを求めよ。

  y−(−2)=−(x−3)      ∴y=−(x−3) −2

例:y=2x−4x+3をx軸方向へ3、y軸方向へ2、移動した場合。

  y=2(−1) +1より頂点の座標を求め

   (1,1)(1+3、1+2)() よって、

   y=2(−4) +3→ y=2x−16x+35

 
:放物線y=3x−6x+5をx軸方向にs、y軸方向にtだけ平行移動させると、放物線y=ax+12x+16となる。このとき、a、s、tを求めよ。

 y=3x−6x+5・・・・・@

 y=3x+12x+16・・・・A←「平行移動してもaは変わらない!」のでa=3

 @より、y=3(x−1) +2 よって、頂点は(1,2)

 Aより、y=3(x+2) +4 よって、頂点は(−2、4)

  xの移動量:−2−1=−3 よって、x軸方向に−3

yの移動量:4−2=2   よって、y軸方向に2

  a=3、s=−3、t=2 答

例:y=−x+4x+5についてx軸との交点の座標を求めよ。

  −x+4x+5=0 とおく。

  x−4x−5=0 → (x+1)(x−5)0  よって(10)(5、0)

例:y=2x−4x+3を平行移動させたもので、2(2、−11)(1、4)を通る。

   *2次の係数2は平行移動しても変化しない。

   よって、y=2x+bx+cに2点を代入してb、cを連立でもとめよう

   −11=2・(2) (−1)b+c → 8−b+c=−11

   4=2・1+1・b+c → 2+b+c=4

        b=7、c=−5  ∴y=2x+7x−5



<グラフの対称移動>

(a、b)とすると

 @x軸に関して対称移動した放物線の方程式  y=()  →点(a、−b)

 Ay軸に関して対称移動した放物線の方程式  y=f()  →点(−a、b)

 B原点に関して対称移動した放物線の方程式  y=() →点(−a、−b)

    

I軸に対称

y軸に対称

原点に対称

(a、b)

(a、b)

a、b)

a、b)

グラフy=f()

y=()

y=f()

y=()


例:y=x6x+11のグラフを(1)I軸、()y軸、(3)原点のそれぞれに関して対称移動した曲線をグラフにもつ2次関数を求めよ。

(1)    y=−f()より y=−(6x+11)   → y=x6x−11

(2)    y=f(−x)より y=(−x)6(−x)11 → y=x6x+11

(3)    y=−f()より y=−{(−x)6(−x)11}→ y=−x6x−11

また、下記のように考えてもよい。2次関数y=ax+bx+cのグラフは、頂点の位置とxの係数aで決まる。

基本形はy=(x−p) +q  頂点(p、q)で位置、そしてaで形が定まる。

(別解) 基本形に直す→y=(x−3) 2  これにより、頂点の座標は(32)

   I軸の対称移動: (32)(32)    −a ⇒ y=(x−3) 2

   y軸の対称移動: (32)(32)    a ⇒ y=(3) 2

   原点の対称移動: (32)(3、−2)  −a ⇒ y=(3) 2

例: 放物線y=x2x−3をI軸に関して対称移動して得られる放物線の方程式は?

   グラフもかけ。

   y=x2x−3・・・・@

   y=(x−1) −4 ←頂点の座標は(1、−4)

そして y=(x+1)(x−3) ←x軸との交点はI=−1、3

   @の対称移動は、y=()より、

   y=−x+2x+3・・・・A



数学目次へ→