不等式
不等号をもちいて数の大小関係を表した式。 不等号の左側の数や式を左辺、右側の数や式を右辺、両側を両辺という。
<不等式の解>
たとえば変数Iについての不等式で、その不等式を成り立たせるようなxの値をその不等式の解という。不等式の解のすべてを求める事を不等式を解くという。
<1次不等式>
変数xについての不等式で、ax>b、ax<b、ax≧b、ax≦bのいずれかの形になる不等式をxについての一次不等式という。
<1次不等式の解き方>
1:かっこをはずす
2:係数の分数、小数は両辺に適当な数を掛け、係数を整数にする。
3:移行する。変数xの項は左辺に。定数項は右辺に。
定数項とは:方程式で未知数を含まない項。また、多項式で変数を含まない項。
3:両辺をそれぞれ整理して、ax≦b などの簡単に形にする。
4:両辺を 変数xの係数aで割る (aの正負で不等号の向きが変わるので注意)
<不等式の基本的性質>
ア:2つの実数a、bについては、a>b、a=b、a<bの3つの関係のどれか1つだけが成り立つ
イ:a>b、b>c ⇒ a>c
ウ:a>b ⇒ a+c>b+c、a−c>b−c
エ:a>b、c>0 ⇒ ac>bc、 ![]()
オ:a>b、c<0 ⇒ ac<bc、![]()
* 不等式では、両辺に同じ負の数を掛けたり、割ったりすると不等号の向きが変わります。
例 5>3 両辺に4を掛ける⇒ 5×4 > 3×4
例 5>3 両辺に−4を掛ける⇒ 5×(−4) < 3×(−4) → −20<−12
例 −3x>15 両辺を−3で割る⇒ I<−5
例 A<B<C ,x<y<zならば
A+x<B+y<C+z また、 A−z<B−y<C−x
例 0.5x+0.9>x−0.2
両辺に10を掛けて 5x+9>10x−2 → 5x−10x>−2−9 → −5x>−11
両辺を−5で割ってx< ![]()
*「 A≧B 」は「A>B または A=B」ということ。
<実数の大小と差の正負>
a−b>0 ⇔ a>b a−b<0 ⇔ a<b
<正の数の大小と平方の大小>
a>0、b>0のとき a2>b2 ⇔ a>b
a2≧b2 ⇔ a≧b
<連立不等式>
連立不等式の解き方:
@それぞれ別個に不等式を解く
A最後にすべての不等式の解をあわせて共通範囲をもとめる
例 5x−2≦x≦3x+2
5x−2≦x → 4x≦2 → x≦
・・・・@
x≦3x+2 → −2x≦2 → x≧−1・・・・A
@とAの共通範囲をもとめて −1≦x≦ ![]()
例 
@ 6x−1≦3x+9 →6x−3x≦10 → ![]()
A 両辺に3掛けて → 6x+9>5−2x−12 → 
→ 6x+2x>−16 →8x>−16 → x>−2
@とAの共通範囲をもとめて −2<
<分数不等式>
例
>0 → x・(x−2)>0 ←両辺にx2を掛けると不等号の向きは同じになる
<相加相乗平均の不等式>
*ax+
の形の分数の最小値を求めるときに役立つ。
→両辺に2を掛けて→
相加平均 相乗平均
例 I+
の最小値とそのときのIの値を求める。
I+
≧2
≧2
≧2ということは
=2でもある。両辺にIを掛けて(等式なのでx2をしなくてよい)
x2−2x+1=0 → (x−1) 2=0 よってx=1