池と蓬莱島
入り口からしばらく木立の中を小道を進んでゆきます。やがて大きく視界が
開けて、真っ青な空を映した広々とした池が眼前にひろがります。
池には中の島や蓬莱島が配され、向こう岸には鬱蒼と木々が茂ります。
六義園は、東京の庭園のなかでとびきり広い庭園ではないし、この池もそれほど
大きいものではないのですが、ここの景色はいわゆる庭園らしいといいましょうか、
とても印象に残ります。
雅で優しげな...
小石川の後楽園が男性的な雰囲気であるのに対し、ここ六義園は女性的である
と称されることが多いようです。そう云われて見てみれば、園内には荒々しさを
表現した造形物よりも、どことなく優美な趣のものが多いように感じます。
武人が心休める場所というよりは、貴人が雅を楽しむ処、といったことなのでしょうか。
(柳沢吉保も、よく御成のあった徳川綱吉も、もちろん武士なのですが。。。)
六義とは、漢詩の基本的な六つ構成要素のことで、その事が古今和歌集に
載っているのだそうです。
この園の趣旨の通り、歌人になったつもりで野山に遊べば、平安貴族の気分を
味わえる、、、かも知れません。
奇岩や石細工
全体的に優しさやしなやかさを感じる庭園でありますが、石や岩を使っての
独特の景観も楽しめます。
滝見の茶屋付近では、ワニに似た形のものなど奇岩が多く見られますし、
その他にも、園内各所にさりげなく配された造詣を見ることができます。