2次関数の最大・最小>

関数の値域に最大の値があるとき、これをこの関数の最大値といい、値域に最小値があるとき、これをこの関数の最小値という。

 

*定義域などに制限がある場合を含めて、最大値・最小値に関する問題では  

   2次関数y=ax+bx+c(a≠0)の最大値または最小値は

     基本形: y=a(x−p) +q の形にすること。

*最大・最小なら2次関数を基本形y=a(x−p) +q の形にする。理由は、最大・最小は軸の位置によって決まるからです。

            

2次関数y=ax+bx+cのグラフは定義域が実数全体のとき

   ●a>0のとき x=pで最小値 (最大値はない)

   ●a<0のとき x=pで最大値 (最小値はない)

で、それはグラフの頂点のy座標である。 つまり、

 x=pのとき、それのy座標が最小値・最大値をとる。

 

    


<定義域が制限されている場合>

定義域に制限があるときは、その制限のxの範囲でyの値の変化を調べて、最大または最小を求める。 定義域(緑の矩形)内にある放物線の最小・最大をみつける。

 ●最大・最小は軸から遠く離れたx点が最大(a>0)、または最小(a<0)となる。

 ●2次式は基本形a(x−p) +qに直してグラフを描く。

 ●グラフの頂点のI座標(軸x=p)と両端のyの値を比較して最大・最小を決める。

 ●軸の位置により下図のパターンで最大・最小が変わる。(下図はa>0のとき) 

   a<0の場合、グラフが上に凸で、最大・最小が入れ替わる。

     軸がb≦x≦jのどの位置かに注目。

     a>0の場合、放物線の軸と変域の中心の位置が一致しているところを境にして、その放物線の軸位置変域(定義域)の中心点との位置により、その軸位置とは反対側の変域の最端点が最大となる。例えば、下図で変域(定義域)の中心点より軸が右側にあれば、x=bのときy座標が最大値となる。下図参考!

 ●a>0ののときに最小値を求める場合、軸が変域内にあればx=p(頂点)で最小となり、区間外に軸があるときは軸に近い端で最小となる。下図参考!

      

  

:関数y=−2x+4x−5(0≦x≦3)最大値・最小値を求めよ。

 y=−2x+4x−5を変形して、y=−2(x−1) 3 頂点は(1、−3)

  x=0のとき y=−2・0+4・05=−5 y=−5 (左端の値)

  x=3のとき y=−2(3−1) −3=−11 y=−11 (右端の値)

 よってx=0で最大値―5、x=3で−11


   

<区間の一端が動く場合>

変域(定義域)の一端が変数となり、その変数の増加で変域が広がり、最大値・最小値を判断するには、各場合のグラフを描き、区間の両端の値を比べる。ポイントは放物線の軸と変域の中心の位置が一致しているところ()を境にして、その放物線の軸と変域の中心点との位置により、最大値・最小値を判別する。

0≦x≦aにおける関数 y=−24x+1の最小値を求めよ。

 *上に凸のグラフになるのです。軸と定義域の左端が固定してます。ポイントは変域(定義域)の両端で同時に最小値を取る場合(放物線の軸が定義域の中央と一致するとき)、つまりf(0)=f()となるaの値です。その値を基準にして考えていこう。この基準になる値aは(放物線の軸が定義域の中央点と一致するとき)、軸の方程式の2倍なので、

 関数を変形して、y=−2(x−1)3 頂点は(1、3) 

軸の方程式はx=1 → a=2  ←これを基準に考える。

(変域0≦x≦aの中央値x=が軸x=1に一致するのでa=2x よって、a=2) 

ここから、aの値での場合分けをして、最小値を求めます。

ア:0<a<2のとき

   変域の左端、すなわちx=0で最小となり、yの値が最小値。よって1をとる

 イ:a=2のとき

   変域の両端、すなわち、x=02で最小となり、yの値が最小値。よって1をとる

 ウ:2<aのとき

   変域の右端、すなわち、x=aで最小となり、最小値−2a+4a+1をとる。

 ア〜ウをまとめると、0≦x≦aにおける最小値は

   0<a≦2のとき  最小値 1

   2<aのとき  最小値 −2a+4a+1

      

:0≦x≦1における関数y=x−2pxの最小値を求めよ。 

  下に凸のグラフです。軸が変域内に含まれる場合、頂点が最小値。そうではない場合、両端のいずれかが最小値となる。よって、場合分けする。 

関数y=x−2pxを変形して、

y=(x−p) −p   頂点は点(p、−p)、 軸x=p

この軸x=pが0≦x≦1の変域に含まれるか否かで場合分けする。

補足:x−2px=x(x−2p) よりx=02p←x軸の交点

   x=1のときx−2px=1−2p・1=1−2p←x=1のときのyの値

ア:p<0のとき 

   変域の左端(x=0)で最小となり、yの値が最小値。よって0をとる。

イ:0≦p<1のとき  

   頂点が変域内に含まれるのでx=p(頂点)で最小となる。

    yの値が最小値なので、最小値−pをとる。

 ウ:1≦pのとき  

    変域の右端(x=1)で最小となり、yの値が最小値。最小値1−2pをとる。

 まとめると、答:p<0のとき 最小値0

         0≦p<1のとき 最小値−p

         1≦pのとき 最小値1−2p

      

 では、上の例題の最大値は?グラフが下に凸であるから、変域の中心位置を境にして軸の位置と反対側の最端で最大値をとる。放物線の対称性により、変域0≦x≦1の中央位置がx=(軸x=pなので)  
 ア:p<
のときx=1で最大値1−2p 

 イ:p=のときx=0,1で y=02*p*0=0, y=12**1=0 よって最大値0

 ウ:>pのときx=0で最大値0

 まとめると、  p<のとき最大値1−2p、≦pのとき最大値0


<区域全体が動くとき> 

グラフが下に凸のとき、t≦x≦t2のように定義域が変数であるとき、区間の幅は2である。この区間の中央位置と関数の軸の位置を比べて、軸が区間の中央の点と一致していない場合、軸の反対側にある定義域の最端が最大値。軸と同じ側の定義域の端が最小値である。

例:t≦x≦t+2においての関数f()24+3の最大値M()および最小値m()を求めよ。 

()=2(x−1)+1 軸はx=1、頂点は(1、1)、t≦x≦t+2の中央値は+1

 x=tのときのy座標の値(このyがx=tのときの最大値か最小値になる)は、

()2−4t+322−4t+3

 x=t+2のときのy座標の値は、

(+2)2 (+2)4 (+2)32+4t+3

 最大値は、

 ア:t+11 すなわちt<0のとき M()() ←x=tのy座標が最大値

 イ:t+11 すなわちt≧0のとき M()(+2) ←x=t+2のy座標が最大値

 最小値は、

 ウ:t+21 すなわちのとき m()(+2)

 エ:t≦1<t+2 すなわちt≦1かつ1<t+21<t よって、−1<t≦1のとき

        m()(1) 

 オ:1<tのとき m()()

        

答: ()22−4t+3 (t<0)

   M()2+4t+3 (t≧0)

   m()22−4t+3 (t<−1)

   m()1 (1<t≦1)

   ()22−4t+3 (1<t)




<グラフが動く場合>

例えば、y=−3(x−p) +5(0≦x≦4)では、軸の方程式は I=pである。pの値によって、軸位置が変わる。最大・最小は、p>0(定数)という条件で、

*軸I=pが区間0≦x≦4の内か外か ←pと4の大小 (p>0より)

 *軸I=pが区間の内ならば、区間の中央に対して軸が左か右か ←pと2の大小

 で決まる。

上記より場合分けしてグラフより最大・最小をもとめる。

例: p>0(pは定数)として、関数y=−(x−p) +4 (0≦I≦2)について、その値域をpの値によって場合分けして求めよ。 

 *pは軸なので、値域をもとめるには軸位置で変化する最大・最小を求める。

  また、この放物線はすでに基本形:y=a(x−p) +qの形ですね。 

  値域はxの定義域内でf()がとりうる値(y座標)の範囲。

 関数y=−(x−p) +4は 上に凸のグラフです。 軸はx=p 

 またx=0のときy=4+p、x=pのときy=4、x=2のときy=p(p+4)をとる。

 場合分け: 

  *軸I=pが区間0≦x≦2の内か外か→ 

       0<pより→ 0<p≦2、 2<p(区間の外側)

  *軸I=pが区間の内ならば、区間の中央に対して軸が左か右か (区間の中央は1)→ 

       0<p<1(区間の中央より左側)、 1≦p≦2(区間の中央より右側)

  そこで、0<p<1、1≦p≦22<pのように場合分けする。

  次に各場合分けのグラフより最大・最小を求める。

  下図より、ア:0<p<1のとき値域は p(p+4)≦y≦4

       イ:1≦p≦2のとき値域は 0≦y≦4

       ウ:2<pのとき値域は 0≦y≦p(p+4)

      


<最大・最小から係数決定>

 *最大・最小なら2次関数を基本形y=a(x−p) +q の形にする。最大・最小は軸の位置によって決まるからです。 また、aの正負が不明のとき、a>0、a=0、a<0場合分けして最大値、最小値を考えよう。簡単にグラフを描いて軸との距離で定義域の端が最大・最小なのかを決める。また場合に分けたら、場合の条件の確認も正確に行う。

例: 関数f()=ax+2ax+b(−2≦x≦1)の最大値が6、最小値が2のとき定数a、bの値を求めよ。

 f()=a(x+1) −a+b  軸x=−1

      

 a>0のとき  グラフより、x=−1で最小、x=1のとき最大となる。

   したがって、f(1)=a−2a+b→ f(1)=−a+b=2

         f(1)=a+2a+b→ f(1)=3a+b=6

   これを解くと a=1、 b=3 これはa>0を満たす。

 a=0のとき f()=b 一定となり、問題の条件を満たさない。

 a>0のとき グラフより、x=−1で最大、x=1のとき最小となる。

   したがって、f(1)=a−2a+b→ f(1)=−a+b=6

         f(1)=a+2a+b→ f(1)=3a+b=2

   これを解くと a=−1、 b=5 これはa<0を満たす。

     答:  a=1、b=3 または a=−1、b=5


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