雑録2005.7.9 ネコ 
 

先日、妻が部屋に入るなり、「ネコはほんとに、もうやんなっちゃうんだから」と、怒っている。猫の額の庭に置いた“カネのなる木”の植木鉢が掘り返され、植木鉢の中に、おしっこの臭いと糞が残されたという。

その二日前には、たまたま二階の外廊下に並べた観葉植物の植木鉢がなぎ倒され、廊下に植木の土がばら撒かれた上、ひとつの植木鉢に、おしっこの臭いと糞が残された。室内に戻すときは、臭いが残るので土を入れ替えなければならない。

翌日には、一階の外廊下に置かれた、カレーの食べ残しの入ったビニールの袋が食いちぎられ、まるで糞を垂れ流したように、コンクリートの上にボタボタとカレーを落としていった。これらのことは、二回目である。

 

一回目は、二年前、二階のベランダで日向ぼっこをしている野良ネコを、ネコがあまり好きでない妻が追っ払った。次の日も追っ払い、また次の日も追っ払った。何日か後、こんどは水をかけて追っ払った上に、ベランダの柵にスダレを回し、ネコが入れないようにした。

このあと、三日続けて、ネコがネズミの頭を、玄関ドアの前に置いていった。血が飛び散っていたので、ネズミをドアの前までくわえて来て、そこでネズミを食べて頭だけ残していったのに違いない。妻に頼まれて、ネズミの後片付けをやった。

獣医をしている甥っ子にいわせると、それはネコのいやがらせだという。

玄関のまわりに、ネコ忌避用木酢液を撒き、ネコを近寄らせない製品を置いた記憶がある。

 

今回の場合は、私の家の犬走りに、一部が覆われている側溝がある。その中で生んだかどうかは不明だが、中で四匹の子ネコが育てられていた。野良の親ネコは、そばを通ると、ギヤーギヤーとわめき立てる。隣の人はネコ好きである。事情を話すと、早速見に来てくれ、野良ネコを捕まえ去勢の手術をしているNPOに連絡を取ってくれた。

NPOが仕掛けたわなに、子ネコ一匹がかかり、妻と隣人が、タクシーで獣医に連れて行った。子ネコは小さすぎるので、去勢はしなかったが、予防注射だけをして帰って来た。子ネコといえども野良ネコであり、獣医を含めて、三人がかりで押さえつけたという。飼い主がきまるまで、隣家で飼い馴れさせることになった。

ネコ好きの隣人は、子ネコ四匹のうち一匹ぐらいいなくなっても、親ネコは気にしないはずだと言っている。しかし、妻は、これを根に持ってのいやがらせに違いないと思っている。

後日、獣医から、子ネコの糞には、多くの細菌がうじゃうじゃ見つかったと連絡が来た。今後、親ネコを含めて、捕まえる予定である。

 

実家で、姉が黒猫を飼っていた。昨年14歳で死んだが、人間の年齢では70歳以上に相当する。晩年の数年間、糖尿病にかかり、朝夕の食事前に、首のうしろにインシュリンの注射をうたれていた。猫への注射ではあるが、使い捨ての注射器を使っていた。食事制限をさせられ、ガリガリに痩せてしまい、常に食べ物をねだっていた。血糖値が下がりすぎ、引き付けをおこしたこともある。

元気なころは、雀やセミなどを姉の枕元に持ち込み、あわてさせることが度々あったらしい。

その猫は、私の息子にはなついていたが、わたしにはなつかなかった。足でじゃらすような人には、ぜったいなつかないよ、と甥っ子にいわれてしまった。

 

甥っ子も猫を飼っているが、この猫も糖尿病である。しかも、歯が全部ぬけて、入れ歯をしていると聞いている。猫の入れ歯はどんなものか、見たいものである。

参   考


訂正
 獣医の甥っ子はアメリカにいる。2005年12月にホームページを読んだ甥っ子からメールが入り、自分のネコは入れ歯をしていないこと、糞はもともと細菌のかたまりであると書いてきた。入れ歯の件については私の勘違いである。細菌については、家畜に寄生する回虫のまちがい。
 
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