雑録2014.7.20 コーヒー
   朝食後、自家製のカスピ海ヨーグルトを食べ、コーヒーを飲むのを楽しみしている。

カスピ海ヨーグルトは、酸味がほとんどない。これにスキムミルクを入れ、蜂蜜(はちみつ)かオリゴ糖、ジャムまたは黒砂糖入りのキナ粉などを混ぜ甘みをつける。毎日400CC入りのジャムビンでつくる。そのうち大さじ山盛り3杯を次回の種菌として使用し、残りを食べる。以前、雑菌が入り()っぱくなったため、種菌を新たに購入したことがあるが、それ以来、同じ菌を10年近く継続して使用している。カスピ海ヨーグルトの発酵温度は2030℃である。冬はビンを保温ポットに接しておいて温度を保つが、その時期以外はほぼ室温で発酵する。発酵に使用する容器などを熱湯消毒し、雑菌が繁殖しないように注意すれば家庭でも簡単につくることができる。すぐに食べない場合でも、冷蔵庫にいれておけば一週間は保存が効く。

 

コーヒーは、以前、手動ミルで豆を()いてペーパードリップで抽出し飲んでいた。豆を()くのが面倒になり()いたコーヒーを買うようになった。コーヒー専門店ではほんとにおいしいコーヒーを出すところがある。そのようなコーヒーを自宅で飲みたいものだと思っていた。

たまたま買った201471日号の『週刊エコノミスト』に、「コーヒーの“神様”田口護」というインタビュー記事が4ページにわたって掲載されていた。

記事では、2000年に沖縄サミットで夕食会が開かれコーヒーが出された。参加していたクリントン大統領はコーヒー嫌いでしられ、クリントン大統領には紅茶が用意されていた。大統領は、隣のカップから立ちのぼる香りに誘われコーヒーを飲んでみたいと希望し、おかわりまでしたそうである。この時出されたコーヒーが、田村護氏の「バッハブレンド」コーヒーである。

田村氏は、東京山谷の日雇労働者が多く住むドヤ(簡易宿泊所)の立ち並ぶ一角に、1968年に喫茶店「カフェ・バッハ」を開店した。当初は日雇い労働者が客の大半であったそうである。以来46年、現在もその場所で営業している。銀座や百貨店から出店依頼があるが、今の味やサービスのまま同じ値段(バッハブレンドは一杯570円)で提供できないとして、すべて断ってきたそうである。

 

“コーヒーの神様”がつくるコーヒーをぜひ飲んでみたいものだと思った。ネットで調べると、JR南千住駅から徒歩8分とある。早速行ってみた。途中、交番で店を確認すると、すぐに交番の外に出てきてくれて店のある方向を指さし教えてくれた。交番で訪ねる人も多い有名な店なのだろうと感じた。店は大通りに面しているが、大通りの横道には、簡易宿泊所が何軒も(のき)を連ねていた。

店内は平日の午後のためか、客の数より従業員のほうが多い。先のインタビュー記事によると、ここで働く人たちは、将来、独立して店を開きたい人たちであり、最低でも6年は修行しているという。私が行った時は、客も来ないのにカウンターにペーパードリップを10個ぐらい並べて、練習のため? お湯を注ぐしぐさだけなのか、実際に注いでいるのか、遠くからなのでよくわからなかったが、1人の人が熱心に同じ動作を繰り返していた。

酸味度とコーヒーの一覧表が載ったメニューをもって注文を取りに来た。注文した「バッハブレンドコーヒー」は、私には酸味が強かったが、ミルクとザラメを入れると、こんなにも変わるものかと思うほど味がまろやかになった。私は1日に4杯はコーヒーを飲む。ダイエットのため砂糖は使わず、味の素の低カロリー甘味料パルスイートを使用している。ここのテーブルには、グラニュー糖も角砂糖も低カロリー甘味料もなく、ただザラメ(コーヒーシュガー)が置かれているだけである。

店員に豆だけ売ってくれるのかと尋ねると、100グラム単位で売るという。「バッハブレンド」を()いたものと豆だけのものを100グラムずつ買った。そのときくれた「おいしいコーヒーを抽出するための基本」と書かれた1枚の印刷物を、帰りの電車の中で読んでみた。コーヒーを抽出する適温は82°〜83℃とある。私はティファールの電気ケトルで沸かしているが、スイッチが切れると同時に沸騰したお湯を注いでいた。お湯はなるべく細く(直径23ミリ)注ぐとある。ティファールの注ぎ口は効率よくお湯が出せるように広い。

帰りに東急ハンズに寄り、温度計と細く注げるドリップポットを購入して帰った。甘味料を低カロリー甘味料パルスイートからコーヒーシュガー(ザラメ)にかえ、さらに以前、不要だからというのでもらってあったカッター式電動コーヒーミルを使うことにした。

写真は、コーヒーを入れるための私の新9点セットである。

インターネットで「コーヒーの()れ方」で検索すると、懇切丁寧(こんせつていねい)に数限りない淹れ方がアップロードされている。カッター式電動コーヒーミルは、粒子をそろえるためミルを上下に振りながら、メジャースプーン1杯5秒の割合で()くとよいなどと要領も載せられていた。

私はコーヒー通でもないし、コーヒーの味に敏感でもない。ただコーヒー豆の素材が良くても、()れ方が悪ければおいしくはならないと言われているので、自己満足のために手間をかけている。

高校時代、英語の先生が、「自家製のコーヒーを飲みながら、クルミを食べる。これは私の至極(しごく)の楽しみだね。クルミとコーヒーは相性(あいしょう)がいいんだよ」と言われたことを懐かしく思い出す。

 

追 記

喫茶店「カフェ・バッハ」は、コーヒー豆や器具などを通信販売している。

 

 
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