2次方程式

一般形　ａｘ²＋２ｘ＋ｃ＝0　　（ａ、ｂ、ｃは実数、ａ≠0）

　　　の形で表される方程式を�Iの２次方程式という。

　　　　　　ａｘ²＋２ｘ＋ｃ＝0･････つまりＹ＝0のとき、ｘの値をもとめる式

　　　

＊＊覚書＊＊

方程式･･･　文字ｘについての条件を等式で書いたものが、ｘについての方程式である。

与えられた等式（方程式）を正しく満たす変数の値（変数に代入された値）のことを方程式の解という。また、方程式の解を全て求めることを方程式を解くという。

一次方程式は　�@ただひとつの実数解をもつ　�A不定解をもつ　�B解なし　　の３つ。

不定解：解が無数に存在する
平方完成：二次式において(Ｘ＋ｂ)^２の形の項を作り出す変形のことを平方完成（基本変形）という。2次関数には必需。式を因数分解(ｘ＋ｂ)²＝0出来ないときに、無理に因数分解して、つじつまの合わない定数を方程式が成り立つようにあとで調整したもの。　今は簡単に触れておく。2次関数のところで詳しく説明する。

　例　Ｘ²＋8Ｘ＋４＝0を解くとき、公式より導いて(Ｘ＋Ｐ)²の式をつくること。

　　　　8Ｘの8を２で割って４だから、(Ｘ＋4)^２　これは展開するとＸ^２＋8Ｘ+16である

　　　　与式の定数項の−11をつじつま合わせして、(Ｘ＋4)^２−11＝0

　　　　　　＊この(Ｘ＋4)^２−11＝0　は　Ｘ²＋8Ｘ＋４＝0　と同じ値である。

　例　Ｙ＝２Ｘ²−4Ｘ　⇒　Ｙ＝２(Ｘ^２−２Ｘ＋1)−2　⇒　Ｙ＝２(X−1)²−2

＜2次方程式　ａｘ²＋２ｘ＋ｃ＝0　の解き方＞

＊因数分解による方法　

　　　２次方程式は左辺が因数分解できれば、次の性質によって解いていける。

　　　　　　　ＡＢ＝０　　ならば、　　   Ａ＝０　または　Ｂ＝０

  　　例　　ａｘ²＋２ｘ＋ｃ＝(ｐｘ＋ｑ)(ｒｘ＋ｓ)　(ｐｒ≠0)のとき

　　　　　　方程式(ｐｘ＋ｑ)(ｒｘ＋ｓ)＝0　の解は　ｘ＝−　、−

＊平方根を利用した解き方　→　Ｘ ² ＝ ｋ　の形にする方法

  　平方根の定義から次のように２次方程式を解いてもよい。

　　　　　ｋ＞0　のとき、　方程式Ｘ ² ＝ ｋの解は　　�I＝±

　　�@　方程式ｘ²＝ａ　(ａ＞0)　の解は　

　　�A　方程式(ｘ−ｐ)²＝ｑ　(ｑ＞0)の解は　

＊2次方程式の解の公式を使っての解き方

　　　　

　　

＜2次方程式の実数の解の個数＞

　判別式Ｄ････2次方程式の解の個数を判別　　Discriminant(判別式)

　2次方程式　ａｘ²＋ｂｘ＋ｃ＝0　(ａ,b,cは実数)の解について　Ｄ＝ｂ²−４ａｃの判別式で、解の個数を判別する。２次の係数に文字を含むときは、特に注意。

　判別式Ｄが使えるのは、２次方程式のときに限られる。

　　つまり、判別式の利用　→　２次の係数≠0の条件のときのみ。

　　Ｄ＝ｂ²−４ａｃ＞0　⇔　異なる２つの実数解をもつ。　つまり解の個数は２個。

　　Ｄ＝ｂ²−４ａｃ＝0　⇔　重解をもつ。　つまり解の個数は１個。　(実数解をもつ)

　　Ｄ＝ｂ²−４ａｃ＜0　⇔　異なる２つの虚数解をもつ。　つまり解の個数は０個。

＜２次方程式を解くときのコツ＞

＊　()をはずし、係数の分数、小数を含む場合は適当な数を両辺に掛けたり、割ったりして、整数の係数に直し、因数分解、解の公式などで解く。�Iの値を求めるんだから式を簡素化しよう。　

＊　�I²の係数が負のときは両辺に−1を掛けたほうが因数分解しやすいのがある。

＊　因数分解ができなければ解の公式を使うのがよい。

＊　問題文に「重解をもつ」「異なる２つの実数解をもつ」とあれば判別式をつかう。

＊　２次方程式の共通解とは、下の�@�Aの２つの２次方程式の場合、�I＝２が共通解です。

　　　�@の２次方程式の解が　�I＝2,3　　�Aの２次方程式の解が　　�I＝5,2

＊　２つの２次方程式の共通解を扱う問題は�@の解が簡単に求められるなら、その解を�Aに代入して共通解であるかを確かめればよい。もし、�@�Aの解が簡単に求めきれないときは、共通解�Iを�I＝αと置いて解いていく一手である。

＊　２次方程式と問題にあるくらいだから、�I²の係数ａが0だと、２次方程式ではなくなるので、ａ�I²の係数はａ≠0の条件である。問題文に単に「方程式」とあれば、ａ�I²の係数はａ＝0、ａ≠0の条件で解答する。

＊　以下は簡素化の例

例：　

　　　例：　



＜基本例題＞

　�@３�I²−7�I−6＝0　　左辺を因数分解して　

(3�I＋2)(�I−3)　ゆえに�I＝3、

　　�A5�I²−18＝0　　移行して、
　　　　�I²＝

　　�B�I²＋2�I＝4　　両辺に1を加えて　�I²＋2�I＋1＝5

　　　よって　(�I＋1)²＝5　　　ゆえに�I＋1＝±　　　したがって�I＝−1±

　　�C２�I²＋３−6＝0　　左辺を因数分解して

　　(２�I−)(�I＋２)＝0　�I＝

　　�D　　
　　　
　　　両辺を１２倍して　３�I²＋4�I−6＝0　　
　　　因数分解できないので

　　　　　解の公式で解いて　　

＜方程式の解から係数の決定＞

　�I²＋ａ�I−３ａ＝0　の�Iの解がわかっていて、係数ａの値をもとめたいとき、�I＝αならば、方程式の�Iを解αで代入して　係数ａが求められます。それは、複数の方程式でも同じです。

例　２つの２次方程式ａ�I²＋ｍ�I＋8＝0、�I²−ａ�I＋ｍ＋＝０が、ともに�I＝-4を解に持つとき、定数ａ，ｍの値を定めよ。

　　２次方程式なのでａ≠0、　�I＝−4なので

　　　　ａ・(−4)²＋ｍ・(−4)＋8＝０　　16ａ−4ｍ＋8＝０　→4ａ−ｍ＋2・・・・�@

　　　　(−4)²−ａ(−4)＋ｍ＋6＝０　　　　　４ａ＋ｍ＋22＝０　・・・・�A

　　　　�@−�Aから　　　　　　　ｍ＝−10

　　　　�Aのｍに−8を代入して、　４ａ−10＋22＝0
　　　　よって　ａ＝−3　(ａ≠0を満たす)　

＜２次方程式の解の判別式＞

2次方程式　ａｘ²＋ｂｘ＋ｃ＝0　(a,b,cは実数)の解について、判別式Ｄ＝ｂ²−４ａｃの判別式で、解の個数を判別する。

　＊問題文に「重解をもつ」「異なる２つの実数解をもつ」とあれば判別式をつかう

　＊問題に2次方程式とあれば、ａ≠0の条件

　　　　　方程式とあれば、ａ≠0、ａ＝0の条件(この場合、解は1個のみ)

　　Ｄ＝ｂ²−４ａｃ＞0　⇔　異なる２つの実数解をもつ

　　Ｄ＝ｂ²−４ａｃ＝0　⇔　重解をもつ　　(実数解をもつ)

　　Ｄ＝ｂ²−４ａｃ＜0　⇔　異なる２つの虚数解をもつ

　　のとき 

＜判別式での解き順＞

�I²＋ｋ�I＋9＝0が重解を持つような定数ｋと解をもとめる・・・の例

問題に「重解をもつ」とある。→　重解の条件　Ｄ＝0　→　Ｄ＝ｋ²−36＝0　→
　　　　　→　ｋ＝±6　→　ｋの値が6と−6の場合で2次方程式に代入　

　　　　ｋ＝6のとき　(�I+3) ²＝0より�I＝−3

　　　　ｋ＝−6のとき　(�I−3) ²＝0より�I＝3　

＜文字係数の方程式＞

０･�I＝0　→　�Iは全ての数　　　　　　　0･�I＝2　→　解はない！

（ａは定数）ａ�I²−2ａ�I−ａ＋2＝0　⇒　(ａ�I−1)(ａ−2)＝0

　　ａ≠0、ａ≠2のとき　　�I＝

　　ａ＝0のとき　　　　　0・�I＝−2　　解なし

　　ａ＝2のとき　　　　　0・�I＝0　全ての実数

　　　　　　答　ａ≠0、ａ＝2のとき　�I＝

　　　　　　　　ａ＝0のとき解なし　　ａ＝2のとき解は全ての実数

＜解と係数の関係＞

２次方程式の２つの解の和と積は、３つの係数で表せる。

　２次方程式　ａｘ²＋ｂｘ＋ｃ＝0　の２つの解をα、βとすると

　　α＋β　＝　　　　　　α・β　＝　　　　　

　２次方程式　2�I^２−6ｍ�I＋3ｍ＋1＝０の１つの解が他の解の２倍であるとき、定数ｍの値を求めよ。

　解）　α＋２α＝　　　３α＝3ｍ　　　ｍ＝α････�@

　　　　α・２α＝　　α^２＝････�A

　　　　�@を�Aに代入　4ｍ^２−3ｍ−1＝0　→　(4ｍ＋１)(ｍ−1)＝0　　　ｍ＝1、答

＜方程式の共通解＞

　２つの方程式の共通解を扱う問題では、一方の方程式の解が簡単に求められるなら、その解を他方の方程式に代入して、共通な解であるのか確かめれば良い。　しかし、解を簡単に求められない場合は共通解をｘ＝αとおいて、方程式に代入する。そして、その２つの方程式のαや他の文字についての連立方程式とみて解く。また、条件式にも注意。

例　２つの２次方程式�I^２＋ｋ�I+4＝0、　�I²＋�I＋ｋ＝0が共通の解を持つように定数ｋの値を定め、その共通解を求めよ。

　解）共通解を�I＝αとおく。

　　　�@−�A×２より　ｋα−2α＋4−2ｋ＝0　→(ｋ−2)α−2(ｋ−2)＝0　→(ｋ−2)(α−2)＝0　　

　　ｋ＝2のとき　２つの方程式はともに�I²＋�I＋2＝0で同じ方程式になる。しかし、

　　　D=1²−4・1・2＝−7＜0　であるので、実数解をもたない。

　　α＝-2のとき　�Aから、2²＋2＋ｋ＝0　よってｋ＝−6

　　　このとき2つの方程式は２�I²−6�I＋4＝0、�I²＋�I−6＝0となり、

　　　　　�I＝２は共通解である。　　　　　　答　　ｋ＝−6、共通解は�I＝2

＜2次式の因数分解＞

2次式ａｘ²＋ｂｘ＋ｃ(ａ≠0)は、2次方程式ａｘ²＋ｂｘ＋ｃ＝0の解を用いて因数分解することができる。

2次方程式ａｘ²＋ｂｘ＋ｃ＝0の解をα、βとすると�Iの値は−α、−βだから

　　　　　　　ａｘ²＋ｂｘ＋ｃ＝ａ(�I−α)(�I−β)

　　とくに　重解をもつとき、

　　　　　　　ａｘ²＋ｂｘ＋ｃ＝ａ(�I−α) ²　

例えば　6(�I＋２)(�I−４)のとき　�I＝−２、４　→　つまりα＝−２、β＝４ですね。

　　　　　これは、ａ(�I−α)(�I−β)　を用いて、

　　　　　　6｛�I−(−２)｝(�I−４)　＝　6(�I＋２)(�I−４)　

　例　6�I²＋7�I−3を2次方程式の解を用いて因数分解する。

　　　これは、たすきがけでも簡単に因数分解できるが、6�I²＋7�I−3＝0とおいた方程式の解を解の公式でもとめ、上の因数分解の式を利用するという方法を理解するための例。

　　　6�I²＋7�I−3＝0の解は、

　　　�I＝

　　　すなわち　�I＝、　　ゆえに、因数分解の式を利用して

　　　与式＝6(�I−)｛�I−()｝＝6(�I−)(�I＋)

　　　　　＝{３(�I−)}{2(�I＋)}　　←こんなふうにすると、きれいに整数になる。

　　　　　＝(3�I−１)(2�I＋３)・・・・・答



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